ドリトル先生の水族館
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第二幕その五
「寄って来るから」
「じゃあ水族館の中にいる分には」
「大人しいし安心していいのね」
「別に怖くない」
「そうなんだね」
「そうだよ」
まさにその通りだというのです。
「だから安心していいよ」
「そうなんだ」
「それじゃあね」
「こうして見ている分には」
「安心していいわね」
「そうなんだね」
「水槽から出て来ることはないから」
絶対にというのです、このことは。
「安心していいよ」
「確かにね」
「お魚は水槽から出ることはないから」
「別にね」
「怖くないね」
「考えてみれば」
「お魚は限られた種類以外はお水から出ないよ」
例えどれだけ怖いお魚でもです、ピラニアでも。
「だから余計に安心していいよ、じゃあね」
「アマゾンのお魚達も見ていって」
「それで他のお魚達もだね」
「見て回って」
「それでね」
「楽しもうね」
「他のコーナーにもね」
行こうとお話してです、そしてです。
皆で楽しく一緒に水族館の様々なコーナーを見て回りました。その中にです。
深海魚のコーナーもありますた、入口に細長い形のかなり大きな、頭から数本の奇麗なリボンが出ているお魚の剥製がありました。
その剥製を見てです、先生は皆にお話しました。
「このお魚がだよ」
「リュウグウノツカイだよね」
「先生が前に言ってた」
「そのお魚だよね」
「そうだよ」
その通りというのです。
「このお魚がね」
「ううん、何ていうか」
「凄い大きさだね」
「形もね」
「タチウオに似てるけれど」
それでもというのです。
「このお魚はね」
「また違うね」
「タチウオに似ていても」
「何かね」
「別のお魚だね」
「そう、タチウオとは違う種類なんだよ」
このリュウグウノツカイはというのです。
「泳ぎ方も違っていてね」
「あれっ、違うって」
「どうして泳ぐの、このお魚」
「リュウグウノツカイって」
「どんな泳ぎ方するの?」
「身体を縦にして斜めに傾けて泳ぐんだよ」
そうして泳ぐというのです。
「タツノオトシゴみたいにね」
「お顔を前にしてじゃなくて」
「身体を縦にしてなんだ」
「何かね」
「不思議な泳ぎ方だよね」
「こんなに大きいのに」
「そうだよね、僕もこの姿を見てね」
先生が皆にお話することはといいますと。
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