DQ3 そして現実へ…~もう一人の転生者(別視点)
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魅惑の夜は終わらない?
船を使うよりは遥に早いが、ルーラなのに4時間も時を費やした私達…
“さぁネクロゴンドへ出発だー!”って気分にはとてもなれません。
今夜はこの町で英気を養いましょう。さっき無駄に疲れたから…
とっとと宿を取り、荷物を置いて食事に向かおうとロビーでみんなを待っている…が、お父さんを始めお兄ちゃんもウルフもカンダタさえも現れない。
何故か集まっているのは女性陣だけ…
不思議に思っていると、フードを目深に被ったミニモンが現れ、私達女性陣にお父さん達の行動を報告してきた。
「おい、野郎共は揃ってパフパフ屋へ向かったぞ!この町の歓楽街にあるイヤラシイ店に出陣したぜ!いいのかよ?」
良いわけねーだろ!
私達はミニモンをひっ掴むと凄い勢いで歓楽街を探索する。
そして程なく、一件のいかがわしい店に入ろうとしている知人男性等の姿を発見した!
「ちょっとリュカ、何やってんのよ!」
「あれ!?どうしたのビアンカ…何でここに?」
ウルフとカンダタは、私達に見つかった事で驚き脅えているのだが、リーダー格のお父さんと何故だかお兄ちゃんが驚くことなくキョトンとしている。
「何でじゃないわよお父さん!ウルフには私が居るのだから、変な所に連れて行かないでよ!」
「え…変な所?……父さん…この店は食事をする所ではないのですか?」
「ん?…うん。喰べる所だよ!」
どうやらお兄ちゃんは何も知らされず連れてこられた様だ。…まぁそうだろうなぁ。
「ウ、ウルフ!そりゃ私のオッパイじゃ不満だろうけど、絶対に大きく成長するから…もう少し待っててよ!!」
私は繁華街のど真ん中で、涙ながらに訴える。
「え、オッパイ!?と、父さ「違うんだマリー!」
何も知らないお兄ちゃんが疑問を投げ付けようとするが、慌てたウルフに遮られる。
「俺はマリーが居るから問題ないけど、リュカさんがティミーさんの為にって言うから、みんなでここに来たんだよ!」
「ちょっとリュカさん!私の彼氏を変な所に連れてこないでよ!」
ウルフの言い訳を聞いたアルルさんが、首謀者に向かって怒りをぶつける。
「ねぇ父さん…この店って一体何ですか?」
不穏な空気を流石に感じたお兄ちゃんは、キツめの口調でお父さんに問いただす。
「ティミー…このお店はね…」
するとお母さんがお父さんの側まで近付き、服の上からだが夫の頭を自分の胸の谷間に埋め、激しく包容してみせる。
「こう言う事を行うお店よ!」
両親の行動を見て、目をまん丸にして驚くお兄ちゃん。
なお、2人の行動を見て小声で『良いなぁ~…』と言った彼氏に苛つく私。
「な…ちょ、父さん!そんなヤラシイ所に僕を連れて来たんですか!?何考えてるんだアンタは!?」
やっと状況が理解出来、怒り出すお兄ちゃん。
でも果たして、私達が現れなかったら気付いた時点で中止したのだろうか?
「んぷはっ…だ、だってさぁ……アルルじゃ出来ないから、ティミーに経験させたかったんだ!父親として男の楽しみを体験させたかったんだ!」
お母さんの胸から顔を解放させ、悪びれることなく本音を語るお父さんは凄い…どっかおかしいけど凄い!
「わ、私じゃ出来ないって…よ、余計なお世話よ!胸の事は言わないでよ!!」
(バリバリバリ…ドーン!!)
貧乳を指摘されたアルルさんが、大激怒の末放った魔法は『ギガデイン』だった…
「うわぁ、危ね!!………当たったらどうすんだよ!?」
でも驚異的な素早さで避けるお父さん…貴方は人間ですか?
「当たりなさいよ!当たるのが礼儀でしょ!!」
どうやら新しい礼儀作法が出来たらしい。
「ヤダよ…女の子が怒って放つ電撃に当たるのは『諸星あ○る』くらいなもんだ!」
お、上手い事言う……いや違う!
それで笑うのは私ぐらいなもんだから!
みんなには解らないから!
「何を意味の分からない事を…」
ほら…他には誰も笑ってない。
まぁこの状況が笑えないのかもしれないけど…
お父さんと女性陣の口論は止まらない。
周囲のお店の店員さん達も、甚だ迷惑そうに私達を見続ける…
そんなタイミングでヤツは行動に出た!
悟られない様にお父さんの側へ近付いたミニモン…
一瞬の隙を付いてお父さんの腰に差してあった『変化の杖』を盗み逃げ出したのだ!
突然の出来事に一瞬誰も動けなかった程…
我に返り慌ててミニモンを追いかける私達。
先頭を走るお父さんが一件の民家を指差し、
「アイツあの家に入ってった!」
と言って無断進入する。
幸か不幸か住人が不在だった民家は薄暗く、慎重に室内を捜索する事に…
幾つかの部屋をチェックした後、とある部屋の隅で蹲るミニモンを発見する。
近付き捕まえようとすると…
「ニャー」
と猫真似するミニモン…
「お前…何やってんの?」
誰もが不思議に思うヤツの行動。
そしてミニモンが言った台詞は、
「?………げ!化け損ねた!!」
うん。馬鹿だとは思っていたけど、これ程までとは驚きだ。
お父さんの拳骨が後頭部に落ち、今回の一件の落ちもついた。
なお、その日の夜…
頑張ってウルフにパフパフしてあげました。
全然足りなかったけど…
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