戦え!!正義の兄弟戦士ジャスティスカイザー
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第二十九話 黒井大尉!ジェネラルシャドウ格好いい!!その十
「ないだろ」
「鬼みたいに強いな」
「俺達でも互角か」
「イカサマ使わない俺達と」
「互角かよ」
「当然だ、私は日帝衆一のポーカーの達人だ」
それこそというのだ。
「強さには自信がある」
「だからか」
「俺達が相手でもか」
「互角っていうのか」
「そうなんだな」
「そうだ、私は勝つ」
強い声でだ、黒井は二人に言う。
「必ずな、君達にだ」
「へっ、主役を倒そうていうのか」
「いい度胸だな」
「それでもな」
「俺達に勝てる筈がないだろ」
完全にだ、悪役の台詞だった。
しかしだ、二人は悪びれない態度のままポーカーをしてまだ言うのだった。
「俺達に勝つには一億年早いぜ」
「俺達はギャンブルで負けたことがないんだよ」
「常に勝ってるんだよ」
「引き分けすらないぜ」
負けないどころではないのだ、それはまさに。
「常勝兄弟とは俺達のことだ!」
「ここで常勝の天才とは言えないがな!」
言ったがそれでもだ。
「それでいつも金稼いでるんだよ」
「嘆きの何とかみたいにな」
「高校生でか?」
「よく考えたらこいつ等高校生だったな」
「ああ、何処の誰か知らないけれどな」
「高校生でギャンブルか」
「それで金稼いでるのか」
ここでこのことがだ、世界中に気付かれた。
「とんでもない奴等だな」
「高校生でギャンブルで金稼ぐとかな」
「どれだけ悪い奴等なんだ」
「親御さん達が泣くぞ」
「お父さんお母さんを悲しませるな」
ここからお説教になった。
「全くとんでもない奴等だ」
「また天罰が下るぞ」
「というか下れ」
「雷に打たれて死ね」
「そのまま地獄に落ちろ」
「餓鬼になれ、餓鬼に」
「そして一生餓えるか汚物食って生きろ」
相変わらずの評判の二人だった、しかし。
二人は悪評なぞ気にしない、それでだった。
全く気にしないまま勝負を続けていく、だが。
勝負は互角のままだ、それでだった。
二人で苦い顔になってだ、こう言うのだった。
「いつもの展開だな」
「ああ、そうだな」
「これで最後まで互角で引っ張って」
「それで最後の最後で決める」
「スポーツ漫画みたいな展開がまた、か」
「またやるんだな」
その通りである。
「芸のない作者だな、おい」
「ワンパターンもいいところだろ」
「ちょっとないだろ」
「最初の一勝負で決めろよ」
「さもないと読者が飽きるぞ」
「それでアクセス数も減るだろうが」
「すっごく俗物的なことしか考えられないの?」
瞬は二人の不平を聞いて呆れた目で問い返した。
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