魔法少女リリカルなのは 平凡な日常を望む転生者
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第11話 襲撃者との戦い
零治はフェイトに謝り、シャイデの家へと向かった。
「来たわね」
「正気か!?相手は次元犯罪者だぞ」
「だからよ。海鳴市が狙われる理由が分からない。それと私たちに始末を頼む理由がね………」
確かに意味が分からない。
だから接触か………
相変わらず凄い度胸だな………
「だからブラックサレナを展開しといて」
「………分かった」
『オッケー、そっれじゃあいっくよ!!!』
「少しは空気読め………」
そう言いながらブラックサレナを装備する。
「それじゃあ連絡するわよ………」
『おや、やっと返事が来たか。初めまして私はジェイル・スカリエッティと言うよ』
部屋にモニターが移され、そこに紫の髪をした白衣の男が写った。
「………知っている」
『おお、君が噂の黒の亡霊かい?』
「そうだ、依頼内容の中身を詳しく言え」
『ということは引き受けてくれるのかい?』
「それは聞いてからだ」
『そうか、ならば話すとしよう。実は私の基礎理論を使って人造魔導師を作った男がいる』
「プロジェクトF………」
『よく知っているね。まぁそれを使い、人造魔導師を作った男、クレイン・アルゲイル。彼が今回の首謀者さ』
「クレイン・アルゲイル………」
『彼は一体の人造魔導師を作り上げた。………まぁ、名前はないのでアンノウンとでも言おう。目的は、闇の書関連を解決した者たちを倒し、自分が作った魔導師が最強だと見せ、自分の首を切った管理局に復讐するためだろう』
「………くだらないな」
『私も同意見だよ。だが、今の彼女たちでは敵わないだろう』
「なぜ敵わないんだ?」
『詳しくは分からないが対処に向かった管理局員の全員が一撃も与えられず敗れたらしい………』
「一撃も!?」
『そうらしい。詳しい能力は分からなかったが………』
本当に分からないのか?これほどの次元犯罪者が………
何かにおうな。
「あのバカみたいな魔力を持つあいつは?」
『神崎大悟のことかい?確かに彼なら問題なく戦えそうだが、彼は今ミッドチルダにいるだろう?』
あれ?今日学校にいたような………
その後仕事だったのか?
「だが高町なのは達がかなわない相手なんだろ?だったら俺でも勝てないかもしれんぞ?」
俺もなのはたちと魔力ランク変わらないし………
『………黒の亡霊はそう簡単に負けないさ』
「知ったような口を」
『それでアンノウンは今海鳴市に向かっている。あと45分位で到着する予定だ。できれば海鳴市に着く前に始末して欲しい』
「もう一つ聞きたいことがある。なぜ、管理局にバレてはならないんだ?」
『簡単だよ。アンノウンのサンプルが欲しいからだ。アンノウンには私も興味がある』
マッドサイエンティストめ………
「要するに始末はついでであり、アンノウンのサンプルを取ってこいってことが今回の本当の依頼ってとこか?」
『その通り。でどうだい?』
俺にとって一番は無視するのが一番安全だろう。
だけど、それだとなのは達が危ない。
本当に彼女達がかなわないかは怪しいけど、彼女達は今日こっちにいるし………
………仕方がないか。
「分かった受けよう。戦闘の場所はどのあたりがいい?」
『海鳴市の隣にある遠見市の森林地帯がいいと思うよ。あと15分くらいで到着するみたいだけど』
「了解した。それでは、今から行く」
『よろしく頼むよ』
そう言われ通信が切れる。
「………本当に構わないの?」
しばらく黙って聞いていたシャイデが聞いてくる。
「どこまで信じられるか分からないけど、高町なのは達が敵わないというのなら俺がやるしかないだろう。それに俺にはボソンジャンプもあるし、いざというときは思いっきり逃げるさ」
「………気を付けてね。あなたはもう一人ではないのだから」
「肝に命じておくよ。行くぞ、ラグナル」
『はいは~い。スカ野郎から送られた座標にジャンプしま~す!!』
俺は指定された座標にジャンプした。
『到着で~す』
ここは………森林地帯のようだ。遠くには、遠見市の街並みが光っているのが分かる。
「今日はやけに軽いな………」
『雰囲気が暗すぎます!!私には耐えられません!!』
「マイペースな奴………敵の反応は?」
『まだみたいです………いや、反応あり!』
「どこだ!?」
『二時の方向、目視………出来ます』
「結界張っておいてくれ」
『了解です。気休め結界張ります』
気休め言うな。
そろそろ………なんだ?女の子?年は俺と変わらないか少し下くらいか?
「照合………不認知。敵と判断し、殲滅します………AMF起動」
『マスター!!まずいです!!アンチマギリンクフィールドです!!』
アンチマギリンクフィールドって確か魔力結合、発生を妨害する奴じゃなかったっけ?
