| 携帯サイト  | 感想  | レビュー  | 縦書きで読む [PDF/明朝]版 / [PDF/ゴシック]版 | 全話表示 | 挿絵表示しない | 誤字脱字報告する | 誤字脱字報告一覧 | 

混沌の魔術師と天空の巫女

作者:白鋼
しおりを利用するにはログインしてください。会員登録がまだの場合はこちらから。 ページ下へ移動
 

第7章 大魔闘演武編
  魔女の罪

ビーチの海の家にて・・・


「皆・・・大丈夫ですか・・・?」

「「「「「「「・・・・・・・・・。」」」」」」」

「・・・(汗)」

「・・・返事がない、ただの屍のようだ。」

「コラ!そう言う事を言うんじゃない!!!」

シャンディーは唖然となっているナツさん達に対する言葉に、俺は怒鳴って言う。

「なんということだ・・・」

「大事な修行期間が・・・」

「3ヶ月があっという間に過ぎた・・・」

「どうしよう・・・・・・」

エルザさん、ナツさん、グレイ、ルーシィさんはそう言う。

「姫、提案があります。」

そう言ったのはバルゴさんだった。

「私にもっとキツめのお仕置きを」

「帰れば?」

バルゴさんは1人で勝手に大昔の拷問を受けていた。
何をしてるんですか、あなたは!!!!

「大魔闘演舞まであと5日しかねぇのに!」

「全然魔力が上がってねーじゃねーか!!」

「そういうあなた達はどうなんですか?修業したのですか?」

「「・・・・・・・・・(汗)」」

「おい。」

これ絶対にやってないな!!!人の事言えないじゃん!!!!

「今回は他のみんなと2人に期待するしかなさそうだね。」

「はぁ・・・。」

落ち込みながら、レビィさんは俺とシャンディーを見てそう言い、
ジュビアさんはため息を漏らす。

「またリリーとの力の差が開いちゃうよ・・・」

「え!?」

「アンタ気にしてたの?」

「今更な気もするけど~・・・。」

ハッピーの言葉に、ウェンディは少し驚き、シャルルとミントがそう言う。

「むうう!!!今からでも遅くない!!!!5日間で地獄の特訓だ!!!!
 お前ら全員覚悟を決めろ!!!!寝る暇はないぞ!!!!」

「ひええ~!!」

エルザさんは自棄になってそう言い、ルーシィさんは怯えていた。

「クルッポ。」

「ん?」

「鳩?」

エルザさんの頭の上に鳩が止まった。

「足に何かついてるぞ?」

「メモだ。」

「手紙でしょうか?えっと・・・
 『妖精の尻尾(フェアリーテイル)
  西の丘にある壊れた吊り橋まで来い。』」



































「誰もいねーじゃねーか。」

「イタズラかよ・・・。」

俺達は全員でその場所に来た。

「やいや~い!出てこぉーい!相手になってやるぞーーーー!!」

「何で喧嘩腰なんですか・・・。」

シャンディーの言葉にウェンディがそう言う。

「だからやめとこって言ったじゃない。」

ルーシィさんがそう言う。


キィィィィィン!


