カルタゴ人と海の妖精
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4部分:第四章
第四章
「ガラスなんてね」
「ガラスがない」
商人はこのことを頭の中に入れました。
「そうだよなあ。スパルタにはガラスがない」
「だから価値があるんだよ」
「そして」
話を聞いてです。頭の中で自然と考えていきました。
あの財宝のこともです。財宝にしてもです。
「金も銀も宝石もこの地上には滅多にないから価値がある」
このことを考えるのでした。
「けれどあそこにはある。あそこにないものは」
こう考えていってです。そうして。
商人はすぐに市場で色々と買いはじめました。そうしてそのうえであの財宝を守っている海の妖精のところに戻ったのでした。
そこに戻るとです。やっぱり妖精がいました。妖精はとても厳しい顔をして容認を出迎えました。
「また来たんだな」
「ああ、そうだよ」
商人は明るく笑って妖精に答えました。
「こうしてね」
「財宝はそうおいそれと渡すわけにはいかん」
「わかってるさ。だからこっちも」
「こっちも?」
「財宝を持って来たよ」
こう彼に言うのでした。
「それをね」
「財宝をか」
「その財宝と交換しないかい?」
商人はこう提案しました。
「あんたが守っているその財宝とね」
「そうだな」
妖精は商人のその言葉を聞いてまずは考える顔になりました。
「その財宝に価値があればな」
「交換してくれるね」
「妖精に二言はない」
妖精は強い言葉でこう言ってきました。
「絶対にだ」
「言ったね。それじゃあその財宝はね」
「うむ」
「船の上にあるんだ」
そこにだというのです。
「その財宝を積んだ船を持って来たんだ」
「その財宝をだな」
「そうだよ。まずは海の上にあがってくれ」
また妖精に対して話します。
「これからな」
「わかった」
妖精は彼のその言葉に頷きました。
「それならだ」
「よし、じゃあ見てくれ」
こうして商人と妖精は一旦海の上にあがりました。そのうえでその船を見ます。見ればその船の上には。
「むっ、これは」
「どうかな、これは」
「こんなものを持って来てくれたのか」
妖精はその財宝を見てその魚に似た目をしばたかせました。
「これは凄い」
「そうだろ、凄いだろ」
「羊の毛にそれにだ」
まずは堆く積まれた羊の毛が目に入ったのです。
「孔雀の羽根、それにガラスまでか」
「ガラスは高くついたよ」
そのガラスのないスパルタで買ったからです。
「それでもね。どうかな」
「他のものも素晴しい」
見ればその他の財宝もです。妖精によっては非常に価値のあるものでした。それがどうしてかというと。それは商人から言ったのでした。
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