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オズのポリクローム

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第二幕その五

「行くのはね」
「はい、もう夕方ですから」
「夜に飛行船を出して作業をするのもですね」
「よくないですね」
「ですから明日ですね」
「明日の朝起きてですね」
「ええ、飛行船を出して出発しましょう」
 皆にです、オズマは言うのでした。
「そうしましょう、それとね」
「それと?」
「それとっていいますと」
「私は今忙しくて」
 それでとです、オズマはこのことは残念そうに言うのでした。
「お空には行けないの」
「そうですか、じゃあ」
「僕達だけで、ですね」
「お空まで行くんですね」
「楽しんできてね」
 男の子三人にもです、オズマは言いました。
「皆で」
「はい、じゃあ」
「そうしてきます」
「申し訳ないですが」
「申し訳なくはないわ」
 このことは違うとです、オズマは返しました。
「むしろ帰って来たらお話を聞かせて欲しいわ」
「お空の旅のことをですか」
「そちらのことを」
「ええ、確かに行けないことは残念だけれど」
 それでもというのです。
「後でお話を聞くのも楽しいから」
「だからですね」
「後で、ですね」
「僕たちからですか」
「お話を聞いて」
「そしてですね」
「そのことを楽しまれるんですね」
「そうしたいわ、だから楽しんできてね」
 五人ににこにことしてお話するのでした。
「私は後で楽しませてもらうから」
「では今は」
 ここでジュリア=ジャムが出て来て皆に言ってきました。
「王宮で楽しまれて下さい」
「お風呂に入らないかい?」
 魔法使いも言ってきました。
「身体を温めて奇麗にして」
「そしてご夕食も楽しまれて下さい」
 ジュリアはこちらもお話に出してきました。
「これから」
「そうね、飛行船は明日の楽しみに取っておいて」
 ドロシーもにこりと笑って応えます。
「今はね」
「お風呂とお食事にです」
「あと寝ることもね」
「楽しまれて下さい」
 王宮でのそうしたことをというのです。
「是非」
「わかったわ、皆今からね」
 ドロシーは五人にもお顔を向けてお話しました。
「お風呂に入りましょう、そしてね」
「晩御飯ですね」
「そちらですね」
「今日はステーキですよ」
 ジュリアは晩御飯のメインディッシュもお話に出しました。
「凄く美味しいですから」
「ステーキですか」
「王宮のステーキ美味しいんですよね」
「それじゃあですね」
「お風呂に入ってそして」
「ステーキですね」
「何枚でもありますから」
 量も多いというのです。
「お好きなだけ召し上がって下さい」
「わかりました、じゃあ」
「まずはお風呂に入って」
「それからそのステーキを楽しませてもらいます」
「是非」
「そうされて下さいね」
 ジュリアは五人にも明るく言いました、そしてでした。 
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