「!」

「なんだ!?」

俺達目の前のある壊れた吊り橋が光出し、修復された。

「これは・・・!」

「橋が・・・!」

「直った!!!?」

「向こう岸に繋がったぞ!!!!」

俺達は驚くのだった。

「渡ってこいということか。」

エルザさんがそう言う。

「やっぱり罠かもしれないよ。」

「なんか怖いです。」

レビィさんとウェンディは不安に思い、そう言う。

「誰だか知らねーが行ってやろーじゃねえか!!」

ナツさんが橋を渡ろうとした。

「ちょっと待ってください。」

俺はそれを止めた。

「何だよ?」

「こういう時は、闇分身!」

俺は1体の闇分身を出した。

「成程。分身を使ってか。」

「はい。頼む。」

「任せろ!」

俺の返事に闇分身はそう言い、向こう側へ行った。

「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・!!」

「どうした?」

「・・・・・・・・・。」

「お兄ちゃん?」

「大丈夫そうです。人がいました3人。その中に知っている人がいます。」

「そうか。」

「そんじゃ、改めて行くか!!!」

ナツさんの言葉に、俺達は向こう側へ行くのだった。













少しして・・・


「いました!」

俺達の前に3人のフードを着た人がいた。
2人が女性で1人男性。深く被っていて、顔は見えないが、1人は・・・

「ご苦労さん。」

「ああ。」

俺は闇分身を消した。

「来てくれ・・・ありがとう、妖精の尻尾(フェアリーテイル)。」

そう言い、フードを外した。

「「「「「「「「!!?」」」」」」」」

「・・・・・・。」

そこにいたのは・・・・・・

































「ジェラール・・・。」

そう・・・7年前にニルヴァーナで、評議院に連れていかれた、
この世界のジェラールだった。

「変わってないな、エルザ。もう・・・俺が脱獄した話は聞いているか?」

「ああ・・・。」

どうやらエルザさんは知っていたようだった。

「そんなつもりはなかったんだけどな。」

「私とメルディで牢を破ったの。」

「私は何もしてない。ほとんどウルティア1人でやったんじゃない。」

この2人は、初めて見る人だ。1人は黒髪の長髪で大きな水晶玉を持っていて、
もう1人はピンク色の髪でひとつ結びしていた。

「メルディ・・・。」

「ジュビア、久しぶりね!」

ジュビアさんを見て、そのメルディさんは笑顔でそう言う。

「ジェラールが脱獄?」

「こいつら、グリモアの・・・」

「まぁ・・・待て、今は敵じゃねぇ。そうだろ、ウルティア?」

「ええ。」

黒髪の人がウルティアさんって言うのか・・・・・・
というか、今グリモアって・・・・・・

「私の人生で犯した罪の数はとてもじゃないけど“一生”では償いきれない。
 だから・・・せめて私が人生を狂わせてしまった人を救いたい・・・そう思ったの。」

それでグリモアから抜けたのですかな?

