伝説のデュエリストの孫
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第1話
前書き
ハーメルンにも掲載している作品です。
掲載場所が違えば貰える指摘も違うかと思って投稿してみました。
読んでやるか!なかたはありがとうございます。
ルビのつけ方がちょっとわからないので、慣れるまでは漢字とカタカナが混じったりします。読みにくいでしょうが、すいません。
それではどうぞ。
「エクシーズ召喚!同じレベルのモンスターが2体以上フィールドに揃ったとき、そのモンスターを素材としてモンスターエクシーズを特殊召喚する!俺はレベル3の【スカル・クラーケン】と【ビッグ・ジョーズ】をオーバーレイ!」
「ん?」
放課後の屋上。フェンスに寄りかかりながらデッキを組んでいた私たちの耳に、聞き覚えのある声が届いた。普通この距離で、しかも沢山の生徒がいるというのに個人の特定ができる程度に聞こえたのは、その声の主が色々な意味で印象深い人物―――クラスメイト、神代凌牙だからだろう。
『あの人は前に、アンティルールを仕掛けてきた……』
マナがポツリとつぶやく。そう、2ヶ月くらい前にさっさと家に帰ろうとしていた私は、唐突に意味の分からない因縁(お前みたいなやつはデュエリストとして以下略、みたいな)をつけられた挙句、強制的にデュエルするハメになった。しかも、デッキをかけての。
いくら本気デッキじゃないとはいえ大事なデッキだし、別に臆病者だのと言われたところで痛くも痒くもないので無視して帰ろうとしたのだが、
『挑まれた以上、それに応えるのがデュエリストだよ!』
とかゴリ押しされたのである。おのれ、実際に戦うのは誰だと思ってんだ。あざといんだよ。
まあ、デッキを取られるわけにはいかないので勝ったわけだが。
校庭に目を戻せば神代が対戦相手の子からデッキを取り上げたところだった。やっぱりアンティか。
はあ、と一つ溜息をこぼす。あれは止めるべきだろうか。
『もったいない』
「どうしたの?」
隣を見ると、少し残念そうな顔をしているマハードが。
『彼のデュエルは痛々しい。まるで、最初の頃の……』
「……言いたいことは分かるかな。神代のモンスターたち、なんか悲しそうだし」
再び校庭に視線を戻す。前髪に赤のメッシュが入った不思議な髪形をした男の子が神代に突っかかってる。薄ら聞こえてくる声に耳を澄ますと、どうやら九十九遊馬君というらしい。
恐らく、デッキを返せてきなことを言っているんだろうなーとか思いながらぼんやり眺めていたのだが、九十九君が自分の夢がデュエルチャンピオンだといった瞬間に、神代の顔が険しくなった。
『?何故あの方は、あんなに怒っているのでしょう?』
「……あー、神代は去年、大会で相手のデッキを見たとかで1年間、表舞台から追放されたんだよ」
キサラさんの疑問に答える。
私からしたら、何故運営側は選手と選手の間を壁ではなく植木で仕切ったのか。そしてなぜ相手はあんなにもわざとらしく、さも「覗いてください」と言わんばかりにデッキを放っておいたのか小1時間ほど問い詰めたい。
それをニュースで見た祖父は
「くだらん。あのような場所で不正を行った奴も愚かだが、なによりデッキを置いて控室を出た相手の方が愚かだ。自分のロードは自分で切り開くもの!!フハーッハッハッハッハッハ!!!」
なんて高笑いをしていた。最後意味わかんないし。どうみても20代後半にしか見えない60代の祖父2人は年齢詐欺で捕まってもおかしくない。
「・・・お前はデュエルチャンピオンがどれほどのものか、知ってるのか?」
「それは・・・知らないけど、」
「ならそんなこと、軽々しく口にするんじゃねぇ!」
「ゆ、夢を見るのは俺の自由だろ!」
「夢ねぇ・・・このデッキを返して欲しかったら、お前の一番大事なものを差し出しな!」
対価が重すぎるだろそれ。友だちとはいえ他人のデッキと、自分の一番大切なもの。私ならそんなことを言い出した時点でぶん殴ってる。
首元に視線を落とした九十九君の首にかかってるのは……ペンダント? それを神代は引きちぎる。
そしてそれを地面に落とし、踏み壊した。
『「なっ!!」』
オイオイオイ!!やりすぎだろ!アホか!!
余りのことに唖然としてそれを見る。おま、家族がくれた大事なものだったらどうするんだよ……。
「残念だが、このデッキを返すわけにはいかねえ」
しかも言ってること滅茶苦茶だ。
「だがチャンスはやろう。お前が未来のデュエルチャンピオンだとほざくなら、デュエルで勝負だ。俺に勝てばこのデッキは返してやる・・・しかし、俺が勝ったら、お前のデッキを貰う!」
「!」
「・・・今度の日曜、場所は駅前広場。デッキを取り返したかったらそこに来な!」
滅茶苦茶何てレベルじゃねえ。理不尽が天元突破してるぞ。ていうか、何で今、この場で、しかも大声で、場所と日時を指定した?
『今度の日曜、あの2人のデュエルを観に行こう!!遊人!!』
「ですよねー……はぁ」
カードをホルダーに仕舞い、私、武藤遊人と【ブラック・マジシャン】、【ブラック・マジシャン・ガール】、【青眼の白龍】の精霊、マハードとマナ、キサラさんは家に帰ることにした。
後書き
誤字脱字、指摘、アドバイスあったらドンドンお願いします。
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