歌集「春雪花」
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わが恋は
侘したりける
月草の
淋しき露に
咲き出ずるかな
私の恋は…道端に生え忍ぶ露草のように侘しいもの…。
冴える蒼き花の如く、私の彼への想いは鮮やかに色付いているのに…全く顧みられることもない…。
ふと見た露草には朝露が光っている…。
あぁ…彼をこんなに恋しく想う心は、その露の内に咲くことだろう…。
いずれ日が昇り…消えてゆく朝露の中に…。
愛おしく
待ちにし今日も
絶え果てて
わが身侘しき
葉月の夕暮れ
彼を愛しく想い待っていても、一日…また一日と今日と言う日が無くなってゆくだけ…。
ありようもない奇蹟を願うほど愚かなことはないと言うのに…私はいつまでも待っているのだ…。
なんの支えもなく…ただ淋しさを抱えて見る八月の夕陽は、本当に虚しくなってしまう…。
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