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転生とらぶる

作者:青竹
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Fate/stay night
  1107話

 セイバーと呼ばれた女が俺と凛の方へと向かって見えない剣と思しきものを向け、宣言したのはいいんだが……

「遠坂!? それに、そっちは確か今日転校してきた……」
「マスター! 前に出ては駄目です! あの者達は聖杯戦争の参加者、つまり私達の敵です!」

 そう告げながら、セイバーは後ろから出てこようとした衛宮の動きを止める。

「ちょっと待ってくれセイバー! あっちの……えっと、男の方は知らないけど、遠坂の方は俺の知り合いなんだ」
「マスター、聞き分けて下さい。私と互角にやり合うだけの実力を持っているサーヴァント、間違いなく強敵です。そのサーヴァントに守られているあちらも聖杯戦争の参加者で、メイガスなのは間違いありません!」

 そんな風にやり合っている2人を見ていると、やがて凛が俺の背後から1歩前に出る。
 正直、セイバーを相手にして凛を庇いながら戦うのは結構面倒なんだから、出来れば前に出てきて欲しくないんだけど。
 そんな俺の思いとは裏腹に、凛はニコリとした笑みを浮かべて口を開く。

「ごきげんよう、衛宮君。まさか衛宮君が魔術師だったとは思わなかったわ。この冬木のセカンドオーナーである私に隠れて魔術師が住み着いているなんてね」
「うん? 何で遠坂が怒ってるんだ?」
「……はぁ。いい? 私はこの地のセカンドオーナーにして、聖杯戦争の参加者。そこまで言えば衛宮君でも事情は理解出来るでしょ?」

 呆れた様子で告げる凛だったが、衛宮の方はそれによく分からないといった風にオロオロとしている。
 ちなみに俺はと言えば、衛宮の側にいるセイバーが少しでも怪しい動きをすれば即座に斬るとでも言いたげな鋭い視線でこっちを見ている為、迂闊に行動を起こす事が出来ない。
 何しろ、ちょっと手足を動かすだけで一々反応するのだから。
 もっとも、それは無理もない。さっき短いやり取りでこっちの力量を大体でも理解したのだろうから。
 そうであれば、向こうにしても迂闊に俺を自由にさせるわけにもいかないか。
 凛と衛宮の話を聞き流しながら、改めてセイバーの方へと視線を向ける。
 金髪で整った顔つき、背の高さは俺よりも少し低いか。
 総じて、年齢としては俺と同年代に見える。
 もしかして、聖杯戦争のサーヴァントって10代の姿で召喚されるのか?
 ふとそんな事を思ったが、よく考えてみればランサーはどう見ても10代には見えなかったな。20代半ばといったところだろう。
 だとすると、セイバーが俺と同い年くらいの年齢に見えるのは単なる偶然に過ぎないか。
 そんな風に考えていると、不意に凛が俺の方へと振り返ってくる。

「アークエネミー、行くわよ」
「帰るのか?」
「違うわよ。衛宮君に今がどんな状況なのかを教えて上げるの」
「……何だってまた?」

 ランサーに殺されそうになっているから助けに来たのは、あくまでも衛宮が一般人だと思っていたからだろう。
 だが、セイバーというサーヴァントを従えている以上は聖杯戦争の関係者なのは間違いない。
 だとすれば、凛の性格からしてここで戦う……というのはないかもしれないが、聖杯戦争に関して事細かに教えてやる必要があるかというのも、正直疑問だ。
 俺の知っている凛の性格を考えれば、こんな事はしないと思うんだが。
 勿論、俺が凛と出会ってからまだ殆ど経っていないんだから、凛の性格を完璧に把握しているという訳じゃないけど。
 それとも、やっぱり凛と衛宮の間には何かの事情があるのか?
 凛は学校のアイドル的な存在らしいから、衛宮の方から何か思うところはあるかもしれないけど……凛の方からってのはちょっと考えにくい。

「色々とあるのよ。それよりほら、行くわよ。向こうもセイバーと一緒に話し合いに出るんだから、こっちからもアークエネミーが一緒に来るの」
「はいはい。まぁ、凛がそう言うなら俺も話し合いに参加させて貰おうか」

 凛の言葉に頷き、衛宮の家……武家屋敷にも思えるような家の門を潜る。

「うわ、結構荒れてるわね」
「ああ。さっきのランサーって奴と戦ってる時に逃げ出してな」
「……セイバーを召喚して対抗したんじゃないの?」
「いや、違うぞ。セイバーは、俺がランサーに襲われている時に偶然召喚されたんだ」
「呆れた。じゃあ、本気で生身のままでサーヴァントとやり合ってたっていうの?」
「やり合ってたって言うか、やられまくってたって方が正しいけどな」

 そんな風に言いながら家の中に入り、居間へと向かう。
 すると居間のすぐ側にある廊下では戸が壊れており、ガラスの破片が周囲に散らばっていた。

「うわ、ちょっと待っててくれ。すぐに片付けるから」

 その光景に慌てて掃除道具を取りに向かおうとする衛宮だったが、凛はそれを止めて呪文を唱えると、巻き戻されるかのようにガラスの破片が空中に浮き上がり、戸が修復されていく。

