バカとテストと白銀(ぎん)の姫君
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前書き
書きだめていた分を公開します
尚、再編集の為に今までの投稿作品を消去し、連載しなおすかもしれません
気ままな投稿主で申し訳ありません
元Eクラスの教室で、僕たちは少しだけきれいになった教室でやはり特に各自の座る席を指定してる訳でもないから僕らは思い思いの場所に座っていた。
試召戦争に負けたお陰でFクラスはGクラス相当という下の下な設備を見てきた僕たちにとっては、Eクラス待遇でも格段によくなった方だ。
「学園祭の実行委員を二人選ぶことにしたいんだが……」
今、僕らは鉄人に追い立てられ、二週間後ぐらいに迫っている学園祭についての話し合いをしているところ。
けれども雄二はどうもあまりやる気がないようだ、それに参謀銀姫こと妃宮さんも居ない…どうしたんだろう。
「立候補する奴はいないか?俺は面倒だし、興味がないから実行委員はほかの奴に全て委任してしまいたいんだが」
うまく理由を付けてめんどくさいことから逃れようとしているのは明白だけれども、まぁ本人がいやがっているのだから仕方がない。
「誰でもいいんじゃね?」
「そうだよな…このクラスって坂本が動かしていたからな……坂本が動かないっていうんだったら動きにくいだろうよ…」
「もう、他薦自薦でいいんじゃないか、坂本」
「そうだよな…って銀姫がいるじゃん!あいつがやるなら俺がやってもいいぞ!」
「「そうか!妃宮と二人っきりになれたら……」」
_____IN 男子諸君の妄想______
放課後、クラスの奴らが帰ってしまった教室は橙色に染まっていく。
オレンジ色の空間の中、俺たちは学祭に向けての委員会に提出するための報告書をまとめていた。
「**君、そちらの作業は終わりましたか?」
優雅な所作で書類を書き進めていた彼女が顔を机から上げ俺の方に向けて尋ねてくる。
顔を上げると、顔にほんの少しだけ疲れの色を見せている妃宮が軽くストレッチをしていた。
「俺の所はこんな感じで行けばいいと思うんだけど…妃宮さんは大丈夫なのか?」
本当は三枚目の書き出しの一、二行で止まっていたのだけれども妃宮の柔らかな微笑みを前にすると、思わず強がってしまう。
まだまだ半分にも到達していないにも関わらずだ。
「あら、私のことを気遣ってくれるのですか?」
「そりゃ妃宮の方が仕事もできているのは分かっているけどさ…」
そんな俺の心のうちもお見通しといったようにさらに笑いを深めていく彼女に、俺は恥ずかしさの余りに顔を背けてしまう。
「では私の書類を見ていただいている間、私は**君の方を見せていただきますね。」
「あ、ちょっと!」
その白い指が俺の書いている途中のプリントをするりと引き寄せ、代わりに彼女が仕上げたのであろう用紙の束を渡される。
「あら、こちらの箇所がまだ書けていませんね」
「いや、だから返してくれって!」
取り返そうと躍起になる俺から、目を落として絶賛チェックの真っ最中だった書類を守ろうとする妃宮
普段は見られない無邪気な微笑みを浮かべた妃宮が可愛らしく、俺はいつの間にかプリントじゃなくて彼女の顔ばかりを見ていた
俺は他の奴には滅多に、いや絶対見せないような表情が拝めて少し得意げにもなっていた。
そんな俺をお構いなしに、どんどんとプリントをめくっている妃宮の姿に、身勝手にも俺は少しばかり腹が立ってもいた。俺の存在はただのお邪魔虫かって。
「きゃっ!」
つい力加減をする事も忘れて俺は妃宮を突き飛ばしてしまう、自分がやってしまったことに気がつき、少し唖然とする。
ただ網膜(?)に床に尻餅を付く彼女の白銀の髪が傾ききった陽に灼けて煌めくように輝いているのだけが、ただ投射される。
罪悪感、ってこういう事をいうのだろうか。
こんな事をやってしまって、ただじゃ済むわけがない。
絶対にアウトだ、間違いない。
女性との交流がほとんどなかった俺でもそれぐらいのことは分かる、野球だったら一発でチェンジだろう。
「顔を上げてください、**君」
そんな優しい声が俺に投げかけられる。
「…**君、もう少しは加減を考えてくださいね」
「ごめん、やりすぎた。」
場を悪くしないように、わざと拗ねたような表情をして見せる妃宮に救われたような心地になる、だから率直に俺も謝れた。
「全くです。さぁお座りください、私も一緒に考えて差し上げますから」
さあ、と言わんばかりに俺が今まで座っていた席をずらして、座るように促してくる。
俺が座りなおすと妃宮が俺の肩越しにプリントをのぞき込む。
シャンプーの香りが鼻を擽る。
そのことに教室には俺と妃宮で二人っきりだということを強く意識させられる。
「…**君、集中できていないみたいですね?」
「いや……済みません…」
「全く……分かりました。それではこちらの書類が出来上がりましたら…」
「出来上がったら?」
そこで一旦区切りいたずらっ子な表情で俺を見つめる妃宮さんに、俺は胸が高鳴るのを押さえられずにいる。
そんな表情をされるだけでも何でも言うことを聞いて差し上げようと言う気になるのに
「…ふふふ、{お好きなこと}をして差し上げますから、ね?」
「お好きなこと……って…ぇえ!?」
その上に何をしてくれるというのだ!!
