銀魂 銀と黒の魂を持つ夜叉
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吉原炎上編
八訓
作者sid
ある晴れた日の混み合う大通り。二人は出会った。一人は黄土色の髪をした少年。もう一人は銀髪の侍。
ドン
「わ、悪りぃ。」
「気にすんな。」
道端でぶつかってしまった。しかし二人とも気にしていない。だが、少年はこれを意図的に行ったのだ。なぜかというと
「ちっ、しけてやがらぁ。ほとんど空じゃねえか。これならおいらの方がよっぽどましだぜ。」
スリである。しかしハズレだったようだ。
「あ、あり?おいらの財布がねえ!」
「ひーふーみー、やったぜ。わらしべ長者だ。」
再び少年の前に侍が通りかかる。その侍は自分の財布を持っていた。
「あっ、それおいらの財布「かかったな」」
通りかかった侍は先ほどの侍だった。
「こそ泥がぁ!!」
銀時sid
「相手が悪かったなあ。俺から財布を取ろうなんざ100年早ぇ。」
俺はガキをとっ捕まえてパフェを食いに来ていた。ガキの金で。
「もういいだろ?パフェおごったし〜。」
「いーや、帰す訳にはいかねえなあ。この事とスリをやった事は別だ。ちゃーんとお説教しなきゃなあ?」
「本当にその事は悪かったと思ってるよ。けど、どうしても金がいるんだ!」
はあ?
「で、何ここ?」
「吉原だよ。知らねえの?」
「知ってるわ!なんでガキの金のいる理由が吉原に繋がるんだよ!」
俺たちは地下、吉原に来ていた。ここは花魁の集う町。いわゆる夜の世界だ。
「旦那ぁ、うちで楽しんでかない?」
ワイワイ!
花魁が俺の腕を掴んで誘惑してくる。多人数で。だが残念!元々怪獣だった俺には誘惑は通じない。
「はいはい!後で行きますよ!」
「どうせ来るなら今でもいいでょう?」
「あのなー俺は離せって言ってんの!積極的な女は嫌いなの!」
「地下都市、吉原桃源郷ねえ。マセガキめ!色仕掛けで俺を垂らしこもうってか?悪いが俺には無駄だぜ。・・・・・あれは?」
あれはかなりの上玉だなぁ。かなり綺麗だ。
「あれは日の輪太夫だ。兄貴じゃ一生届かねえよ。気にくわなきゃ殿様でも相手しねえ。」
「ほー、そりゃ高嶺の花だね。」
「それに、あれはもう、おいらがつば付けてんだ。」
?
スナックお登勢
「「ぎゃーはははは!」」
吉原でも話をしたらババアとキャサリンは笑い転げた。
お登勢。俺はババアと呼んでいる。スナックお登勢の店主で万事屋の大家でもある。歌舞伎町四天王の一人。
キャサリン。年増団地妻に猫耳をつけたような女。スナックお登勢で働く。基本、片言で喋りたまに訳の分からない事がある。もと泥棒。
「この、ちんちくりんが吉原一の女を落とすって!?」
「ガキガ発情シテンジャネエヨ!」
「でもいいんですか?こんな子供が吉原を出入りするなんて?」
「ガキじゃねえよ。童貞。」
「おいてめー!今なんつったぁ!童貞の意味わかってんのか!?」
「新八よぉ、なぁにガキ相手にマジ切れしてんだ。みっともねえ。」
「そうネ、童貞!」
「てめーら童貞なめんなよ!30まで童貞貫くとなぁ、ゴッドハンドと呼ばれ、加藤のタカという存在に転生できんだよ!」
「データに書き加えときます。30まで童貞「いらねえよ、そんな情報!」」
今データが何ちゃらいったのはタマ。カラクリ家政婦だ。スナックお登勢の看板娘。
「新八、離してやれよ。でも大したもんだよ?この歳で女に興味持つなんて、英雄は色を好むってねぇ。その女に会うためにスリなんて、末恐ろしいガキだよ。」