ってことは………
『結界は無効化。ボソンジャンプも出来なさそうです………』
ここらは人目が少ないはずだけど長く戦っているわけにはいかないな。逃げ道も無くなったっわけだし………
「武器やフィールドは?」
『武器は大丈夫そうです。けれどフィールドは張り続けると魔力が持ちそうにないです。あとグラビティブラストは最高でも5発が限界ですかね………』
「ちなみに今の濃度はどのくらいだ?」
『恐らく80%程ですね、まだ出力は上がりそうですけど………』
そう確認していると、アンノウンが先に動く。
「目標、殲滅します」
そう言って相手は動き出す。
「ブレード展開」
右腕から白いブレードを展開し俺に構える。
アンノウンが動き出したと思ったら、
俺の目の前にいきなり現れた。そして………
「グッ!!」
そのまま斬り付けられた。
「ラグナル!」
『損傷軽微。しかしとんでもない速さですね。恐らくスピードならライ様のソニックムーブより速いです。その分攻撃力が低いですけど………』
「相手の損傷軽微。防御力、攻撃力に30%移行」
アンノウンは再びブレードを構え、突撃してくる。
「ラグナル、ビームソード!」
『イエス、マスター』
両手に魔力で出来たビームソードを展開し、迎えうつ。
「グッ!?さっきより重い!?」
『マスター、さっきより威力があります!』
その後アンノウンは俺の後ろに回り込み、背中に斬りかかってきた。
だが、ラグナルが咄嗟にフィールドを張ってくれたため、直接に被害はなさそうだ。
「ラグナル、ダメージは?」
『ダメージは無しです。フィールドが間に合いました』
アンノウンは再び俺から離れる。
「バリア確認………防御力を80%攻撃力に移行」
「何言ってるか分かるか、ラグナル?」
『防御力を攻撃力になんとかかんとか………』
防御力を攻撃力に?
………ってまさか!!
「攻撃、開始する」
アンノウンが再び、高速移動し、俺の目の前に現れる。
「ラグナル、グラビティブラストチャージ!」
『無茶ですよ。相手のスピードが速すぎます。避けられますよ!』
「構わん、始めろ!!」
『イ、イエスマスター』
俺の怒鳴り声を聞き、チャージを開始する。
俺は相手の攻撃をできるだけビームソードで対応する。
だが全部防ぐのは難しく、少しずつ攻撃が通る。
「高魔力反応確認、緊急回避」
『マスター!!』
「いけっ!グラビティブラスト!!」
腹部にチャージした魔力を一気に開放する。
だが、アンノウンには簡単に避けられ、空に向かって進んで行き、消えていった。
『やっぱり避けられましたよ、マスター………』
「いいんだ、奴を離すのが目的だったから。それよりラグナル、奴を倒す方法を思いついた」
『一体何ですか?』
「それは………」
俺の考えていることを簡潔に言う。
『何という大博打を打つつもりなんですか!!下手をすると大怪我じゃすみませんよ………』
「大丈夫。ブラックサレナの硬さは伊達じゃないさ」
『装甲自体中破しているんですよ!?耐えられるわけないじゃないですか!!それにマスターが言った通りかも分かりませんし………』
「他に奴に勝つ方法あるか?」
『………アーベントのブラスターモードなら奴のスピード以上の速さが得られるはずです』
「ブラスターモードは今まで一度も使ったことないんだぞ?それにアーベント自体あのときから一度も使ってないし」
『ですが………』
「俺は大丈夫だ。なんとかなるさ!それに………」
「防御力を100%攻撃力に移行………」
「相手は待ってくれないみたいだぜ」
「ハイブレード始動」
右腕のブレードに魔力を纏わせ、1.5倍ほどの魔力刃を作り出す。
「取っておきがあるのか………」
『マスター、作戦変更を………』
「しないさ、下手にアーベントを使って操作できず、逆にやられたら話しにならないだろ」
『分かりました。マスターの悪運にかけます………』
「よし、全ては俺次第!!」
そう言って俺はビームソードをしまい、手ぶらになる。
「目標補足、攻撃開始………」
アンノウンは突きの構えをし、俺に目掛けて高速移動してくる。
俺はなすがまま。そのままハイブレードは俺の体を貫いた………
『マスター!!!』
「賭けは俺の………勝ち、だな……」
俺は左脇腹に刺さっているハイブレードをそのままにしてアンノウンの腕を掴む。
「肉を………切らせて………骨を………断つ!!」
『グラビティブラストフルチャージ!!』
俺の腹部に魔力が高まる。
「高魔力反応、威力S+オーバー、機動力を100%防御力………」
「させる……か!!グラビティブラスト!!」
『シュート!!!』
腹部から放ったグラビティブラストはアンノウンを貫き、飲み込んだ………
『マスター!!今直ぐに応急処置を!!』