「……遠坂、凄いな」
「何言ってるのよ。衛宮君も魔術師なんだから、このくらい初歩の初歩でしょ?」
「いや、俺が使えるのは強化くらいだから……」
「呆れた。どんな魔術師よ。まぁ、いいわ。これでここも落ち着いたし、しっかりと衛宮君の置かれた状況を教えてあげる」

 その言葉に、俺と凛、セイバーと衛宮という風に別れて座り、凛の口から聖杯戦争に関して説明されていく。
 ただ、中でも衛宮が引っ掛かった部分は、サーヴァントの霊体化。
 普通であれば実際に霊体化して見せれば早いのだが……

「アークエネミー以外にも受肉した状態で現れる英霊がいるなんて、ね」

 セイバーが霊体化出来ないという話を聞いて、凛がそう呟く。

「アークエネミー? さっき聞いた聖杯戦争のクラスの中にアークエネミーなんてクラス名はなかったけど、どういう事なんだ?」
「ま、中にはイレギュラークラスって言って、用意されたクラス以外のクラスでサーヴァントとして召喚される事もあるのよ。それがこのアークエネミー」
「……いや、けどそいつって今日遠坂のクラスに転校してきた奴だろ? サーヴァントが学生をやるのか?」

 そう言いながら衛宮が俺の方へと向けてくる視線には複雑なものがある。
 嫉妬……とまではいかないけど、羨んでいるような、そんな視線。

「しょうがないじゃない。受肉している以上は霊体化出来ないんだもの。かといって、聖杯戦争中に護衛もなしで出歩くわけにはいかないわ」
「……貴方も受肉を?」

 セイバーがそう呟き、こちらに視線を向けてくる。

「ああ。勿論何らかのイレギュラーがあったのは事実だが……」

 チラリ、と視線を凛の方へと向ける。
 俺に対してイレギュラーが起きた最大の原因の人物へと。

「うっ、そ、それはしょうがないじゃない。うっかり時計の件を忘れてたんだから」
「……なら、セイバーも学校に転校させる事が出来るのか?」

 俺と凛のやり取りを見ていた衛宮の質問に、凛は難しそうな表情を浮かべる。

「どうかしらね。私の場合はそういう事を出来る伝手があったからどうにかなったけど、衛宮君の場合、そんな伝手がないでしょ? ……ああ、でも。いえ、もしかしたら丁度いいかもしれないわね」
「うん? どうしたんだ、遠坂?」
「衛宮君、これからちょっと出掛けるわよ。今回の聖杯戦争を仕切っている奴に会わせてあげる。もしあいつの気が向けば、セイバーも学校に転校するという形に出来るかもしれないわね」
「……セイバー?」
「私としては、彼女の意見に賛成です。霊体化出来ない身では、マスター……いえ、シロウを守るのも大変ですし」
『本当なら未熟者の魔術師だから霊体化出来ないのよって言いたいのに、私自身ミスをしている以上言えないわ……』

 凛が念話でそう愚痴る。

『まぁ、そのうっかりミスのおかげで俺を召喚出来たんだと考えれば、そんなに悪いミスでもなかっただろ? うっかり凛ちゃん?』

 ピキリ、と。俺の念話を聞いた瞬間に凛の額に血管が浮き上がる。

「ちょっ、遠坂!? 何でいきなり怒ってるんだよ!?」
「っ!? 何のつもりですか、メイガス! ここで先程の続きをするというのなら、受けて立ちますが」

 そんな凛の様子に衛宮が焦り、セイバーがあの見えない剣を取り出す。
 それで我に返ったのだろう。凛は何かを誤魔化すかのように笑みを浮かべて口を開く。

「あら、ごめんなさい。うちのアークエネミーが馬鹿な事を言ったから」
『アークエネミー、あんた1回令呪を使って私に逆らえないようにして上げようかしら?』
『何だ、うっかり凛ちゃんってのは嫌だったのか?』
『当然でしょう!』

 俺と凛のやり取りが原因なんだと理解したのだろう。衛宮とセイバーはお互いに小さく溜息を吐いてから再び腰を下ろす。

「それで、えっと聖杯戦争を仕切ってる人の所に行くんだよな?」
「ええ。衛宮君は魔術師ではあるかもしれないけど、殆ど魔術師としての常識とかを知らないヘッポコだから、その辺もきちんと教えて貰えばいいわ」
「ヘッポコ……」

 がくり、とテーブルに肘を突き、落ち込む衛宮。
 それをセイバーが励ましているが……うん、多分衛宮って凛に対して好き……とまではいかなくても、憧れの感情は抱いていたんだろうな。
 実際、猫を被っている凛は学校のアイドル的な存在な訳だし。

