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第五章

「それはどういった企業ですか?」
『おかしいな』
 ここでだ、視聴者もネットユーザー達もだ。
 教授の異変に気付いてだ、こう思い書き込んだりした。
『教授態度変わったな』
『ああ、急にな』
『狼狽してるよな』
『キムダイグループって名前出てな』
『何かあるのか?』
 皆首を傾げさせた、そしてだった。 
 議員はここであるものを出した、それは。
 数字があれこれと書かれていた書類だった、その書類を出してだ。
 教授にだ、さらに問うた。
「ここにあるものですが」
「そ、それは」
「キムダイグループからある方への送金です」
「そ、それを何処で」
「はい、キムダイグループの出資に不明金がありまして」
 その不明金がというと。
「出資先不明の、その額を調べますと」
「それがですか」
「はい、これだけになったのですが」
 議員はにこりともせずに教授に言っていった。
「そして全く同じ額が同じ時期にです」
「同じ時期に」
「貴方の口座に入っていると」
「そ、それは誰が」
「はい、貴方の大学の事務の方からお聞きしました」
「その事務員は誰ですか?」
「個人情報なので申し上げられません」
 議員は教授の必死の問いはあっさりとかわした。
「しかしです」
「その企業の不明金の振込先が」
 教授は蒼白になりだ、歯をガタガタと鳴らしてだった。
 顔から脂汗を滝の様に流していた。それを見てだ。
 誰もがだ、こう思った。
『こいつ貰ってたな』
『ああ、そのキムダイグループからな』
『金貰ってたな』
『間違いないな』
「教授、貴方はキムダイグループからお金を貰っていましたね」
 議員は教授にはっきりと問うた。
「何らかの理由で」
「し、知りません」
「大学に連絡もせずに」
 金銭を貰ったということをだ。
「こうした場合大学に連絡しないといけないのでは」
「連絡が遅れただけです」
 蒼白の顔でだ、教授はこう答えた。
「ただそれだけです」
「本当にそうですか?」
「は、はい」
 やはり狼狽しきった声だった。目も泳いでいる。
「そうです」
「しかし貴方は先程ご存知ないと仰言いましたが」
「言葉のあやです」
 やはり狼狽が言葉に出ていた。
「それだけです」
「本当にそうですか?」
「はい、そうです」
「ではこのキムダイグループがどういうグループかご存知ですか?」
 議員は金を貰っていることは認めた今日yずにさらに問うた。
「あの企業が」
「それは」
「他国の穀物メジャーで」
 そのキムダイグループはというのだ。
「特に麦を扱っていますね」
『麦!?』
『おい、ってことは』
『教授金を貰ってか』
『外国の企業に』
『それで言ってたのか』
 ここでだ、視聴者達もネットユーザー達も確信した。 
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