| 携帯サイト  | 感想  | レビュー  | 縦書きで読む [PDF/明朝]版 / [PDF/ゴシック]版 | 全話表示 | 挿絵表示しない | 誤字脱字報告する | 誤字脱字報告一覧 | 

『ある転生者の奮闘記』

作者:零戦
しおりを利用するにはログインしてください。会員登録がまだの場合はこちらから。 ページ下へ移動
 

TURN28






「モントゴメリー艦隊の状況はどうなっているッ!!」

「は、伊勢志摩星域にいたモントゴメリー艦隊及びイスパニア王国艦隊は敵CORE艦隊の攻撃によって壊滅。イスパニア王国の王族は無事に伊勢志摩星域を脱出しましたが伊勢志摩星域はCOREに占領されました」

「モントゴメリー騎士提督の安否は?」

「……報告によれば側面の奇襲攻撃で旗艦である騎士艦オークが大破漂流し、エイリス艦隊が壊滅するとさらにもう一撃を加えて漂流していたオークを撃沈させたようです。この間、オークから脱出した小型艇はありません」

「……戦死されたか……」

 俺は無言で帽子をとってモントゴメリー騎士提督に黙祷を捧げる。

「それでCORE艦隊の状況は?」

「伊勢志摩星域を廃墟にさせるとアンドロメダ星域に侵攻してアンドロメダ星域も占領しています。もうすぐ北アフリカ星域に侵攻するかもしれません」

「……南遣方面艦隊の艦艇の改装状況はどうか?」

「既に九八%が完了しています」

「ロンメル元帥に打電や。ローマ星域にてイタリン軍と共同して当たれ。我々も改装を終わらせると直ぐに北アフリカ星域に向かうと伝えろ」

「分かりました」

 副官は敬礼をして部屋を退出する。

「……遂に来たな。そしてこれもか」

 俺は違う電文を読む。先程副官から届けられた電文や。

 中身は勿論、ベルリン星域へ向かうファルケナーゼが北アフリカ星域に偵察に来ていたCORE艦隊と遭遇して行方不明になった事や。

「まぁ大丈夫やろ。無理やったら無理なんやしな」

 俺はそう言ってさっきシャルロット(そう言っていいとさ)が淹れてくれたコーヒーを飲む。

「……そろそろバージニアも動き出しそうやな」

 俺はそう呟いた。

 そして翌日、改装を終わらせた南遣方面艦隊はインドカレー星域を出撃してアラビア星域を抜けてスエズ星域に到達した。

「北アフリカ星域の戦況は?」

「詳しい事は分かりませんが、ドクツ本国から応援が来たロンメル元帥の艦隊と戦力を回復させたイタリン艦隊が北アフリカ星域にてCORE艦隊と攻防を繰り広げているとの事です」

 副官の言葉に俺は頷いてマリーに通信を繋げた。

「マリー、北アフリカ星域に到着したら直ぐに攻撃隊を発艦させるんや。今のうち編成準備しておけ」

『OK、任しといて』

 マリーはそう言って部下に指示を出していく。

「全艦、戦闘準備に移行や。ワープゲート進入に入れ」

「了解、ワープゲート入力します」

 そして山下長官の陸軍艦隊を含めた南遣方面艦隊はワープゲートに進入した。




――北アフリカ星域――

「四時の方向からCORE艦艇五隻接近ッ!!」

「第八駆逐隊で対処せよ」

「ヤーッ!!」

「イタリン艦隊の損耗率が四十%になりましたッ!!」

「第五戦隊を向かわせるんだ」

 ロンメル艦隊旗艦ティルピッツでロンメルは適切に対処していた。

「ロンメル元帥、CORE艦隊はイタリン艦隊を集中的に攻撃しています」

「……やはり新編成艦隊では些か無理があったか」

 イタリン艦隊は新型艦艇を投入していたが、それを操る乗組員の練度が低かった。

「ッ!? 後方から多数の反応ありッ!! 航宙機ですッ!!」

「しまった……なら艦隊は陽動かッ!?」

 しかし、対艦ミサイルを搭載した航宙機はロンメル艦隊、イタリン艦隊を追い抜いてCORE艦隊を攻撃し始めた。

「これは……航宙機の識別を確認するんだ」

「ヤ、ヤー」

 オペレーターが慌てて識別確認をする。

「……これは赤い丸印の国際標識……日本機ですッ!!」

 オペレーターが嬉しそうに叫ぶ。

「日本……狹霧長官か」

「後方から艦隊接近ッ!! 日本艦隊ですッ!!」

 ドクツ、イタリン艦隊の後方から南遣方面艦隊が接近してきた。




――CORE艦隊旗艦ゴルゴディオン――

「教祖ッ!! ドクツ、イタリン艦隊の後方からジャップの艦隊が接近しますッ!!」

 巡洋戦艦ゴルゴディオンの艦橋に兵士のCOREが叫ぶ。

「……浄化せよ。ただそれのみだ」

 ゴルゴディオンの艦長席に座る大西洋方面艦隊を率いるトルーマンはそう静かに宣言した。

 しかし、それは直ぐに驚愕するとなる。

「ジャップが発砲ッ!!」

 南遣方面艦隊は空母艦隊を後方に退避させると最大速度でCORE艦隊に向かい、主砲を撃ちまくる。

「愚かな……我々はCOREだ。人間の貴様らに勝てるなんぞ……」

 その時、ゴルゴディオンの左舷を航行していた護衛の駆逐艦がビーム弾の直撃を浴びて爆発四散した。

 更にビーム弾の猛攻が続き、CORE対応の駆逐艦から殲滅させられていく。

「何ッ!?」

 トルーマンは日本の攻撃に驚いた。

「タイムロスが五秒余りだと……」

 各国のエネルギーの粒子を扱う主砲は一度発射すると、再度発射するまで約二十から三十秒程エネルギーの装填に掛かる。

 しかし、短砲身型主砲を採用した南遣方面艦隊の艦艇は機関も改装してエネルギー増幅装置を設置して速射の限界を求めたのだ。

 その結果がこのような弾幕のような射撃である。




――南遣方面艦隊旗艦摩耶――

「撃ちまくれェッ!! 弾幕はパワーだぜッ!!」

 つい某普通の魔法使いの言葉を言ったが気にしない気にしない。あれも似たようなもんや。

「人間の意識を取り戻したCOREはCOREやない。人間や」

 俺はそう呟いた。







 
 

 
後書き
御意見や御感想等お待ちしていますm(__)m 
ページ上へ戻る
ツイートする
 

全て感想を見る:感想一覧