転生とらぶる
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マブラヴ
1066話
天ヶ崎との話も終わり、それ以上鬼眼の訓練をする気分じゃなくなった事もあって、関西呪術協会から与えられている部屋へと戻ってきたのだが……
「何でここにいるんだ?」
思わずそう呟く。
そう、何故か俺の部屋には神楽坂、近衛、桜咲の3人が揃っていた。
しかもお茶を飲みながら和菓子を食べているという風に、完全にお茶会の様相を呈してだ。……まぁ、お茶会といって連想されるのとは随分違って和風だが。
確かに神楽坂がいる部屋は俺の隣の部屋なんだし、その2つの部屋は襖で区切られているだけだ。
鍵が掛けられている訳でもないからこっちに来るのは全く問題がないし、近衛にいたってはここが実家だ。桜咲も近衛の護衛としてそっちに泊まっている筈だが……
「うん? あ、おかえりアクセル。ちょっとお邪魔してるわよ」
「いや、だから何でわざわざ俺の部屋でお茶してるんだよ」
俺が大量に買っていた生八つ橋とかが目当てなのか? そうも思ったが、そもそもお土産用に買った物は全てが俺の空間倉庫の中に入っている。
そうである以上。俺のお土産を狙ったとしても取り出す事は出来ない。
それは神楽坂達にしても理解したのだろう。特に気にした様子もなく、首を横に振る。
「別にそんなのを期待してる訳じゃないわ。ただ、いいんちょも釘宮も、交渉を終われば私達の部屋に来るんじゃなくて真っ直ぐこの部屋に来ると思ったから、お邪魔させて貰っただけよ」
そこまで告げると、ふと何かに気が付いたかのように笑みを浮かべつつ神楽坂は言葉を続ける。
「それとも、何? もしかして私達に見られちゃ困るような物でも置いてあった?」
「そうだな。夜の生活に使うようなものを置いてあったんだが、それを見たのか?」
「なっ、ななななな、何を言ってるのよあんたぁっ!」
自分から仕掛けてきておいて、逆襲されると顔を真っ赤にしながら叫ぶのか。相変わらず初心な奴。
そう思ったのは近衛も同様なんだろう。笑みを浮かべつつ神楽坂の方へと視線を向けていた。
……その隣では何を連想したのか、桜咲の方も赤くなっているが。
「別にそんな物はないから、そこまで照れるな。大体そういうのを買ったとしても、空間倉庫があるのにわざわざ人目につきやすい場所に放り出しておく筈がないだろ」
「そ、そうよね。……本当にそうよね? そういうエッチなのを放り出してたりしないわよね?」
何度も確認するように尋ねてくる神楽坂に、思わず溜息を吐く。
「信用がないな」
「当然でしょ! だ、大体アクセルがそっち方面で信用あると思う方がおかしいんじゃない。ハーレムなんか作っちゃってさ」
「あははー。アクセル君も、アスナに掛かれば台無しやなぁ」
「ちょっ、このちゃん!? 今口を出されては……」
そんなやり取りをしながら、俺もまたテーブルに着き……その瞬間、何故か神楽坂が俺から距離を取る。
ちょっとからかい過ぎたか? まぁ、その辺に関しては色々な意味で初心な女だしな。
……その割にはよくそっち方面で俺にちょっかいを出してきては自爆してるんだが。
そんな風に考えながら話していると、やがて部屋に近づいてくる足音に気が付く。
覚えのあるその2つの足音は、やがて扉を開け……
「アクセル君、交渉の方は無事に纏まりましたわ!」
満面の笑みを浮かべながらあやかが部屋に入ってくる。
その後ろには小さく、だか嬉しそうな笑みを浮かべた円の姿もあり、あやかの言葉通りに今回の交渉が無事に成功したというのを現していた。
「ほ、ほら。やっぱりいいんちょは真っ直ぐこっちに来たじゃない。私の予想もきちんと当たるわね」
つい先程顔を真っ赤にして照れていたとは思えないような自慢げな態度で俺の方へと視線を向けてくる神楽坂。
その言葉で神楽坂の存在に気が付いたのだろう。あやかは不満そうな表情を神楽坂へと向ける。
「む、何でアスナさんがアクセル君の部屋に? 近衛さんや桜咲さん達も……」
「いいんちょの事だから、真っ先にこっちに来ると思ってたのよ。その予想が思い切り当たった形だけど」
「あー……まぁ、あやかだしね」
「ちょっと、円さん? アスナさんの味方をするんですの!?」
「いや、だって実際交渉が終わったらあやかは真っ直ぐにアクセル君の部屋に来たじゃない。もっとも、私も別に止めるような事はしなかったけど」
「なら円さんも私と一緒じゃありませんか」
「そうよ? 大体交渉が終わったってのをシャドウミラーの代表でもあるアクセル君に報告するのは当然でしょう? ……まぁ、アクセル君と会いたかったってのも事実だけどね」
ボソリと呟かれた最後の言葉は、俺だけではなく他の者達にも聞こえていたらしい。
近衛はともかく、桜咲は烏族で高い身体能力と五感を持っているし、神楽坂は天然気味にそんな感じだなのだから無理もない。
とにかくこのまま今のやり取りを続けていても話が進まないので、あやかへと声を掛ける。
