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転生特典をもらっても全て得になるとは限らない

作者:フリーK
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機動戦士ガンダムSEED編
  第17話

 ザフトとの戦闘が終わりもう日が完全に昇って朝となった現在、戦闘に乱入してきたレジスタンスとの会談をする事となった。アークエンジェルの面々はレジスタンスを警戒しており相手側に見えないよう武装した乗組員を待機させている。アークエンジェル側の代表はマリューとムウであり今丁度話を始めたところである。

「しかし、いつまでコックピットに居ればいいのやら…」

 オレとキラは戦闘が終わってからずっとコックピットの中にいる。何かあった時の為にコックピットで待機していてほしいなどと言われてそれを実行していた訳だがはっきり言って暇だ。体はあまり動かせないし漫画やテレビの類を持ち込んでいる訳でもないからだ。やることといえばモニターで外の様子を眺めるくらいだがそう見応えのあるものはないからな…。
 そう考えている内に会談は始まったようだ。それぞれ自分達の紹介を始め、そこから駆け引きに発展したが完全にサイーブ・アシュマンというバンダナを付けた恰幅のいいレジスタンス“明けの砂漠”のリーダーの男にペースを握られてしまったようだ。会話を聞く限り配置した乗組員の事もバレているようでアークエンジェルの情報もかなり持っているようだ。まあアークエンジェルの情報はカガリからのものだろう。さすがに極秘計画だったヘリオポリスの件が普通に地球の一レジスタンスにまで知れ渡っていては情報だだ漏れにも程があるし。
 結局オレとキラは会談の中で機体から降りてくる事が決まった。

『悠凪さん、ヤマト君、降りてきてちょうだい』

 通信でマリューに言われたのでハッチを開け、乗降用ケーブルを使って地上へと降りていく。外はコックピット内と違って空調などない為、炎天下の中空気は乾いていてはっきり言うと暑い。砂漠はこういうものだとはわかってはいるがやはり長時間はいたくない場所だな…。まあ、原作と同じように進むだろうからしばらくはこの気候の中過ごさなきゃいけないんだが……。
 明けの砂漠の面々を見てみると何やら驚いているようだ。何を驚いているのか気になったので、その目線の先を見てみるとそこにいたのは地上に降りた後ヘルメットを外したキラだった。
 
「まだガキじゃねぇか」
「何であんな子供をMSに乗せてるんだ?まさかコーディネイターじゃ…」
「いやいや、地球軍に入るコーディネイターなんて聞いた事ねぇよ」
「しかし、あのもう一人の方は何でジンに乗ってるんだ?あいつがあの地球軍のMSに乗ればいいんじゃないか?」
「傭兵かそこいらだろ。あの艦傭兵や子供を使う辺りよっぽど人手不足なのかねぇ…」

 …明けの砂漠の面々がそれぞれ何か口々に言っているのでよく耳を澄まして聞いてみると何かかなりの言われようだった……。まあ、さすがに子供が乗ってるなどとは誰も思わないか…。というかオレもなんか言われてるし……。
 そんな中一人明らかに他の面々とは比べものにならない程の驚愕の表情でキラを見つめている者がいた。カガリ・ユラ・アスハだ。彼女は拳を握りしめながらその目線を鋭くし、キラの元へと向かっていく。
 
「お前…」
「えっ…?」

 恐らくヘリオポリスで別れたキラがストライクに乗っている事に驚いているんだろう。原作でも確かそんな主旨の事を言っていた筈だ。
 ムウはカガリの様子に何か不穏なものを感じたのか腰の銃を抜こうとする。しかしそれを阻むように浅黒い肌の偉丈夫が立ち塞がる。あれは確かキサカか、オーブの軍人らしいがお姫様の付き添いとは大変だな、ホントに。

「お前が何故あんなものに乗っている!!」

 キラの前に立ったカガリはそう言い放ってキラに殴りかかった。キラはすんでの所でそれを受け止める。近くでカガリの顔を見た事でヘリオポリスでの事を思いだしたようで、とても驚いているようだった。

「君、あの時モルゲンレーテにいた…!」
「放せ、このバカ!!!」

 キラはカガリに声を掛けるが、当のカガリはそれを無視して掴まれた腕を無理矢理動かして裏拳でキラを殴りつけた。それを見て皆呆然としていたが…

「カガリ、何をしている!!」

 サイーブが声を荒げてカガリを叱りつけた。そりゃ会談の場で相手側の人間を殴りつけるなんてあってはならない事だしな…。

「ちょっと待ってくれサイーブ、これは…!」
「お前は今がどういう時かわかっているのか!」

 …絶賛カガリがお叱りを受けています。そういや原作だとあの後どうしたんだろうなこの出来事? SEEDってそこいら辺を省いてるから全然わかんないだよなホントに。

「大丈夫かキラ?」

 キラの元に近寄り声を掛けておく。…止めれば良かっただろうか、今の出来事は? しかし、奴の件程止める必要性は全くなかったからな…。

「大丈夫です。大した怪我にもなってませんし」

 そう言うキラの顔を見てみるが確かに殴られた箇所には痣などは特にない。やせ我慢とかではなく本当に大丈夫みたいだ。

「それにしてもいきなり殴るってお前何かあの娘と因縁でもあるのか?お前の方もあの娘の事知ってるみたいだが」

 もう答えは知ってるんだが一応聞いておく事にする。原作と隔離した状況になっている可能性もあるし、まあ確認作業みたいなものだ。

「ヘリオポリスで会ったんです。ザフトの襲撃に一緒に巻き込まれて、彼女は何とかシェルターに逃がす事はできたんですけど……でも何でレジスタンスに…」
「成る程な。まあ後で聞いてみればいいんじゃないか?人に聞かせてもいいものなら普通に話してくれるだろうよ」

