ゼロの使い魔~ルイズが呼び寄せたのは~
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第1話:サモン・サーヴァント
前書き
このサイトでははじめましてですね。普段はハーメルンに出没している佐武です。帰宅中にふとこの小説が思い付いたんですが初めて手を出す原作なんでどうせなら別のサイトでやろうと思いここに投稿した次第です。
不定期更新ですが応援してくださると嬉しいです。
科学技術が発達した現代と違い魔法が発達した異世界ハルケギニア。
そこに存在するメイジを育成するための学校。その王立トリスティン魔法学院でゼロのルイズことルイズ・フランソワーズ・ル・ブラン・ド・ラ・ヴァリエールは使い魔を召喚するための儀式に参加していた。その名も[サモン・サーヴァント]これはこのトリスティンで二年生に進級した生徒が必ず経験し、己の一生の相棒となる使い魔を召喚する大切な伝統の儀式である。さらにこの儀式はテストも兼ねており、使い魔を召喚できなければ二年生の授業を受けられないということになる。
周りにはすでに召喚を終えた生徒達が自分の使い魔とふれあっていた。使い魔は召喚した人物のランクや属性が強く現れるという。
よって使い魔には猫や犬等の身近な生き物もいれば、ドラゴン等の幻獣もいる。
だからそこの黒い台所にいる虫を召喚した君は諦めなさい。
そしてついに順番が回ってきたルイズは使い魔を召喚するための呪文[サモン・サーヴァント]を唱えるところなのだが、彼女は尋常じゃないほど緊張していた。それは彼女がゼロのルイズと呼ばれる所以だ。
魔法の成功率ゼロのルイズ――その名の通り、この少女は生まれてこの方一度も魔法を成功させたことがないのだ。いや、ただ不発ならまだいい。彼女の場合、その魔法のほとんどが“爆発”するのだ。
そのため同級生にゼロのルイズと呼ばれ今も「やめとけよー。お前には魔法の才能なんてないんだぞー」「たのむからこれ以上学院を破壊しないでくれー」などと罵られながら使い魔召喚の準備をしていた。
一方、これまた別の人類の敵として深海棲艦が出現した世界のとある鎮守府にてある提督が建造の準備をしていた。
彼が建造しようとしているのは伊勢型だ。彼の鎮守府には未だ戦艦が着任していないなぜなら彼はつい昨日まで中佐だったからだ。そして今日付けでこれまでの功績が認められ大佐に昇任し、支給される資材の量が増えたため最近火力不足に悩まされていた彼は念願の戦艦を建造しようとしていたのである。
工厰で建造ドックに資材を投入し、建造ボタンを押し、さらに待ちきれなかった彼は高速建造剤も使い建造が完了した瞬間、嬉々として建造ドックを開けたのだが、その扉の向こうにはむなしく消えかかる銀色の鏡のようなものが残るだけだった。
その後提督は工厰で散々暴れまくった後、龍田に腹パンされ鎮圧されたが三日ほど寝込んだという。
さて、この時ドック内部ではこんなことがあった。
『うぉぉぉ!!! ふぁいやー!!』
『けんぞうしゅーりょー!』
『おわった?』
『てっしゅう! てっしゅう!』
そして妖精達が撤収すると銀色の鏡のようなものが出現し、まだ意識が覚醒していなかった彼女をハルケギニアへ連れ去ってしまった。
そこ数瞬の後、提督が意気揚々と建造ドックの扉を開けたのである。
そして舞台は再びハルケギニアへ戻る。
「(大丈夫…できる…大丈夫…絶対できる……)宇宙の果てのどこかにいる、私の僕よ! 神聖で! 美しく! そして強力な使い魔よ! 私の心より求め! 訴えるわ! 我が呼びかけに答えなさい!」
最後の一句を言い終わると同時に頭上に掲げた杖を降り下ろしたルイズ。その結果は……大爆発。この結果に周囲の生徒は「ぎゃははは!! また失敗しやがったなゼロのルイズ!!」「痛たたたた……」「大丈夫かい? 僕のモンモランシー」「やっぱりゼロのルイズはゼロのルイズだよ!」と囃したてる。
そしてサモンサーヴァントの付き添い教師である禿頭のコルベールは落ち込んでいるであろうルイズの元へ歩き出した。
彼は日頃のルイズの頑張りを知っている。事実、ルイズは魔法の実技以外はほぼ完璧と言っていいのだ。