「とにかく、衛宮君。今はあいつのところに行くから、外に出る準備をして頂戴。……セイバーは……さすがにこの格好だと目立つわね」
「む、そうは言っても貴方達とはまだ休戦状態なだけで、手を組んでいる訳ではありません。それに、先程のやり取りを見る限りではアークエネミーの主な攻撃手段は素手。つまり、何も持っていない今の状態こそが臨戦態勢であるとも言えます。そんなアークエネミーが近くにいるというのに、武装を解除出来る筈がありません」

 セイバーの言葉は間違ってはいない。寧ろ正しいとすら言えるだろう。
 実際、俺がその気になればここから瞬時に衛宮の側に移動して首の骨を折って始末出来るのだから。
 ……まぁ、出来るのとやるのとでは全く意味が異なるけど。

「けど、セイバー。遠坂の言ってる人物に会いに行くには、どうしても目立つんだよそれ」
「……ですが、こちらとしても手を抜けません」
「うーん、何かセイバーの服装を隠すような事が出来ればいいんだけど……」

 衛宮、セイバー、凛がそれぞれ話していると、不意に衛宮が何かを思いついたかのように手を叩く。

「うん、そうだよ。遠坂の言う通りだ! セイバーの鎧姿が見えなければいいんだよな! ちょっと待っててくれ!」
「……何でしょう、微妙に嫌な予感がします」

 部屋の奥へと向かって行く衛宮を見ながら、セイバーがそう呟くのだった。





 俺、凛、衛宮、セイバーの4人は纏まって外に出る。
 向かう先は、凛と俺の保護者という扱いになっている人物のいる場所。
 そんな夜の空気の中を歩いていると、不意に救急車の音が聞こえてくる。

「遠坂、あれって……」
「多分ガス漏れ事件でしょうね」

 そう呟く凛の口調は、一見すると何でもないように見えるが、どこか悔しげな色がある。
 その理由を俺は知っている。
 凛曰く、ガス漏れ事故というのは表向きで、実際にはサーヴァントの仕業らしい。
 魂食い。
 いわゆる、サーヴァントが人を襲って魔力を増やしている訳だ。

「……それより衛宮君、セイバーの格好、もう少し何とかならなかったの?」

 話を誤魔化すかのように凛がセイバーの方へと視線を向けてそう言うが、正直、それは俺も賛成だ。
 何しろ、今のセイバーの格好ときたら……

「何ですか、アークエネミー。私に何か言いたい事があるのなら聞きますが?」

 そう告げてくるセイバーだが、顔には不満しかない。
 セイバー自身も色々と思うところがあるのだろう。
 何しろ、黄色いカッパを被せられているのだ。
 確かにこれだとセイバーの鎧は目立たないだろうが、別の意味で目立っている。
 ……周囲が暗い夜で幸いだったな。
 ただ、暗闇の中で今のセイバーと会えば、変質者とかと誤解されるんじゃないか?

「……まぁ、お前が納得しているのならそれでいい」
「アークエネミー、貴方は私に戦いを挑むと? ほう、いいでしょう。先程の続きをやるというのであれば、私としても受けて立つのに否はありません」

 うん、やっぱりセイバー自身もぶっちゃけこの姿には納得してなかったんだな。
 何となく予想はしてた。

「ちょっと衛宮君。セイバーのあの格好、他に何とかならなかったの? ちょっと酷すぎるんじゃない?」
「いや、けど目立たないだろ?」
「別の意味で目立ってるような気がするけどな」
「分かりましたアークエネミー。さぁ、構えなさい。私の剣でその無駄によく喋る口を封じてあげます!」
「いや、だからいい加減にしろ。大体、お前にその格好をさせたのは俺じゃなくて、お前のマスターだろ? なら、その剣の向く先はどっちだ? 俺じゃないだろ」

 ぐうの音もでないといった風に言葉に詰まり、こっちを恨めしそうに見てくるセイバー。
 俺が言うのもなんだけど、こいつこれでも英霊なんだよな。
 戦っている時は戦士……いや、騎士って感じなのに、普段はなんだってこんなにポンコツなのやら。
 ああ、でも凛曰くポンコツ魔術師の衛宮となら結構似合うかも?
 そんな風に話ながら歩いて行くと……やがて視線の先に教会と思われる建物の姿が見えてきた。 
 

 
後書き
アクセル・アルマー
LV:42
PP:370
格闘:301
射撃:321
技量:311
防御:311
回避:341
命中:361
SP:1402
エースボーナス:SPブースト(SPを消費してスライムの性能をアップする)
成長タイプ:万能・特殊
空:S
陸:S
海:S
宇:S
精神:加速 消費SP4
   努力 消費SP8
   集中 消費SP16
   直撃 消費SP30
   覚醒 消費SP32
   愛  消費SP48

スキル:EXPアップ
    SPブースト(SPアップLv.9&SP回復&集中力)
    念動力 LV.10
    アタッカー
    ガンファイト LV.9
    インファイト LV.9
    気力限界突破
    魔法(炎)
    魔法(影)
    魔法(召喚)
    闇の魔法
    混沌精霊
    鬼眼
    ???

撃墜数:1183 
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