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転生とらぶる

作者:青竹
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マブラヴ
  1072話

 エザリアのアメリカとの交渉は、若干難航はしたが最終的には上手く纏まった。
 向こうにしても、シャドウミラーとの関係を悪くしたくないという思いはあったのだろう。同時に、自分達の縄張りの中で活動させるのだからと貸しにさえしてきたのは、アメリカ人らしい強かさと言えるのかもしれない。
 ただし余程俺に来て欲しくはないのか、念を入れてシャドウミラーの代表である俺は今回の作戦に参加しないようにと通告してきた。
 もっとも、実際にはそこまで強い口調ではなかったらしい。正確には参加を遠慮して欲しいというのを遠回しに言われたとか何とか。
 アメリカ人と言えば、直接ズバリと自分の意見を言うんだと思ってたが……どうやらエザリアと交渉した相手は違ったらしい。
 にしても、何でそこまで俺を外そうとする? 正直なところ、確かに俺自身の能力は非常に高いと思う。だがそれは、あくまでも戦闘能力に関してだ。
 一応士官学校を首席で卒業した以上、交渉やら何やらもある程度は出来るが……そもそも、士官学校を卒業してからもう随分と経つしな。
 しかも士官学校を卒業してから俺はシャドウミラーの実働班の隊長を任されていたおかげで、交渉やら調査やらの面倒な出来事はヴィンデルに任せきりだった。幾ら昔はある程度の能力があったとしても、今の俺はそっち方面には疎い。
 ただ、アメリカが俺をどうにか誤魔化せば恭順派の本拠地にあると思われる、何か不都合なものを見つけられないと判断しているのなら……それはシャドウミラーを甘く見ているという事であり、正直面白くはない。
 まぁ、10歳バージョンで行くんだけどな。
 ともあれ、恭順派の本拠地襲撃は今日から2日後。
 恭順派自体の戦力は少ない。BETAと戦う時のように戦術機を含めた兵器を集めるにしても、そこまで多く集めなくてもいいので即断即決に近い作戦なんだろう。
 シャドウミラーから出るのは、俺、コーネリア、オウカ、レイ。それ以外に量産型Wのシャドウとメギロートが数機ずつといったところか。
 ちなみにこのメンバーになったのは、コーネリアはシャドウミラーの実働班の隊長として、オウカは何事もそつなくこなせる万能型のパイロットとして、レイはシャドウミラーの中で一番経験が少ない故に、少しでも経験を積ませる為といった理由からだ。
 正直、オウカと一緒の作戦行動となると色々と思うところはあるんだが。
 向こうにしても、自分を振った男と行動を共にしたいとは思えないだろうし。
 まぁ、それでもオウカもプロだ。作戦行動では私情に流される事はないと思う。
 そんな訳で、こっちの準備も万端整えた俺が何をしているのかといえば……

「アクセル君、そろそろ時間じゃないかしら?」
「ああ、そうだな。ならこれを食い終わったら転移区画の方へ向かうか」

 ホワイトスターの交流区画にある屋台で食べていたたこ焼きを食いながら、向かいに座っている千鶴の言葉に頷く。
 以前はクレープの屋台とかがあったが、今ではたこ焼きの屋台までも存在していたりする。
 どこの世界の出身の人がやっているのかは分からないが、実際こうして食べてみると外はカリッと、中はふんわり、それでいてタコの触感が美味く、ソースと青のりも非常に良く合っていた。
 端的に言えば、非常に美味く当たりの屋台だった訳だ。
 値段的にもそれ程高くなく、どちらかと言えば学生向けといった方がいいような値段だ。
 日本の円で考えると、レートにもよるが大体250円から300円くらいと言えば分かりやすいだろう。
 那波重工という大会社の社長令嬢であるにも関わらず、千鶴は経済観念がかなり発達しており買い物をする時にもその辺を注意している。
 そういう意味ではマリューと並んでうちの生命線と言えるよな。
 いや、生命線というのはちょっと言い過ぎか。そもそも第三者的な立場から見ても、俺の家はある程度以上の金持ちだと言ってもいいのだから。
 本来ならそこまで頑張る必要がないのだが、主婦気質とでも言うべきか……

「ほら、アクセル君行きましょ。夏美ちゃんと小太郎君、長瀬さんを待たせる訳にはいかないでしょ」

 ふいに腕に感じる柔らかい双丘。その豊かな双丘が俺の腕で押し潰されるのを感じながら、いつの間に買ったのかたこ焼きを俺の腕に抱きついているのとは反対の方の手に持っていた。