「それで、交渉が終了したって話だったが……全て円満に決まったのか?」
「ええ。基本的にはこちらの提案が全面的に受け入れられた形です。……ああ、こちらの提案というのは、別にシャドウミラーにとって一方的に有利なものという訳ではなく、こちらで作った素案を受け入れたという事ですわ。関西呪術協会の方にも十分に利益がある話ですので、安心して下さい」
「そうか、それは良かった」
ここで関西呪術協会から一方的に搾取するような契約を結んだ場合、下手をすれば後日揉め事になる可能性も少なくない。
特に関西呪術協会は、麻帆良に対して色々と思うところのある奴も多い。
それは、これまでのこの2つの関係を思えば分かりやすいだろう。
「とにかく、転移札の類がこっちに無事輸入出来るのは色々とありがたいな」
「そうですわね。今までも一応輸入していましたが、かなり稀少でしたから」
「……純粋に商売を考えるのなら、それでもありと言えばありなんだろうけど」
円の言葉に、思わず苦笑する。
確かに一度関西呪術協会から輸入して売りに出す以上、その値段を決めるのは俺達だ。
ホワイトスターを擁しているという事で、その影響力は色々と圧倒的なものがあるから、値段をこっちで自由に決める事も出来る。
特別限定版! 的な感じにして、買う人を煽ったりも出来る訳だ。
たが、そういう商売は長続きするものではない。短期的に稼ぐのならまだしも、長い目で見るのなら誠実に商売をするのが最良なのは事実。
特にシャドウミラーの場合はホワイトスターを持っている時点で各世界から毎月大量に金が支払われているので、そんなに金稼ぎに必死になる必要もない。
「意外と阿漕よね、シャドウミラーって」
ポツリと呟かれた神楽坂の言葉は、取りあえず聞き流すとする。
「ところで、向こうから今回の交渉が纏まった事を祝して、夕方に食事を一緒にどうかと言ってきているのですが……どうでしょう? 一応今夜帰る予定でしたし」
「あー……そうだな。俺としては構わない。結界か何かを使ってくれればホワイトスターに戻るのはニーズヘッグですぐだし、神楽坂達にしてもゲートからならすぐ麻帆良に帰れるだろ」
「それはそうだけど……微妙に何か後ろ暗い真似をしているような気がするのよね」
「ええやん、アスナ。折角やし夕食はウチで食べてってぇな」
「このか……うーん……アクセルに借りを作るのはあんまり面白くないんだけど、このかがそう言うのならしょうがないか。アクセル、帰りお願いね」
「いや、別に俺に借りを作るのが嫌なら普通に新幹線とかで帰ってくれても構わないんだが?」
「ちょっと! そこは普通に誘いなさいよ!」
殆ど反射的にそう言い返してくる神楽坂。
何だか、いつものやり取りをしているという気になる。
神楽坂は別にシャドウミラー所属って訳でもないんだけどな。
とにかく、食事の時間が来るまでは結局俺の部屋で馬鹿なやり取りをしつつ時間を潰すのだった。
「では、交渉が無事終了した事を祝って……乾杯!」
『乾杯!』
詠春の言葉と共に、食事……というか、宴会に参加した者達が手に持っていたコップを大きく掲げる。
俺達が飲んでいるのはジュースやウーロン茶といったものだが、当然他の関西呪術協会の者達が飲んでいるのはアルコールだ。
意外だったのが、てっきり京都というイメージもあって日本酒とかを飲むのかと思っていたら、殆どがビールだった事か。
それを言ったら、京都に夢を見過ぎですと詠春に苦笑を浮かべられたが。
ともあれ、宴会ということもあってそれぞれが好き勝手に飲み物を飲み、飯を食い、といった風に賑やかな時間を過ごす。
交渉が終了した祝いの宴の割には、ここにいる殆どが関西呪術協会の者達だったが。純粋にシャドウミラーのメンバーと言えば、俺、あやか、円の3人だけだし。
「いや、アクセル代表。これからもシャドウミラーとの末永いお付き合いをお願いしたいですなぁ」
陰陽師の1人が上機嫌でそう言ってくる。
それは当然だろう。関西呪術協会にしてみれば、酒呑童子が蘇ったのをその日のうちに討伐し、貿易の協定も結ばれた。
まさにここ数日は万々歳と認識してもおかしくはない。
万々歳という意味ではこっちも同じだ。いや、寧ろ鬼眼というスキルを入手した俺にしてみれば、向こう以上に嬉しい出来事だった。
純粋に、この鬼眼だけでネギま世界の京都までやってきた甲斐があると言ってもいいだろう。
「そうだな、これからもよろしく頼む。陰陽術の転移札は色々と売れ筋の商品だ。あればあるだけ売れるからな」
「はっはっは。陰陽術をそこまで評価してくれて嬉しいですな。こちらこそシャドウミラーを通して得られるだろう他の世界の呪物の類は、陰陽術により発展をもたらしてくれるでしょう。神鳴流の方でも異世界の大太刀とかには興味があるらしいですし」
がっはっは、と笑うその言葉に俺も納得したように頷く。
確かに陰陽術を使っている者達にしてみれば、異世界の知識とかは陰陽術に流用出来る物も多いし、大太刀の類とかは……うーん、陰陽術はともかく、大太刀とかは……SEED世界の重斬刀辺りを応用するか?