彼としても彼女を試験に合格させてやりたかったが、規則には逆らえない。
「ミスヴァリエール残念ですが……」
だが、爆風で倒れたモンモランシーが何かを見つけたようで爆煙の一点を指しているのを見て他の生徒も注目し始める。
煙が晴れたところには黒いインナーを着た上に古風な上着を羽織り下はスカートのショートカットの少女がいた。
「人間……?」
「見ろ! あの格好平民じゃないか!?」
「さすがゼロのルイズ。期待を裏切らないぜ!」
そんな声も魂が抜けたように呆然としているルイズには聞こえていなかった。
「み、ミスヴァリエール儀式の続きを……」
「あ…あはは…あは……」
目の前の少女は未だ意識を覚醒させていないが今のルイズには関係無い。
もはや自分が何をしているのか理解できていないだろう。そのままふらふらと少女に近づくと契約の証となる口づけをした。
すると少女の腕にルーン文字が光りながら現れた。そして腕にルーンが刻まれる痛みで意識が覚醒したのか瞼がピクピクと動き、少女は目覚めた。
「……君が提督か。まぁ、期待は…して、いる………?」
しかし目覚めた彼女のいたところは彼女が創造していた建物の中ではなく、どこまでも青い空が続くトリィスティンの校庭だった。
「む、どこだここは」
「あの、よろしいですかな?」
「君は?」
「申し遅れました。私、この王立トリィスティン魔法学院にて教鞭をとらせていただいてます、コルベールと申します」
「そうか」
「今回、あなたは彼女……ルイズの使い魔として召喚されたのですが……何分、少々パニックになっていたようで…あなたの意思の確認のないまま使い魔との契約の儀式を終わらせてしまったのです。事後承諾で申し訳ないのですが…彼女の使い魔になっていただけるでしょうか……?」
恐る恐るといった体で頼んだコルベールに少女は一瞬思案したがすぐに結論を出した。
「・・・・・衣食住を保証してくれるのなら承諾しよう。どうせ私に知り合いも肉親もないのだから」
「ほ、本当!?」
この答えに反応したのか先程まで意識を召されかけていたルイズは現実に戻り、彼女に詰め寄った。
「何度も言わせるな。私は艦娘だ建造されたての私は身寄りもない。主もいない。なら君が主になってくれると言うならそれは我々二人にとって利益になると思うが?」
「そうね。ありがとう。そう言えば名前を聞いていなかったわね。あなたの名前は?」
「伊勢型戦艦二番艦日向。推参!」
「へぇ。変な名前ね。とそれより戦艦? 艦娘って何?」
「艦娘を知らない? 艦娘と言うのは私のように艦艇の魂が肉体を得た……所謂九十九神といったところか。そして私はその中の大日本帝国海軍伊勢型戦艦二番艦の日向という名の艦の艦娘だ」
「だいにっぽん帝国? 戦艦日向? 聞いたことないわ」
艦娘について答える日向だったが、その答えが余計ルイズの疑問を深めたようだ。
そして最初は平民と馬鹿にしていた野次馬と化した生徒達も艦娘や九十九神、大日本帝国といった単語は聞いたことがなくいつの間にか野次は止んでいた。
そこへいい加減しびれを切らしたのかコルベールがやって来た。
「まあまあミスヴァリエール。そろそろ授業を終了したいので続きは私の部屋でどうですか?」
「そうね。そうしますわ」
「フム、私も聞きたいことがあるそれでいい」
「では皆さん、今回の授業はここまで。このあとの授業には遅れないように。ミスヴァリエールとミスヒュウガは私と一緒に来てください。ああ誰か、次の授業の先生にミスヴァリエールのことを伝えておいてくれますか? では行きましょうか」
そしてルイズとコルベールそしてこの世界に召喚された日向はルイズが飛べないため (日向は飛ぼうと思えば今は展開していない艤装の主砲の反動で飛べると彼女は思っている)コルベールの先導でコルベール部屋へと向かった。
後書き
というわけで第1話でした。
日向さんは私の好きなキャラクターの一人です。ゼロではタバサですかね。
ご指摘ご批評、感想お待ちしてます。
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