「おう! アクセル、この前の海以来やな! そういう訳で勝負せえへんか?」

 転移区画で、俺の姿を見るなり叫ぶ小太郎。
 相変わらずだが、この場所で俺の名前を叫ぶのは止めて欲しい。
 当然転移区画には俺達以外にも多くの人物がいる。
 当然だろう。ここはホワイトスターの転移区画で、いわゆる玄関と言ってもいい場所なのだから。
 ……まぁ、勿論他にも外と繋がっている玄関とでも言うべき部分はあるが、そこは基本的にホワイトスターの外……世界の狭間へと繋がっている場所だし。
 今現在そういう意味で外に出ているのは、メギロートが一応念の為という偵察や、どこからともなく現れた岩塊をキブツに放り込む為に集める程度だ。
 その岩塊にしても、今はBETAの死骸や他世界から得られる産業廃棄物とかがあるので、そこまで必要という訳ではないし。
 とにかく、この転移区画はホワイトスターの玄関とでも呼ぶべき立場にある場所である以上、俺達以外にもそれなりに大勢の人がいる。
 そして、ホワイトスターに来る以上は当然その代表である俺の顔を知っている者が多い訳で……

「あらら。相変わらず有名人だね、アクセル君。ほら、小太郎君も。ここでのアクセル君は有名人なんだから」

 夏美が小太郎の腕を軽く引っ張って注意する。
 何だか、随分と慣れている仕草だな。
 そんな風に思ったのは俺だけではなかったのだろう。千鶴もどこか嬉しそうな笑みを浮かべつつ口を開く。

「あらあら、夏美ちゃんも随分とお姉さんっぽく……いえ、姐さん女房っぽくなったわね」
「ちょっ、ちづ姉!?」
「うん? 何の事や?」
「な、何でもないの。ほら、小太郎君は他の事に……」
「そうね、はいこれ。小太郎君達にお土産よ。ホワイトスターの交流区画で売られているたこ焼きだけど、美味しいわよ? 夏美ちゃんと2人で仲良くあーんをしながら食べてね?」
「ちづ姉ーっ!?」

 ウフフフ、とした笑みを浮かべて全力で夏美をからかっている千鶴。

「な、何というか……色々と突っ走っているでござるな」

 額に微かに汗を浮かべた長瀬がそう告げてきた。

「久しぶりに夏美と会って、色々と振り切れてるんだろ」
「いや、この前海で会ったばかりでござるよ?」

 たこ焼きうめーっ! と叫んでいる小太郎を眺めつつ、長瀬と会話を交わす。

「今回はこっちの揉め事に付き合わせて悪かったな」
「いやいや、上の方からもきちんと話が通っているでござるし、シャドウミラーと行動を共にするのは拙者も色々と勉強になるでござるからな。寧ろ、こっちからお礼を言わせて欲しいでござる」

 ニンニン、といつものように笑みを浮かべて告げる長瀬。その顔には、数秒前に浮かんでいた汗は既になく、どこか父親のような表情で夏美と小太郎を見守っている。
 ……母親ではなく父親と表現しても違和感ないのが、長瀬の凄いところだよな。

「アクセル君、じゃあそろそろ行きましょうか?」
「……もういいのか?」
「ええ。出来ればもっと夏美ちゃんと遊びたかったんだけど、時間もないでしょう?」

 夏美と遊ぶじゃなくて、夏美で遊ぶというのが正しいような気がするんだが……その辺は言わぬが花って奴か。

「ちづ姉……」
「あらあら、夏美ちゃんも大学生になったんだからもう少ししっかりしなきゃね」
「何言ってるのよ。ちづ姉の落ち着きっぷりが年齢に……」
「夏美姉ちゃんっ!」
「オホホホホホ。何か言ったかしら?」
「う、うわっ、ごめん。何でもない、何でもないってば。ちょっ、小太郎君私を盾にしないでよ!」
「せやかて、千鶴姉ちゃんを怒らせるのだけは勘弁や」

 相変わらずなやり取りに、思わず苦笑を浮かべる。
 千鶴、夏美、小太郎。……そしてここにはいないけど、あやか。この5人で暮らしたのは本当に短い間だったが、それでも俺の中では楽しかった思い出として深く残っている。

「アクセル殿、そろそろ移動した方がよいのではござらんか? 色々と注目されてるでござるが……」
「っと、そうだった。思い出に浸っている場合じゃないか。千鶴、その辺にしておけ」
「アクセル君、助けるのが遅いよ」

 救いの目でこっちを見てくる夏美に視線を向け……

「夏美で遊ぶのは、向こうで合流してからでも構わないだろ」
「アクセル君っ!? っていうか、私で遊ぶって何よ! そこはせめて私と遊ぶでしょ!?」

 裏切られた、という視線をこっちに向けてくる夏美だったが、やっぱり夏美は弄られてこそのキャラだよな。
 そんな俺の思いを理解したのだろう。千鶴もまた満面の笑みを浮かべつつ口を開く。

「そうね。今日はゆっくり夏美ちゃんとお話出来るんだから、楽しみは後に取っておいた方がいいわね。ああ、それとも夏美ちゃん。私の家に泊まっていく?」
「え……いや、その、ちょっと……だって、ねぇ」

 チラリと俺の方へと視線を向けてくる夏美に、問題はないと首を横に振る。

「俺は別に構わないぞ。幸い部屋は幾つも空いてるから、部屋が足りなくて困るって事はないし」
「だって……その、酒池肉林のドロドロなんでしょ?」
「夏美姉ちゃん、酒池肉林って何や? 美味いんか?」
「あー……ちょっと小太郎君にはまだ早いかな。もう少し大きくなってからなら」
「むっ、こう見えて俺かて成長してるんやで!」