 こう言っといてなんだが理由が理由だけに黙りを決め込むだろうが。
 そうしてキラと雑談をしていたのだが、こちらに近付いてくる人物がいた為そちらの方を見てみるとやってきたのはキサカだった。なんだ?と思ったが、キサカはこちらの前まで来るとキラに向かっていきなり頭を下げながらこう言ってきた。

「すまない、うちの者が迷惑を掛けた。後で本人に謝らせに行くのでできればそれで勘弁してやってほしい。身勝手な頼みだとはわかっているが…」

 キサカはカガリの代わりに謝罪を述べ、キラはいきなり頭を下げられて一瞬呆然としていたがすぐに慌てながら

「…いえ、別にそこまで気にしていませんから…あの、顔を上げてくれませんか?」

とキサカに告げる光景がオレの前で展開された。因みにキラを殴った当の本人であるカガリは未だサイーブと揉めている最中だ。
 
「わかった。頼みを聞き入れてくれて感謝する」 
「なあ、あんたちょっと聞きたい事があるんだが」
「…何だ?」
「いや、あの娘いつもあんなに喧嘩っ早いのかなと思ってな。事と次第によってはあんたらと共闘する事も有り得るから聞いときたくてな」

 キサカはどう答えるかを考えているのか少し悩む素振りを見せた後こう言いだした。

「…そうだな。確かに彼女はとても我慢強いとは言えないな。すぐに先走るので毎回止めるのに苦労させられる」
「ああ…、やっぱり」

 …ああ、やっぱりあんた気苦労が絶えないんだなぁ………。となると勝手にスカイグラスパーを使ったりとかもやらかすんだろうな…、カガリみたいなタイプの奴は色々と面倒だからな。これからどう対応していくかを考えると本当に憂鬱になるばかりだ。















 その後話は纏まりアークエンジェルは明けの砂漠と共闘する事が決定し、オレ達は明けの砂漠のアジトに案内される事となった。いや、正確には前線基地か。
 前線基地の場所は谷の底の洞窟などを使用しており、その谷の道幅はアークエンジェルの横幅ではかなりギリギリのものだったと言っておこう。
 その後、オレは様々な作業の手伝いに追われ気付けばもう夜になっていた。もう夕食時も過ぎアークエンジェルや明けの砂漠の面々は未だに作業に没頭する者もいれば焚き火の傍で談笑する者もいた。
 それに対しオレは現在人気のない崖の上の岩場にいる。念の為近くにいる者がいないか確認したが誰もいなかったので大丈夫だと思われる。この後も忙しくなるしさっさとやってしまおう。
 懐から小型の通信機を取り出し、通話の為電波を特定のものに合わせる。答えるのは約三週間ぶりとなるあいつの声だ。

『久々だな。大体三週間ぶりか』
「ああ、元気にしてたかハロ」
『元気も何もワタシに体調の変化など元より無いのは知っているだろう。それよりも現在はどこにいるのだ?』
「アフリカ共同体に落ちて明けの砂漠と共闘状態に入ったところだ。もう少しすればバルトフェルド隊がタッシルを焼き払ってるって報告がくるだろうよ」
『そうか。それで特に問題は起きなかったのか?』
「問題………まあフレイ・アルスターの企みを阻止したら一時期キラが精神的に不安定になって戦えなくなった事とクルーゼ隊に目つけられたっぽい事かな…」
『…洸、前々から思っていたがお前は色々と厄介事に恵まれる体質のようだな……』
「やめてくれ…、そんな巻き込まれ型の主人公みたいな体質お断りだ」

 そんな体質誰がなりたいものか。幸運に恵まれるのは良いがそんなもの損しかしないじゃないか………。

『自覚していないようだがまあいいだろう。それでは本題に入ろうか』
「…何が何でも認めないからな。それで、機体の製作具合は順調か?」
『ああ、60%は仕上がった。戦艦の方はまだまだだがな』
「まあ戦艦は最初から時間がかかるのは承知の上だからいいが、機体の方はもうそこまで進んだか。てか早過ぎないか?」

 せいぜい基地に帰還する頃には終わっているだろうと思ってたがこれだとそれよりも早く終わりそうなんですが…!?

『ワタシを舐めてもらっては困るな。これ位の事で手こずるような腕ではないよ』
「……早いに越した事はないし、ちゃんと造ってもらえば問題ないがあんまり無理すんなよ」
『全く、体調の変化などないと先程言ったと思うが?』
「……お前なぁ、こういう時はお世辞でもいいからわかったって言っとけよ………む?」

 そうハロに対して話していると何やら崖の下が随分と騒がしくなってきた。これはまさか………

『どうやらバルトフェルド隊が事を起こしたようだな』
「そのようだ。じゃあまた折を見て連絡する」
『了解。ではな』
「ああ」

 そうして連絡を切り崖の下へと急いで戻る。しかしハロの奴全く変化ないな。いや、たった三週間で何かが変わる訳がないが。

「まあ、あいつらしいちゃあいつらしいか」

 さて、早く戻ってアークエンジェルに戻って出撃準備を整えておかねばな。

 
 
 

 
後書き
名前:天原 洸

  Lv:17
 
  PP:286

  格闘:176

  射撃:171

  技量:172

  防御:152

  回避:191

  命中:179

  SP:157

  エースボーナス:不明

  空:A

  陸:A

  海:C

  宇:A

精神:直感(SP:15)

   直撃(SP:20)

   ???

   ???

   ???

スキル:???

   精神耐性

   ???

   ???

   ???

   ???

撃墜数:52 
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