お好きなこと…ってもしかして…
「学校の中ですから、その…恥ずかし過ぎることは出来ませんけれど、ね?」
少し頬を朱色に染めながら、恥ずかしげに小さな声で俺に囁きかけてくる妃宮を前に俺は愕然とする。
妃宮ってこんなに萌えの要素があったのかと。
普段はFクラスの代表の片腕としてその天才的な頭脳をフルに使い、参謀としての職務を果たし、その一挙一動の一つ一つが優雅な妃宮
そんな彼女が俺にだけ見せてくれる表情
「それでは、こちらの書類を進めますよ。」
さっきまでの表情はまるでなかったかのように髪を少しかき分けて、そう宣言する彼女を前に、俺は今までとは格段にやる気が出ていた。
今すぐにでも終わらせて、俺の大好きな事とやらをやってもらおうじゃないか!
+++++++++++++
「……妃宮」
「**君、妃宮だなんて他人行儀なことはやめてください、助け合ってきた仲なのですから…」
「えっ?…じゃあ…千早さん…」
「……えぇ…」
(尚、**には妄想主の名前が入る)
_______________
「「「しかたねぇな!そういうことなら俺/僕がやってやろう!!!」」」
「……お前らに残念なお知らせだ。参謀ならさっきCクラスに拉致られていったからな。恐らくだが、向こうの手伝いにかかりっきりになるだろうよ」
「「「どうぞどうぞ!」」」
一斉に他人を指さすゲス諸兄
ってなんでみんな僕を指さすかな!?
ちなみに僕は美少女、いや違う違う美少年の秀吉を指さしたのだけれど、その秀吉は知らぬ振りをしている。
「じゃあ、明久は決定な。もう一人、誰か居ないか?」
「ウソ、本人の意思は無視なの!!」
「それじゃあウチが行くわ」
「そうか、じゃあ明久と島田でこっからは進めてくれ、以上だ。」
そのまま綺麗に纏められてしまう、本当に僕の扱いって酷くないかな?
「み、美波ちゃん!?それはずるくないですか?いつもいつも美波ちゃんはどうして…(モゴモゴ)」
僕が不思議そうに姫路さんを見ると顔を真っ赤にして口ごもられてしまった。何か僕がしただろうか。
「すまない姫路、明久はこういう顔なんだ。だからそう不細工すぎて死にそうになるのはやめてやれ…」
「雄二!!勝手なことを言いやがくぺっ」
誰だ、僕は何としてもこのバカを殺らなきゃいけないのに!
それを邪魔するなんて無粋なことをするのは誰だ!絶対許さ…
「アキ、バカやってないでさっさと進めるわよ!」
許そう、主に僕の命のために
首をボッキリやられた状態のまま、僕は教壇の上に上げられたのだった。
「それじゃあ、何かやりたいことあったら上げて!」
美波がそう呼びかけるけれどもみんな隣としゃべっていたりして、全くと言っていいほど声が挙がってこない。
「みんな、何か無い?」
僕がもう一回呼びかけると、ようやくポツポツと意見らしい意見が出てくる。
「やりたい事って言われてもなあ…」
「そうだよな、妃宮さんがCクラスに付きっきりになるってことは姫路さんと木下をメインに立てていくしかないだろうけどな…」
「え?わ、私ですか?」
「瑞希は何かしたいことはないの?」
「そうですね…ごめんなさい。まだ整理がつきません……」
「そっか…」
そしてまたガヤガヤと騒がしくなる。
「あぁ…もぉ…」
げっそりと言った感じの美波に何か声を掛けた方がいいだろうか。
そのとき一人がすっと手を挙げた。
「ん?ムッツリーニ、何か提案があるの?」
「……写真館」
すごく低コストで、僕たちにとっては幻想郷になりうるかもしれない模擬店だな…
「いやいや、土屋の写真館なんて……ちょっと運営にしかられるんじゃない?」
「いやいや、男子からの確実な収益があがるだろうって。それ以前に土屋の写真は魅力あふれる覗き穴みたいなもんだって」
「でも運営に止められるのは一理あるだろうな…」
美波の突っ込みが入る、一応意見は意見だから黒板に書いておこう。
えぇっと…
<写真館/覗き穴>
「ここは実入りが確実な喫茶店関係にしないか?」
そういったのは須川君だった。
「須川君には何かアイデアがあるの?」
「中華喫茶なんてどうだ、超本格的な昼飯が食えるってのを売りにしてボリュームも付ける感じでどうだ?」
