moon light fantasy
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Battle after
前書き
さてさて。短いな…。
「これからどうするんだ?」
ライトはそう言って俺を見てきた。俺は顎に手を当てて。
「とりあえず18番通りの教会に行く。」
「18番通り…?」
ライトが不思議そうに聞いてきたので俺はやれやれのポーズをしてふっと笑った。
「お前はおかしいと思わなかったのか?
俺はお前の魔弾を当たり前のように返していたんだぜ?
…俺は普通の人間じゃない。」
そう言って俺は少しだけヴァンパイアの力を解放して目を紅く染める。
〜真紅の瞳はヴァンパイアの証〜
まさに伝承通りだった。…片目だけだが。
「片目だけなんだな。」
「ああ、俺はヴァンパイアでも無ければ人でも無い。どっちつかずの半ヴァンパイア、半人間だ。」
「ま、俺はどうでもいいぜ。」
ライトはそう言ってニヤリとして俺に向けて手で銃のポーズを作ると俺に向ける。
「俺を襲ったとしても俺はもうお前を殺れる。
それに…。」
「…?」
するとライトはホルダーから『レーヴァテイン』と『フライクーゲル』を取り出し、クルクルと回す。そして再びホルダーに収めると屈託の無い笑顔で。
「『昨日の敵は今日の友』って言うだろう?」
「…。」
俺はそれを聞いてふっと笑って18番通りの方を見る。
「ああ…そうだな。」
「んでなんでヴァンパイアのお前がサナとお前の花嫁さん?の場所が分かるんだ?」
ライトが不思議そうに聞いてきたので俺は無表情で淡々と答える。
「あいつとは別に…。俺の半身も攫われてな。そいつの場所も分かるから結果的に分かるんだ。」
「へえ…。お前の半身か…。」
「ああ、今思えばわざと…アリスと一緒に捕まったのかもな。
…俺の気持ちを確かめる為に。」
「は?」
「…いや、なんでもない。」
ニナは俺の半身だが俺の思惑とは関係なく動き回る。むしろ俺をヴァンパイアに堕とそうとする節すらある。だから1番近い所にいるが1番信用出来ないと考えている。
だがそれ以上に俺の事を考えて動いている。だからこそあいつは信用出来る…とも考えている。
結局は俺のどっちつかずが働いている。ヴァンパイアになれず、人にもなれず。いいあんばいかも知れない。俺らしくて。
俺はライトに顔を見せない様にして。
「…行こう。お前の大切な人も早くすくいだそう。」
「なあ、一つ聞きたいんだけど。」
ライトはフォルツをジーと見つめると小さな、確信がない様に話した。
「お前…昔に会ったか…?」
「…。」
俺はそれを聞いて自重的な笑みが溢れる。それは真実にはまだまだ遠い哀しみの笑みだった。
「…さあ?俺は知らないぜ?」
「…。」
俺はそう言って半分嘘を吐いた。
半分は嘘。それはライトとは昔、会った事がある。むしろ戦友だ。
半分は本当。俺はライトと会った時の名前を棄てた。だから俺ではない。
「今度こそ。行くぞ。」
そう言って俺は前に進み始めた。それを見て訝しげにライトも付いて行った。
後書き
今回も短め。最近短いのしか書けないケンケンです…(´・_・`)
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