リリカルアドベンチャーGT~奇跡と優しさの軌跡~
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Another84 寒冷地エリア
前書き
一方丈達は。
一方メタルシードラモンを撃破した丈達は、ヤマト達同様、スパイラルマウンテンの頂上を目指していた。
丈「…何か寒くないかい?」
丈の言葉に全員が同感だと言わんばかりに頷いた。
ギンガ「た、確かに少し寒くなってきたかも、もしかしたらここ、寒冷地エリア?」
肌寒くなってきたために少し身体を震わせながら前進する子供達…だったが。
ビュゴオオオオ!!
全員【寒っ!!?】
更に前進した後、いきなり猛吹雪を全身に浴びる羽目になった子供達。
スバル「いきなり猛吹雪ってどういうことーっ!!?」
フェイト「ダークマスターズも…もう少し地形を考えて欲しいよね」
すずか「敵にそんなこと言っても仕方ないんじゃ……」
遼「まあ、無駄と分かっていても言わなきゃならない時があるさ」
苦笑しながら言う遼。
しかし全員、自分達の世界では夏のために全員が軽装なので、このままでは高確率で風邪を引いてしまう。
ヒカリがこのメンバーにいなくてよかった。
身体が弱いヒカリがここにいたら確実に風邪を引いてしまう。
賢「どこか吹雪を凌げそうな場所はないだろうか……」
辺りを見回すが、休めそうな場所等何処にも存在しない。
深い溜め息を吐くが、事態が好転するわけでもないために、一気に突き進むことに決めた子供達は寒さを堪えながら前進する。
はやて「それにしてもこんな猛吹雪の中じゃまともな行動出来へんやろ。この寒冷地エリアを統治しているリーダーはどこの馬鹿や?」
賢「んー、やっぱりイッカクモンとかユキダルモンとか……寒冷地エリアで暮らしているデジモンじゃない?」
すずか「ユキダルモンかあ…最近見てないなあ」
すずかはあの可愛らしい外見のデジモンがいたく気に入っていた。
フェイト「可愛いもんねユキダルモン」
ギンガ「うん、可愛いですよねユキダルモン」
スバル「ユキダルモン可愛いよ~。イッカクモンも可愛い。ガルルモンは格好良い」
ゴマモン[可愛いか…ちょっと複雑]
微妙そうな表情を浮かべるゴマモン。
個人的には可愛いより格好良いがいいらしい。
[ユキダルモンユキダルモンユキダルモン!!一々うるせえってばよ!!]
全員【ん?】
猛吹雪の中でも良く聞こえた声に全員の足が止まった。
[寒冷地エリアのアイドルはユキダルモンでもなけりゃあイッカクモンでもねえ…このダイペンモン様だってばよ!!]
何と目の前に伝説の十闘士の融合体と言われているチャックモンとブリザーモンの面影なんぞ皆無なペンギンのようなデジモン。
デザイナーさんがチャックモンとブリザーモンの要素を組み込もうと悩みすぎて頭バーストした結果がダイペンモンではという噂がある程のチャックモンとブリザーモンの面影0のデジモンである。
ダイペンモン[お前ら今俺に対してとてつもなく失礼なこと思っただろ?]
全員【いいえ全然】
多分目の前のダイペンモンは十闘士のチャックモンとブリザーモンの因子を偶然持っていたデジモンなのかもしれない。
フレイモンやストラビモンのような特別な感じがしないのである。
とにかく、目の前にいるダイペンモンの巨体を見上げる。
ゴマモン[お前、ダークマスターズの一員か?]
ダイペンモン[ブルーハワイデス!!]
シロップをかけた右手のアイスのカキカキクンを思いっきりゴマモンに向けて振り下ろす。
ゴマモン[ぎゃあああああああああああ!!?]
いきなりの必殺技に驚愕しながらギリギリでダイペンモンの攻撃を回避したゴマモン。
ダイペンモン[てやんでい!!俺がダークマスターズの一員なわけねえだろってば!!俺は寒冷地エリアのアイドルになるために日々寒さに耐えながら心頭滅却、寒中水泳などをして修行中なんだってばよ!!]
スバル「いや、修行って言っても心頭滅却とか寒中水泳は君、寒冷地エリアで暮らすデジモンだから意味ないんじゃ…」
はやて「スバル、それ言うたらあかんって……」
ダイペンモン[………………………]
スバルの鋭いツッコミに沈黙するダイペンモン。
丈「(嫌な間だなあ……)」
ダイペンモン[とにかくお前ら何しに来た?]
ゴマモン[オイラ達、ダークマスターズと戦ってるんだってばよ]
ギルモン[ゴマモン、おめえ喋り方移ってっぞ]
ダイペンモンの喋り方が移ったゴマモンにギルモンがツッコむ。
ゴマモン[それでスパイラルマウンテンの頂上に向かおうとしてたんだけど、何故かこのエリアが猛吹雪のせいで目の前が真っ白で前に進めないんだってば]
ギルモン[だから喋り方……]
はやて「気にせんでええよ。もう……」
ダイペンモン[ああ、この猛吹雪、俺のせいだってばよ]
全員【はい?】
ダイペンモン[アイドルになるために日々の特訓のためにと猛吹雪を降らせてたんだが……]
賢「(スバルのツッコミで無意味なことに気づいたと……)」
ダイペンモン[まあ、ついて来い]
ダイペンモンに案内され、連れてこられたのはダイペンモンの寝床の洞窟であった。
しかし中には洞窟には不似合いなでかい装置がある。
遼「でかい装置だな」
ダイペンモン[昔、知り合いに造らせた“吹雪びゅうびゅう君”だってばよ。この3つのボタンのうち1つが解除ボタン。他のボタンが自爆ボタンだってばよ。えーっと解除ボタンは……]
動きを止めるダイペンモンに疑問符を浮かべる子供達。
ギンガ「もしかしてどれが解除ボタンか、忘れちゃったとか?」
[そりゃあ何年も使ってませんもん]
[うんうん]
ダイペンモンの子分達のペンモン達が頷きながら言う。
ダイペンモン[しかも自爆ボタンを押せば永久に吹雪は止まないってばよ]
はやて「何やそりゃあ?」
賢「何てふざけた装置なんだ」
ダイペンモン[まあ、落ち着けってば、寒冷地エリアのアイドルの名にかけて必ず解除ボタンを……]
スバル「とりゃ」
ポチッ☆
ダイペンモンが言い終わる前にスバルがボタンを押す。
ダイペンモン[ああ~!!?何てことするんだってばこのチビ!!]
スバル「チビじゃないもん!!ナノモンに連絡して解除ボタンがこれだって聞いたんだもん!!」
賢「ナノモン?ああ、ナノモンは機械のスペシャリストだから確かにこういう時頼りになるかもね」
外に出てみると確かに吹雪は止んでいた。
丈「吹雪が止んでる……」
スバル「これでスパイラルマウンテンに行けるね」
ダイペンモン[お前ら迷惑かけて悪かった。お詫びにこいつをやるよ]
子分のペンモン達に用意させ、手渡す。
渡された物は腕輪型の磁石であった。
ダイペンモン[この付近は磁石が使い物にならないから、もし道に迷ったらそれを使うんだってばよ]
賢「なる程、ありがとうダイペンモン。使わせてもらうよ」
ダイペンモン[おう、俺もアイドルになるための修行のやり直しだな……こんど火山地帯で修行を……]
全員【無理だよそれは!!】
無謀な挑戦をしようとするダイペンモンに全員がツッコんだ。
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