「会長、それはチャイナが好きだという告白ととらえても宜しいのでしょうか?」
「馬鹿者、俺はチャイナだけでなくナースも和服も好きだ!……ってすまない、そういう色物無しの店を俺は一回やってみたかったんだよ。」
「でも何だって中華なんだよ?」
「そりゃ中華ほど奥が深いものはないからな、低コストでも旨くする方法はいくらでもある上に、そもそもヨーロピアンなものよりも俺たちには受け入れやすいと思うぜ」
「……中華には同意する」
「ムッツリーニも料理できるの?」
「……紳士の嗜み」
そんな嗜み聞いたことないよ
それこそチャイナ見たさに通い積めでもしたのだろうな
「アキ、一応板書して」
「ハイよぉ~」
<中華喫茶/
そこまで書いてふと考える、須川君はなにを言いたかったのだろう。
確かヨーロピアンとか言っていたような……
<中華喫茶/ヨーロピアン>
「済みません、只今戻りました…」
「お帰り、妃宮さん……なんだかすっごく疲れてるみたいだけど大丈夫なの?」
「えぇ大丈夫ですよ…ってこのクラスの出し物は一体何になるというのですか」
妃宮さんが驚きあきれたような声が教室に響く。
「何って写真館と中華喫茶が出ただけじゃ……」
続いて美波が声を失う、何があったというのだろうか?
「お前たち、何を出店することになったんだ」
そう言って鉄人が更に入ってくる、鉄人がFクラスの正式な担任に成った後にGクラス、もといEクラスが攻めてきたから鉄人が見張りに入っているのは相変わらずだ。
どうせなら担任も教室設備と一緒に変えてくれればいいのに…
その鉄人は黒板にかかれている二つの候補を見ると、手を顔に当てて唸る。
「やっぱりこのクラスはバカばっかりか…これはやはり補習の時間を倍にすべきだろうか。」
「「バカなのは吉井だけで、俺たちは関係ありません!!」」
酷いよみんな、勝手に僕を持ち出したくせにそこで切り捨てるのは。
「見苦しいぞ、お前等!」
西村先生が一喝する。
「先生はバカな吉井を選んだことをバカだと言っているんだ」
何だろう、やっぱり僕が一番貶されてるんだよね?
「妃宮、お前が居たのならバカな吉井を実行委員に据えようとするバカな連中を押さえ込めたんじゃないのか?」
「申し訳…在りません、少々Cクラスに呼ばれておりまして…丁度今戻ってきたところなので正直何が何なのか全く分からないのです……」
「Cクラス、か……お前も大変だな、妃宮」
「……ご迷惑をお掛けします」
何なのだろう、二人揃ってすごくブルーな雰囲気が漂っているのだけれど。
鉄人はどうでもいいとして、妃宮さんの目が少し虚ろに成っているのが怖かった。
あの妃宮さんをここまでするなんて一体何があったんだろう
恐るべしCクラス
「参謀…おまえ本当に大丈夫なのか?」
「えぇ…大丈夫です。ただ……」
「ただ、なんだ?」
「アイデンティティーの崩壊を少々感じただけですから…」
そういって雄二がだれている横の空いている席に腰を下ろす妃宮さん、こんな時まで優雅に座るなんて神業か何かだろうか。
「妃宮さん、ごめんなんだけどCクラスは何をすることになったのか教えてくれない?」
一応声を掛けてみると虚ろにさまよっていた目線が、僕のところに向けられる。
「カフェ、ラ・ロワイヤルだそうです…」
「国王の為のカフェってか…災難だったな」
公式見解
Q:男子生徒が「大好きなこと」
A:耳掃除&膝枕
後書き
問題
日本史
平安時代前期より、太宰府では公営田が営まれるようになりました。律令体制において調や庸といった税があったにも関わらず何故公営田が作られるようになったのでしょうか
妃宮千早の答え・中央である朝廷が財政難であったために、太宰府にまで予算が回ってこなくなったために、独自に財源を確保する必要に迫られたため。
教師のコメント
正解です、妃宮さんは日本史にも詳しいのでしょうか?
吉井明久の答え・大人の事情
教師のコメント
大人な事情の内容を教えてください。
土屋康太の答え・あんなことやこんなこと
教師のコメント
解答欄の隅に血が着いていましたが… 後ほど補強教材をお渡しします。
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