| 携帯サイト  | 感想  | レビュー  | 縦書きで読む [PDF/明朝]版 / [PDF/ゴシック]版 | 全話表示 | 挿絵表示しない | 誤字脱字報告する | 誤字脱字報告一覧 | 

歌集「春雪花」

しおりを利用するにはログインしてください。会員登録がまだの場合はこちらから。 ページ下へ移動
 

117




 長々し

  川の流れの

   絶え間無く

 冷々し夜を

    独りかもねむ



 どこまでも続く川の流れは絶え間無く…長い年月変わらずにあり、これから先もそうなのだろう…。

 そんな長い年月のように感じてしまう彼のいないこの寒く長い夜を、私はいつまでも一人で眠らねばならないのだろうか…。

 秋の夜長…彼を想い続ける…。



 木の葉月

  来たりて山波

    染めにしも

 来たらぬ侘しさ

   染め得ざるなり



 十月が訪れ、一段と山並みが紅葉で染め上げられてゆく…。

 それは美しく、見る者の心を豊かにしてはくれるが…彼に会うことも出来ず、彼が会いに来てくれよう筈もない私のこの侘しさまでは染めてはくれない…。

 秋が深まり山並みを染め上げてゆくほど…私の心は寂しさに覆われてゆくようだ…。



 
ページ上へ戻る
ツイートする
 

感想を書く

この話の感想を書きましょう!




 
 
全て感想を見る:感想一覧