いや、寧ろ大太刀を作る技術を向こうの世界で流用した方がいいような気もする。
その辺を考えると、神鳴流の剣士には今回の貿易はあまり旨味がないかもしれないな。
……いや。
「ワイバーンの鱗とか、そういうのの需要はあるか?」
「ほう。ワイバーンですか。前鬼や後鬼の召還をする際に使う触媒として考えればいいかもしれませんな」
なるほど。ワイバーンの鱗は結構需要がありそうだな。神鳴流の剣士じゃなくて、陰陽師の方にだけど。
オーガとかも一応いるけど、きちんと繁殖の準備が整っているのはワイバーンくらいだ。
牧場でならワイバーンの鱗とかは結構落ちているだろうし、牙や爪も生え替わる時期を考えると定期的に輸出出来るかもしれない。
触媒とする以上は恐らく使えばなくなるかもしれないし、もしなくならないにしても傷を受けて破壊される事も珍しくない筈だ。
それを考えれば、ワイバーンを繁殖している限り永遠に困らない代物となる。
まぁ、そもそもこっちで何か利用可能な使い道とかが判明すればそれも難しくなるだろうが……ともあれ、この陰陽師からの話を聞く限りでは有用な商品にはなりそうだ。
そんな風に考えつつ、他の陰陽師達とも話していると、やがて詠春が姿を現す。
交渉が無事纏まったのが嬉しかったのが、上機嫌に笑みを浮かべている。
顔が若干赤いのは、酒の影響だろうか。
「アクセル代表、今回は関西呪術協会の事だけではなく、木乃香の事でも骨を折っていただき、ありがとうございます」
「近衛の件はこっちにも利益があるからな。あの回復魔法の腕は貴重だ。それにこのネギま世界にいる限り、近衛は色々な勢力から狙われる危険がある。それを思えば、やはりホワイトスターに住むというのが一番だろう。護衛として量産型Wもつけられるし」
「量産型W……ああ、何度か見た事がありますね。色々と特徴的な外見をしていましたが」
「ああ。生身の戦闘力はそれなりに強いし、多少だが魔法も使える。護衛としては十分な筈だ」
その言葉に多少不安そうな様子を見せながらも、詠春は特に何も言わない。
まぁ、実際に実力を見た訳でもない以上、全面的に信じろって方が無理か。
近衛のシャドウミラーに対する就職が決まったら、一度その実力を見せておいた方がいいかもしれないな。
そんな風に思った時、ふと詠春の真面目な視線が俺へと向けられているのに気が付く。
「アクセル代表には色々とお世話になっていますし、シャドウミラーも同様です。ですが……」
「ですが?」
「木乃香に手を出すような真似をするのなら、相応の覚悟を持って下さい。少なくても他の女性との関係は……ぐはぁっ!」
ゴスッ、という鈍い音が鳴り響き、詠春が一瞬にして沈む。
その音を作り出したのは……
「いややわぁ。アクセル君に変な事を言わんといてな」
振り抜いた金槌を手に、ニコニコとした笑みを浮かべる近衛だった。
……取りあえず詠春、安心しろ。俺は近衛に手を出すつもりはないから。
床でピクピクとしている詠春に向かって、内心でそう呟く。
内心なのは、言葉にすれば自分が魅力的ではないのかとハンマーの矛先が俺に向かいかねなかった為だ。
後書き
アクセル・アルマー
LV:42
PP:355
格闘:301
射撃:321
技量:311
防御:311
回避:341
命中:361
SP:1402
エースボーナス:SPブースト(SPを消費してスライムの性能をアップする)
成長タイプ:万能・特殊
空:S
陸:S
海:S
宇:S
精神:加速 消費SP4
努力 消費SP8
集中 消費SP16
直撃 消費SP30
覚醒 消費SP32
愛 消費SP48
スキル:EXPアップ
SPブースト(SPアップLv.9&SP回復&集中力)
念動力 LV.10
アタッカー
ガンファイト LV.9
インファイト LV.9
気力限界突破
魔法(炎)
魔法(影)
魔法(召喚)
闇の魔法
混沌精霊
鬼眼
???
撃墜数:1180
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