ドリトル先生の水族館
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第三幕その九
「日本はとてもいい国だけれどね」
「そこは間違っている」
「その野球選手とマスコミは」
「先生はそう言うんだね」
「日本のマスコミはおかしいよ」
先生も首を傾げさせることです、日本のマスコミについては。
「人気選手でもおかしいことをしているとね」
「おかしいと言わないと駄目だよね」
「野球選手が格闘家のトレーニングをしたりするとか」
「それで格闘家の体格になって喜んでいるとか」
「間違っているんだね」
「何度も言うけれど野球をするに相応しい体格があってね」
先生は更に言いました。
「格闘をするに相応しい体格があるから」
「じゃあ若しね」
「格闘家が野球をしたらどうなるのかな」
オシツオサレツが先生に尋ねました。
「そうしたことをしたら」
「その時は」
「だから全然野球をする体格じゃないんだよ」
先生はオシツオサレツの問いに真面目な口調で答えました、見ればお顔もそうしたものになっています。
「筋肉のつき方とかが」
「ううんと、僕がチーチーの真似をするみたいなのかな」
「僕がジップでね」
ジップとチーチーは先生がオシツオサレツにお話したことを聞いてそのうえでお互いに顔を見合わせてお話しました。
「それじゃあね」
「どうしても無理があるよね」
「そうだよ、無理があるよ」
そこは絶対にというのです、先生は二匹にもそうしました。
「だから怪我ももとでもあるんだ」
「身体に合わないことをするから」
「それで」
「それじゃあね」
今度はダブダブが言いました。
「身体にも無理がかかってってことね」
「うん、野球は打って走って守るね」
「格闘家はパンチとかキックとか投げ技ね」
「野球をするんじゃないんだよ」
「それで野球をしても」
「無理があるから怪我が多くなるんだ」
野球をする体格ではないからというのです。
「だから駄目なんだ」
「それでその選手はどうなったの?」
「先生元って言ったけれど」
ガブガブとポリネシアが尋ねます。
「やっぱり怪我多かったの?」
「そうなったのかしら」
「そうだよ、そうしたトレーニングをするまでは怪我に強い選手だったのに」
それがというのです。
「怪我ばかりする選手になったよ」
「ああ、やっぱり」
「そうなったのね」
二匹も納得することでした。
「変なことするから」
「そうなったのね」
「うん、それまでは打つだけじゃなくて守れて走ることもそこそこだったのに」
そうした選手だったというのに、というのです。
「守備も走塁は駄目になって」
「打つだけ?」
ホワイティが老馬の頭の上から尋ねました。
「それって」
「うん、その打つ方も固くなってどんどんおかしくなっていったらしいね」
「やっぱり」
「打つのは腰の回転で打つんだ」
野球のバッティングはです。
「腕力も必要だけれどそれがメインじゃないからね」
「というかその選手って」
「おかしいよ」
トートーも老馬も首を傾げさせます。
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