「例えばジェラール。」

「いいんだ。俺もお前も闇に取りつかれていた過去の話だ。」

「ジェラール・・・お前記憶が・・・」

「ハッキリしている。何もかもな。」

ジェラールの言葉に驚くエルザさん。

「6年前・・・まだ牢にいる時に記憶が戻った。
 エルザ・・・本当に・・・何と言えばいいのか・・・」

「楽園の塔でのことは私に責任がある。ジェラールは私が操っていたの。
 だから、あまり責めないであげて。」

「・・・・・・。」

ここのジェラールは、操られたとはいえ・・・何かヤバい事をやってしまったのか?
でも言わないことにしておく。気にはなるが・・・

「俺は牢で一生を終えるか・・・死刑。それを受け入れていたんだ。
 ウルティア達が俺を脱獄させるまではな。」

「それって、何か生きる目的ができたってことですか?」

ウェンディがジェラールに質問をする。

「ウェンディ、それにコージ。そういえば君達の知っているジェラールと俺は別人のようだ。」

「あ、はい!!」

「もう・・・大丈夫です。会えたから・・・。」

ジェラールの言葉にウェンディと俺はそう言う。

「(そういえば・・・元気かな・・・ジェラール・・・。)」

俺は・・・エドラス(あの世界)で・・・俺の友達であるジェラールの事を
思い出すのだった・・・あそこでやった事が、昔のように思い出す・・・。

「生きる目的・・・そんな高尚なものでもないけどな。」

「私達はギルドを作ったの。正規ギルドでもない、闇ギルドでもない、独立ギルド。
 魔女の罪(クリムソルシエール)。」

「独立ギルド?」

「どういうこと?」

「連盟に加入してない?」

「そういう事?」

ウルティアさんの言葉に、レビィさん、ハッピー、シャルル、ミントがそう言う。

魔女の罪(クリムソルシエール)?聞いたことあるぞ!」

「ここ数年で数々の闇ギルドを壊滅させているギルドがあるとか。」

ドロイさんとジェットさんは知っているようだった。

「私達の目的はただ1つ。」

「ゼレフ・・・闇ギルド、この世の全ての暗黒を払う為に結成したギルドだ。
 二度と俺達のように闇に取り付かれた魔導士を生まないように。」

ウルティアさんとジェラールはそう言う。

「おおッ!!」

「それってすごいことよね。」

ナツさんとルーシィさんはそう言う。

「評議会で正規ギルドに認めてもらえばいいのに・・・。」

「いやグレイさん・・・それは・・・」

「脱獄犯だぞ。」

「私達、 元・悪魔の心臓(グリモアハート)だし。」

グレイさんの言葉に俺が言いたいことを、ジェラール達が言う。

「それに正規ギルドでは表向きには闇ギルドとはいえ、ギルド間抗争禁止条約がある。
 俺達のギルドの形はこれでいいんだ。」

「・・・・・・。」

ジェラールの言葉に、エルザさんは黙って聞いている。

「・・・で、あなた達を呼んだのは別に自己紹介のためじゃないのよ。
 大魔闘演舞に参加するんだってね?」

「お・・・おう・・・。」

「(今大変なことになってるけどね・・・。)」

大魔闘演舞までもう5日しかない・・・。

「会場に私達は近づけない。だからあなた達に1つ頼みたい事があるの。」

「誰かのサインが欲しいのか?」

「それは遠慮しておくわ。」

ナツさんの言葉にウルティアさんがそう言う。

「で、一体何を?」

俺はその頼みについて尋ねる。

「毎年開催中に妙な魔力を感じるんだ。その正体をつきとめてほしい。」

「妙な魔力?」

「なんじゃそりゃ?」

ジェラールの言葉に俺とナツさんはそう言う。

「大魔闘演舞にはフィオーレ中のギルドが集まるんでしょ?
 怪しい魔力の1つや2つ・・・」

「俺達も初めはそう思っていた。しかし、その魔力は邪悪でゼレフに似た何かだった。
 それはゼレフに近づきすぎた俺達だからこそ、感知できたのかもしれない。」

ルーシィさんの言葉にジェラールがそう言う。

「ゼレフ・・・!」

ナツさんが驚いた表情をする。

「私達はその魔力の正体を知りたいの。」

「ゼレフの居場所を突き止める手掛かりになるかもしれないしな。」

「もちろん勝敗とは別の話よ。私達も陰ながら妖精の尻尾(フェアリーテイル)を応援しているから。
 それとなく謎の魔力を探ってほしいの。」

3人はそう言うのだった。

「雲を掴むような話だが、請け合おう。」

「助かるわ。」

エルザさんの言葉にウルティアさんがそう言う。。

「いいのか、エルザ?」

「妙な魔力の元にフィオーレ中のギルドが集結してるとあっては私たちも不安だしな。」

エルザさんの言う通りですね。

「報酬は前払いよ。」

「「食費!!」」

「家賃!!」

ウルティアさんの言葉にナツさん、ハッピー、ルーシィさんがそう言う。
お金に困ってるようである。

「いいえ、お金じゃないの。」

「?では何ですか?」

俺はウルティアさんに尋ねた。

「私の進化した時のアークがあなた達の能力を底上げするわ。」

「「「「・・・え?」」」」

「パワーアップって事ですか?」

「そう言えば、聞こえはいいけど、実際はそうじゃない。
 魔導士の場合、その人の魔力の限界値を決める器のようなものがあるの。
 例えその器が空っぽになってしまっても大気中のエーテルナノを
 体が自動的に摂取してしばらくすればまた器の中は元通りになる。
 ただ・・・最近の研究で魔導士の持つその器には普段使われていない部分がある事が判明した。
 誰にでもある潜在能力、 第二魔法源(セカンドオリジン)。」

「セカンドオリジン?」

聞いた事もない言葉だ・・・・・・
それとも俺達が7年も閉じ込められたから知らないだけかもしれない。

「時のアークがその器を成長させ、 第二魔法源(セカンドオリジン)を使える状態にする。
 つまり、今まで以上に活動時間を増やし、強大な魔法が使えるようになる。」

「「「「「「「おおーーーーっ!!」」」」」」」

「全然意味わかんねーけど!!」

ナツさん・・・(汗)

「ただし・・・想像を絶する激痛と戦う事になるわよ。」

「あああ・・・」

「ひぇ~!!」

「目が怖い・・・」

ウルティアさんの目が怖い目をしていて、
怯えるウェンディとミントとレビィさん。

「全然構わねえ!!ありがとう!!!ありがとう!!!!
 どうしよう!?だんだん本物の()に見えてきたぁ!!」

「だから女だって・・・。」

「まだ引きずってやがったか(汗)」

「・・・一体それって・・・」

「こっちの事だから気にするな。」

「はぁ・・・。」

一体ナツさんとウルティアさんに何があったのか・・・。

「・・・・・・。」

「・・・エルザさん。」

周りのみんなが喜んでいたりする中、
エルザさんだけはジェラールを見ていた・・・・・・険しい表情をして・・・・・・ 
 

 
後書き
どうも、白鋼です。
大分進んできました大魔闘演武編、次回はジェラエルがメインに。
お楽しみに!! 
ページ上へ戻る
ツイートする
 

全て感想を見る:感想一覧