 そんなやり取りをしつつ、結局移動出来たのはそれから10分程経ってからだった。
 ……しかも俺の影のゲートで無理矢理。





「ふむ、つまり拙者達の仕事はその恭順派とやらが隠している何かを見つける。そういう認識で構わないでござるか?」
「そうだ。ただしアメリカ軍よりも早く、尚且つ見つからないようにしてという注意書きが付くがな」

 長瀬の言葉にコーネリアが注文を付ける。

「ふむ、なるほど。それで夏美殿の出番という訳か」
「……テロリストのアジトに潜入するなんて……」

 ブルブルと震えながら告げてくる夏美だが、依頼する内容を聞いてなかったのか?
 エザリア辺りなら、当然その辺の事情を話してもおかしくないかと思ったんだが……いや、違うな。寧ろこの手法は近右衛門か。
 正直に話せば恐らく夏美が引き受けるかどうか微妙だという事で、千鶴の前に強制的に引っ張っていく事にしたんだろう。……まぁ、完全に俺の予想だが、決して間違っているという訳ではない筈だ。
 近右衛門は何だかんだでその辺り非常に強かだしな。
 そして事実……

「あら、夏美ちゃん。私のお願い聞いてくれないの?」
「いや、だってちづ姉、テロリストよ!? 私はただの大学生なのに!」
「……あの修羅場を生き抜いてきたんだから、決してただの大学生って訳じゃないと思うんだけど。それに、夏美ちゃんのアーティファクトを考えれば、向こうに見つかる危険はないでしょ? そして小太郎君が護衛に付くんだし」
「それは……そうだけど……」

 チラリ、と小太郎の方へと視線を向ける夏美だが、その視線を受けられた小太郎は寧ろ楽しみだとばかりにニヤリとした笑みを浮かべる。

「夏美姉ちゃんの護衛は任せとけ。俺がどんな相手からでも守ったるわ!」
「あ、その……うん、ありがと」

 薄らと頬を赤くしている夏美。これはやっぱりそういう事……なんだろうな。
 いやまぁ、俺がそれにどうこう言える筈もないし、千鶴にしたって実は10歳状態の俺に惹かれたんだと思えば、実は夏美の方が恋愛に関しては正常なのか?
 いやいや、取りあえず嫌な事は考えないようにしておいた方がいい。

「話を戻すぞ。こちらの戦力はアクセルと私、それと量産型Wやメギロート。それにここには来ていないがオウカとレイという人物だ。この2人だな」

 コーネリアが機械を操作すると、映像モニタにオウカとレイの顔写真が映し出される。
 その2人の姿の見覚えがあったのだろう。小太郎が口を開く。

「そう言えばこの前海に行った時にいたなぁ、こいつら。殆ど話さんかったけど」
「人数が多かったからね。……あ、でも私オウカさんとならバーベキューをやってた時にちょっと話したわよ。それに、前に何度か麻帆良に来てた事もあったし」

 そう言えば、オウカが何度か麻帆良に足を運んでいる光景を目にした事があるような……
 ただ、それは俺がマクロス世界に行く前だったから、夏美達にしてみれば3年近く前の話になるだろうし。

「ともあれ、作戦決行日まではもう時間がない。ここから分かるのは、衛星から撮影出来る地図だけだが、何か質問があるのなら言ってくれ。出来るだけ答えさせて貰う」

 そう告げるコーネリアに、早速長瀬が手を上げる。

「その恭順派とやらが隠しているものが持ち運び出来る物なら問題ないでござるが、例えばコンピュータの中のデータのように、持ち運び出来ない物の場合はどうするでござるか?」
「その場合は、出来ればコンピュータを丸ごと持ってきて欲しい。確かお前のアーティファクトはそのような物も持ち運び出来ると聞いているが?」
「それは構わないでござるが……そこまでするとアメリカの者達にも拙者達の存在が知られる可能性が高いでござるよ?」
「証拠さえ見つからなければいい」

 そんな風にミーティングを進め……いよいよ恭順派に対する襲撃の日を迎える。 
 

 
後書き
アクセル・アルマー
LV:42
PP:355
格闘:301
射撃:321
技量:311
防御:311
回避:341
命中:361
SP:1402
エースボーナス:SPブースト(SPを消費してスライムの性能をアップする)
成長タイプ:万能・特殊
空:S
陸:S
海:S
宇:S
精神:加速 消費SP4
   努力 消費SP8
   集中 消費SP16
   直撃 消費SP30
   覚醒 消費SP32
   愛  消費SP48

スキル:EXPアップ
    SPブースト(SPアップLv.9&SP回復&集中力)
    念動力 LV.10
    アタッカー
    ガンファイト LV.9
    インファイト LV.9
    気力限界突破
    魔法(炎)
    魔法(影)
    魔法(召喚)
    闇の魔法
    混沌精霊
    鬼眼
    ???

撃墜数:1180 
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