「親のいないおいらが金を集める方法なんて限られてる。だから・・・・・」
「吉原の女つったら莫大な金が必要だろう。その日その日を生きるのもやっとなお前がなんでそんなことやってんだ?正直に離せ。」
「おいらは捨てられたんだ。生まれたときから親の顔が分からない。物心のついたときにあったのは拾ってくれたじいちゃんの顔だった。けど、そのじいちゃんも三年前に死んじまって・・・・・・でも死に際にこう言ったんだ!」
『清太よ。お前は捨てられたんじゃない。救われたんだ。お前の親は闇の中からお前を逃したんじゃ。誇りに思え。お前の母親は、今も常夜の闇の中で一人、一輪の花のごとく、燦然と輝いている。』
「母ちゃんかもしれないんだ。あの人、おいらの母ちゃんかもしれないんだよ!会って話がしたいんだ!でもなんど呼びかけても振り向いてくれない。だから客として会うために汚いことしてまで金を手に入れようとしたんだ。」
親に会うためか・・・・・
「それでもし、お前が母ちゃんに会えたとしても母ちゃんは喜ぶのか?」
「そ、それは・・・・・・」
「はあ、しょうがないねえ。働いていきな。」
ババア・・・・・
「吉原の女に会えるほどの金は出せないが、少しは足しになんだろうさ。」
「こうババアも言ってくれてんだ。もうスリなんてすんじゃねえぞ?」
「あ、ありがとうございます!」
数日が経った。
「あのガキ、ここに来てどれくらい経つ?」
「あれはとんだ拾いもんだよ。小器用で素直だし仕事ののみ込みも早い。少しはキャサリンにも見習ってもらいたいもんだよ。」
「ガキにしちゃあいろんなもん見てきたんだろうな。」
「なにより目つきが良くなったよ。」
本気だな、清太は。だが吉原の方はそうは思ってねえだろう。一回行ってみるか。
「行くのかい?」
「ああ?なんのことだ?」
ばれた?やっぱかなわねえなババアには。
「あんた、吉原の意味分かってんのかい?」
「男の夢をかなえる場所だろ?」
「そうじゃないよ。吉原には裏の顔があるってことさ。」
裏の顔ねえ。まあ、ああいうところはそういうのありそうだな。
「吉原は地上の法が通じない、治外法権の地だ。そして、それを実現しているのはある、一人の男の力。夜王、鳳仙。吉原桃源郷の老主、吉原の最高権力者。幕府のじゅうちんも手出し出来ない常夜の王。やつに目をつけられたやつはもう二度と日の光を浴びることはないなんて言われてそうだ。」
「夜王鳳仙か・・・・・」
吉原
「んなこったろうと思ったぜ。」
やっぱ相手にされてねえな。勝手に清太の金を使いやがって。そいつらは俺が成敗した。
「最初っから金で会えるやつじゃねえよな。」
俺は清太の金を使っていたやつの財布を抜き取る。こんぐらい見逃してもらえんだろ?
「姉ちゃん、お代はいくらだ?」
「それは結構です。すっきりさせてもらいましたから。」
「清太の知り合いか?」
「ここは子供のくるところではないので、結構有名だったんですよ。」
ふーん
「日の輪と清太を合わせるおつもりで。」
「いつまでもガキに居座られても迷惑でね。金のないやつが日の輪と会うにはどうすればいい?」
「あきらめた方がいいかと、ここは吉原桃源郷、地上とは違う法を持った一つの国。ここの掟に従わなければもう地上へ帰れませ
「 トンッ!」かはっ!」バタッ
俺はこの姉ちゃんのうしろを取り気絶させた。悪いね。分かってんだよ、振袖の下に得物隠してんのはよ。てめーらとは場数がちげえ。
ピィーピィー
さて逃げるとすっかねえ。
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