戦え!!正義の兄弟戦士ジャスティスカイザー
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第三十二話 加藤中尉!作者は折り鶴を折れない!!その九
「是非」
「では頼んだでごわす」
「それでは」
こうしてだった、瞬は加藤と共に出陣することになった、その彼女にだ。西郷はあるものを贈った。それは。
折り鶴だった、的確かつ丁寧に折ったそれを瞬に手渡してだ。西郷は彼女に対して微笑んでこう言った。
「これはおいどんからの贈りものでごわす」
「まさかこれは」
「おいどんが折ったでごわす」
「そうですか、元老が」
「思えば折り紙も久しぶりでごわす」
こうだ、西郷は少し気恥かしそうに笑って言った。
「だから不格好でごわすが」
「いえ、お見事です」
瞬はその西郷にこう返した。
「丁寧でしかも」
「それにでごわすか」
「元老のお心があります」
その折り鶴にというのだ。
「ですからこれは宝とさせてもらいます」
「そう言ってくれるでごわすか」
「はい」
微笑んで答えた瞬だった。
「是非共」
「有り難いでごわす、その様な鶴をそうして頂けるとは」
「では」
「武運をでごわす」
こうしてだった、瞬はその折り鶴を胸んい収めてだった。加藤のところに向かった。加藤は奈良県郡山市において折り紙の先生としてボランティアで折り紙を子供達に穏やかかつ優しく教えていた。
その彼のところにだ、瞬は来て言った。
「中尉、宜しいでしょうか」
「大将ご自身が来られるとは」
茶人、それも若いそれの様に穏やかな気品でだ。彼は応えた。実に気品のある美貌だ。
「身に余る光栄です」
「いえ、こちらこそお邪魔しました」
「大将が来られたといことは」
「時が来ました」
「戦いの時がですね」
「共に参りましょう」
「わかりました」
その彼加藤は瞬に気品と凛がある声で応えた。
「ではこれより」
「先生、それじゃあ」
「頑張って下さい」
「あんな奴等やっつけて下さいね」
「先生があんな悪い奴等に負ける筈ないですから」
子供達は加藤を敬愛する目で見つつ声援を送った。
「そしてまた僕達に折り紙教えて下さい」
「私達先生と一緒にする折り紙大好きです」
「色紙も好きになりました」
「ですからお願いです」
「あんな奴等成敗してその後でまた」
「僕達に折り紙を教えて下さい」
「有り難うございます、では今より出陣しますが」
加藤は子供達にも温厚だ、その温厚な声で。
子供達にも礼を言いだ、そしてだった。
子供達にだ、こうも言ったのだった。
「皆さん、私がいなくとも心の鍛錬を続けて下さい」
「はい、折り紙を通じてですね」
「折り紙は芸術だからですね」
「芸術は見る人の心を豊かにする」
「それを行う人もですね」
「そうです、是非折り紙から心を養われて下さい」
是非にというのだ。
「そうされて下さい」
「わかりました、修行を続けます」
「先生がおられない間も」
「僕達折り紙をします」
「毎日続けます」
「心を養われてです」
そしてというのだ。
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