俺は地上に落ちていくアンノウンをなんとか捕まえ、地上に降りた。
左脇腹からは出血しており、中に着ているバリアジャケットが赤く染まっていた。
ラグナルが応急処置として回復魔法をかけてくれる。
『マスター!!マスター!!!』
「大丈夫だ、回復魔法のおかげで血は止まったよ………」
『駄目ですよ。私の回復魔法は気休めですから、無理をしないでください………』
「大丈夫だって。戦うのは流石に無理そうだけど………」
『流石は黒の亡霊と言うところか………』
「ジェイル・スカリエッティ、見てたのか」
いきなり目の前にモニターが現れ、そこにジェイル・スカリエッティが映し出される。
『一部始終をね。肉を切らせて骨を断つ………君の世界のことわざだったかい?無茶をするもんだね』
「余計なお世話だよ………」
『そうそう、アンノウンについてだが、私の部下が迎えに行っているよ。その子に渡してくれ』
「分かった………だが、奴を使って何をするつもりだ?」
『それを聞いてどうする気だい?』
「お前次第だな………」
威圧感を含んだ声で俺は威嚇した。
『怖い怖い………なるべく君とはいい関係でいたいのだが………まぁ、君に迷惑がかかることはしないよ』
「………そうか」
『それと報酬は君のクライアントに渡してある。それとこれはサービスだ』
「サービス?」
『今回の人造魔導師、と言っても恐らく私が作っている戦闘機人に近いか………他にも違うタイプを製造している可能性がある』
「何だと!?」
『恐らくだがね。それを調べるためにもそのサンプルが欲しいのさ』
「なぜ分かる?」
『私の場合ならあれ一体ではなく、違うタイプの機体を造り、それらのデータを含めてさらに上の機体を造る。彼も私と同じタイプならそうするさ』
「………信じろと?」
『それは君の自由さ』
まぁ警戒するに越したことはないか。
「もう一つ聞きたい」
『なんだい?』
「なぜ、こいつを倒す必要があるんだ?こいつに高町なのはたちを倒させればお前も後は楽に研究が出来るんじゃないのか?」
『私以外の戦闘機人が活躍されると私のスポンサーにも首を切られるからね。それを阻止するためさ』
なるほどな、そりゃあ優秀な方を選ぶに決まっているか。
「………そろそろいいですか?ドクター」
『ああ、済まない。回収してきてくれ』
紫のショートカットの女性がいきなり目の前に現れ、アンノウンを担いでいた。
『ラグナル』
『私も全然気づきませんでした………』
ラグナルをもごまかすステルスを持っているのか!?
『いきなり驚かせてすまないね。この子はトーレ。私の助手だ』
トーレ?確か戦闘機人だったよな?
ISはなんだっけ?
ステルス系の能力じゃなかったはずだけど………
「それではドクター今からラボに戻ります」
『ああ、よろしく頼むよ』
そう言って、トーレはまたいきなり消えた。
『何で、反応がなくなっているの!?』
ラグナルがかなり驚いている。
この能力使う奴いたような………
スカリエッティに似ている………
クワトロ?
そんな感じのような………
『それでは私は失礼するよ』
「………ちょっと待て。最後に聞きたいことがある」
『なんだい?』
「お前、俺を試したろ?」
『さてね?また依頼があったらよろしく頼むよ』
「………考えておく」
そう言ってディスプレイは消えた。
「ドクター、どうでした彼は?」
「実に興味深いよ彼は。あのフィールドもただのプロテクションとは違うみたいだ。壁というよりはバリアだね」
ここはジェイル・スカリエッティのラボ。ジェイルの研究室だ。
今そこにはジェイルと紫のロングヘアーの女性が話していた。
「それとウーノ、アンノウンの様子はどうだい?」
「生体ポットに入れて治療中です」
「グラビティブラストと言ったかい?威力はS+オーバー。彼の切り札と言ったところか………」
「しかし驚きました。自分の体を使って、相手の動きを封じるとは………」
「それほど自分の耐久力に自身があったんだろうね」
「他にも気になる事を言っていましたね」
「アーベント、ブラスターモード………多分それが彼の本当の切り札なのだろう」
そう言って自分の目の前のディスプレイに写っているブラックサレナのデータを見る。
「本当に興味が尽きないな彼は。恐らく今度は彼に戦闘機人を送ってくるだろう。彼がどう攻略するか楽しみだ………」
そう言ったあとジェイルは少し考え込んだ。
「ドクター?」
「ウーノ、チンクを呼んできてくれないか?」
「チンクをですか?」
「ああ、ちょっとチンクにやってもらいたいことができたんでね」
そう言ってジェイルはニヤリと笑った。
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