歌集「春雪花」
しおりを利用するにはログインしてください。会員登録がまだの場合はこちらから。
ページ下へ移動
109
空に舞う
夏の名残の
蝉の声
想いぞ響く
秋の日溜まり
久しぶりの晴れた空に、夏を思い出させる蝉の鳴き声が聞こえていた。
もう稲刈りさえ本番だという秋の日和…蝉はその想いを響かせている…。
まるで…諦めきれない私のようだと思い、穏やかな日溜まりの中で…そっと笑った…。
焦がれゆく
秋の夕暮れ
物悲し
つのるは沈まぬ
君への想い
焼ける様に真っ赤な秋の夕暮れは、どこか懐かしいような物悲しさに満ちている…。
そんな夕焼けを眺めていると、沈みゆく太陽とは対照的に…彼への想いが強くなってゆき、もっと…悲しくなってしまうのだ…。
彼の元へ…行きたい…。
ページ上へ戻る