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オズのカエルマン

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第十一幕その六

「僕の宝物にしたいんだ」
「だからなんだ」
「僕は今その真珠を探しているんだ」
「君が川にいる理由はわかったよ」
 ここまで聞いてです、青龍は頷きました。
 そしてその後で、です。モビーディッグに言うのでした。
「けれどだよ」
「けれど?」
「君は鯨、海にいる鯨だからね」
「川にいたらいけないんっていうんだね」
「そうだよ」
 モビーディッグにこのことも言いました。
「それはよくないよ」
「海の生きものは海にいるものだね」
「そう、だからね」
「君はどれだけ川にいるのかな」
 カエルマンはモビーディッグに尋ねました。
「一体」
「一ヶ月位かな」
「それだけいるんだ」
「ずっとこの川の中で探してるよ」
 その七色の真珠をというのです。
「この中でね」
「その一月君がこの川にいてね」
「何かあったのかな」
「オズの国の川や湖のお水を司っている玄武さんのうちの蛇さんが体調を崩してるんだ」
「僕のせいで?」
「そう、君のせいでね」
 カエルマンはモビーディッグに少し厳しい口調でお話しました。
「蛇さんが困っているんだ」
「僕一匹のことで」
「海の生きものは川や湖にいたらいけないんだ」
 どうしてもというのです。
「だからなんだ」
「その蛇さんの体調が悪いんだね」
「そうだよ」
 その通りだというのです。
「だから気をつけてね」
「けれどね」
「その七色の真珠をだね」
「見付けたいんだ」
 そして自分の宝物としたいというのですy。
「何があっても」
「その頑張りは認めるよ」
「この一月の間のことだね」
「うん、そして君は七色の真珠を見付ければ」
「もうね」
 モビーディッグは泳ぎつつカエルマンに答えます。
「この川から出て海に戻るよ」
「そうするんだね」
「うん、そもそもね」
「そもそも?」
「何か一月の間に」
 ここでこうも言ったモビーディッグでした。
「僕も少し体調が悪くなってきたかな」
「それは当然だよ」
「僕は海の生きものだからだね」
「そう、海の生きものは海にいないとね」
 ここでまたこのことを言ったカエルマンでした。
「よくないからね」
「僕自身にもよくないことなんだね」
「だからね」
「早く海に戻らないと」
「誰にとってもよくないんだよ」
「それじゃあ早くですね」
 神宝が言いました、ここで。
「その七色の真珠を見付けましょう」
「それがいいね」
 ジョージは神宝のその言葉に賛成して頷きました。 
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