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リリカルアドベンチャーGT~奇跡と優しさの軌跡~

作者:setuna
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Another45 ヤマト

 
前書き
その頃ヤマトは。 

 
東京に戻ったヤマト、父親に頼まれて会社に届け物をすることになった。
ヤマトはガブモンをD-コネクションの中にいることを確認すると、テレビ局で働く父親の元に向かう。

ガブモン『ここがヤマトのお父さんが働いている場所なんだね?』

ヤマト「早いところ、この書類を届けてやらないとな」

ガブモン『大切な書類を家に忘れるなんて意外とおっちょこちょいなんだね、ヤマトのお父さん。』

ヤマト「う~ん。テレビ局で働いているから、忙しくて忘れっぽくなっているんだよ。家に帰っても、飯食って寝て、直ぐに会社に戻るみたいだし……」

常日頃忙しい父親を幼い時から見てきたためか、ヤマトは父親が忘れ物をしても仕方ないと思っている。

ガブモン『大変なんだね……ところでヤマト……ずっと気になってたんだけど、その包みは何?』

ヤマト「これか?家を出る前に親父の弁当を作ったんだよ」

忙しい父に代わり、家事全般はヤマトの仕事だ。
それによって培われた経験がデジタルワールドでも発揮され、大輔達と合流するまでみんなを支え続けた。

ガブモン『へえ……凄いね!!お父さん、きっと喜んでくれるよ!!ヤマトの料理、とっても美味しいから!!』

ヤマトの手料理を食べているガブモンはきっとヤマトの父親も喜んでくれるだろうと確信していた。

ヤマト「そうだといいけど……」

そう言ってテレビ局の中に入る。






























ガブモン『うわあ……広くて迷っちゃいそうだね』

D-コネクションの中からテレビ局の中を見遣るガブモン。

ヤマト「何度か来たことがあるから大丈夫さ。絶対に声を出すなよ」

ガブモン『うん』

ガブモンはヤマトに返事をして、ヤマトもそれに頷き、真っ直ぐに奥に向かい、階段を上がっていく。




































そして2階に行くと、何とガジモンが2体いた。

[はい、スト~~ップ!!]

ヤマト「!?こんな所にデジモン!!?ヴァンデモンの手下か!!?」

[何訳の分からないことを……この道路を通る奴は通行料を払ってもらう決まりなんだ!!持っている物を全部置いて回れ右した方が身のためだぜ!!]

ヤマト「ヴァンデモンの手下じゃない……どうやら現実世界に迷い込んだのか……」

ガブモン『大体いつからそんな決まりが出来たんだよ!!』

ヤマト「悪いけど……お前にやれる物なんて何もない。通らせてもらうぞ!!」

D-コネクションを取り出してガブモンを出そうと瞬間、ガジモンに荷物を取られてしまう。

ガブモン『ヤマト!!』

ヤマト「しまった…荷物を返せ!!」

[こいつは食料か…]

[いい匂いがする、美味そうだ!!]

ヤマト「ガブモン、頼む!!」

ガブモン『任せて!!』

D-コネクションからガブモンが飛び出す。

[[!?]]

いきなり飛び出してきたガブモンに驚愕したガジモン。

ガブモン[荷物を返せ!!クラッシュネイル!!]

ガルルモンの毛皮に付いている爪でガジモンを攻撃する。

[ガッ!!?]

脳天に一撃を喰らい、ガジモンはノックアウトされる。

ガブモン[あれ?]

自分でも予想外の結果にガブモンは瞬きを繰り返すが、もう1体のガジモンがガブモンに襲い掛かる。

ガブモン[リトルホーン!!]

今度は角による一撃を叩き込んでガジモンを気絶させる。

ガブモン[何だろう…俺前より格段に強くなってる…ブイモン達との特訓のおかげかな…ヤマト、荷物は大丈夫?]

ヤマト「書類の方は無事だったけど……弁当の方は…」

ガブモン[え…ああ、ガジモンのせいで中身がグチャグチャだ……]

弁当の中身を見ると、ガジモンが手荒に扱ったせいでグチャグチャになっている。

ヤマト「……書類が無事だったらそれでいいよ。ガジモンのせいで遅くなっちまった。急ごう」

D-コネクションをガジモン達に翳すと、ガジモン達がD-コネクションに吸い込まれ、デジタルワールドに強制送還させられる。

ガブモン[(ヤマト…)]

表情には出ていないが、落ち込んでいるのがガブモンには分かった。
ガブモンもD-コネクションの中に吸い込まれた。



































更に階段を上がり、父のいる3階に行く。
そこにはヤマトの父親、石田裕明がいた。

裕明「おお!!悪かったなヤマト!!」

ヤマト「大切な書類ってこれだろ!!」

ヤマトは裕明に書類を手渡す。

裕明「これだこれだ!!ところで、お前。それ新しいゲーム機か?」

ヤマトのズボンのポケットに入っているD-コネクションを見て、裕明はヤマトに尋ねる。

ヤマト「え?ああ……これか?……まあな、タケルも同じ物を持ってるんだ。」

裕明「そうか…タケルの奴は元気か?忙しくて中々会えないんだが……」

ヤマト「ああ、元気だったよ。サマーキャンプで新しい友達が出来たんだよ。大輔って言ってな。タケルと同い年なのに凄いしっかりした奴だよ」

裕明「……なあ、その大輔って子…名字は本宮か…?」

ヤマト「あ、ああ…何で知ってんだよ親父?」

裕明「…この前奈津子に会ってな。本宮さんの長男の本宮大輔君がとても良く出来た子供だとか言っていたよ。何でもあの子の父親とは仕事の繋がりがあるらしい」

ヤマト「知らなかった…」

意外な縁にヤマトは素直に驚いた。

裕明「とにかくありがとうな。じゃあ、仕事に戻るよ」

ヤマト「親父!!」

仕事に戻ろうとする裕明を呼び止めた。

裕明「どうした…?」

ヤマト「これ……弁当作ったんだ。……転んじゃってグチャグチャだけど……」

弁当を差し出すと裕明は喜んで受け取ってくれた。

裕明「ありがとう、丁度腹が減ってたんだ」

ヤマト「見た目は悪いけど、大丈夫かな?」

裕明「お前の料理の腕前は俺が一番よく知ってるさ」

ヤマト「そっか!!じゃあ、俺帰るよ」

裕明「ヤマト!!」

帰ろうと背を向けたヤマトに裕明が声をかける。

ヤマト「ん?何だい、親父」

裕明「いつも家事をやってもらって悪いな。今度の休みは俺も手伝うよ」

ヤマト「ああ!!期待しないで待ってるよ」

裕明「ははは……今夜も泊まりだから戸締まりには気をつけろよ」

ヤマト「分かってるって!!」































テレビ局から出て、自宅に帰ろうとした時、D-コネクションの中のガブモンが声をかけてきた。

ガブモン『ヤマト、お父さん、お弁当喜んでくれたね』

ヤマト「……まあな。さあ、帰ろうぜ。今日はお前が食いたい物作ってやるよ」

ガブモン『本当に?やった~!!』

D-コネクションの中で跳ねるガブモンにヤマトは苦笑しながら自宅に向かう。 
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