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転生とらぶる

作者:青竹
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マブラヴ
  1052話

 部屋で緑茶を飲みながら、これぞ京都のお菓子ってことで生八つ橋を食べていた俺達。
 生八つ橋は中の餡が苺ジャムだったりチョコレートだったり、生クリームだったりといったものがあったが、個人的には基本の餡子が一番好きだ。
 折角京都に来たんだし、ホワイトスターに帰る前に生八つ橋をなるべく纏めて買っていきたい。
 そんな風に考えていると、部屋の外から声が掛けられる。

「アクセル代表、失礼致します。昼食の用意が調いました」

 襖だけに、ノックとかは出来ないんだろう。

「分かった、ちょっと待ってくれ。……準備は?」
「私の方は問題ありませんわ」
「こっちも同じく。私はあやかと違って護衛だから、動きやすい格好でいればいいだけだしね」

 そう告げる円だが、ここがギアス世界やSEED世界、マクロス世界であれば安心出来るのだが、ここはネギま世界。即ち人型機動兵器の代わりに生身の戦いが発展してきた世界。
 その中でも関西呪術協会は神鳴流とも手を組んでいるのを考えると、生身で戦うとなれば非常に厄介な相手だ。
 それこそ、魔法界で拳闘士として活躍していた――過去形なのはシャドウミラーに就職したのを機に引退した為―― 円であっても、敵対すれば手こずるだろう。
 特に詠春はラカンと同レベルの強さを持っているし……いや、いたし、か。
 ラカンは魔法界にいる間も鍛え続けていたみたいだが、詠春の場合は関西呪術協会の長という立場から鍛えるというのがどうしても二の次になっていたのはしょうがない。
 実際、それが原因で修学旅行の時にはフェイトにしてやられた訳だし。
 午前中に会った時の感触で考えれば、あの時よりは強くなっているが、俺がネギま世界で戦ったラカンと比べると数段落ちるといったところか。
 まぁ、今の関西呪術協会の状況で俺達に喧嘩を売るとは思えないから余計な心配かもしれないが、時々妙に突っ走る奴とかが出てくるし、警戒するに越した事はない。

「神楽坂の方は……そっちも準備はいいようだな」
「まぁ、準備って言ったって何か必要な訳でもないしね。動きやすい格好に着替えただけだし」

 そう告げる神楽坂は、その言葉通りに動きやすい格好をしている。……そう、長いスカートを履いて足に引っかけたりしないように、膝上15cm程のミニスカートを履いていた。
 いやまぁ、確かにミニスカートなら動きやすいかもしれないが、それならズボンとかでもいいような気がする。
 白く、女らしい柔らかさを想像出来るような肉感的な太股。こう言ってはなんだが、目の毒でしかない。
 男であれば、嫌でもそこに目を吸い寄せられるのは当然であり……

「アクセル君。そんなにアスナの太股が気になるのかしら?」

 俺の横で笑みを浮かべつつも、目は全く笑っていないという円にもその辺を是非理解して欲しいと思うのは間違っているだろうか。

「アスナさん、ここは京都ですのよ? つまり椅子の類ではなく畳に座って食事をする事になります。それを考えると、その服装はTPOに適していないのではありませんか? それとも、アクセル君を誘惑するつもりでもおありですか?」
「べっ、別にそんなつもりはないわよ! ただ動きやすいからってだけで……アクセルも、変な目で見ない!」

 改めてあやかに指摘されるとはずかしくなったのだろう。神楽坂は頬を薄らと赤く染めて俺に向かってそう告げてきた。
 それでも結局はそのミニスカートのまま、食事へと向かう事になる。





「ようこそいらっしゃいました。精一杯のおもてなしをさせて貰いますので、楽しんで貰えると嬉しいです」

 食事の用意された部屋へと到着すると、そこにいたのは詠春を始めとして、関西呪術協会の幹部と思しき者達。
 老若男女合わせて10人程だろうか。それぞれが御膳の用意された場所へと座っている。
 近衛と桜咲の姿もあるが、近衛はともかく本来は護衛でしかない桜咲は微妙に居心地が悪そうな表情を浮かべていた。
 その中を代表して声を掛けてきた詠春に促され、俺達も自分の席に座る。
 詠春の言葉通り、用意された料理は京都と言えばこれ、という風にイメージ出来るものだった。
 汲み上げ湯葉にハモの湯引き、京野菜の天ぷら、握り寿司といった料理が並んでいる。
 牛肉のタタキのようなものもあるが……京都と言えば肉を使った料理はあまりイメージにはない感じなんだが……
 そんな風に考えながら席に着くと、俺の隣に座ったあやかがそっと耳打ちする。

「京都牛を使ったお料理ですわ」

 一瞬の戸惑いだけで俺の疑問を見て取ったのは、この手の席や食事に慣れているあやかだからこそだろう。
 もっとも、雪広財閥とかだと基本洋風ってイメージがあるんだが。
 給仕役なのだろう巫女が、コップを俺の方へと手渡す。
 一瞬酒かと思ったが、匂いを嗅ぐ限りでは冷たいウーロン茶らしい。近衛か桜咲辺りから話が通ったのか?
 いやまぁ、こっちとしては嬉しい限りだが。
 まさかこの場で俺が酒を飲んだりする訳にもいかないのだから。
 もしそんな真似をすれば……さて、どんな事になるのやら。
 それでもシステムXNがない以上はマクロス世界に転移した時のようにはならない……そう思ったが、よく考えれば空間倉庫の中にはオリジナルのシステムXNが内蔵されているニーズヘッグがあるんだよな。そうなると全く安心出来る事でもない、か。
 そんな風に考えていると、全員に飲み物が行き渡ったのだろう。関西呪術協会の長でもある詠春がコップを手に声を上げる。

「では、シャドウミラーと私達関西呪術協会のよりよい友好を期待して……乾杯!」
『乾杯!』

 詠春の言葉に全員がコップを掲げて言葉を合わせ、昼食が開始される。
 京風料理らしく出汁や素材の味を活かした料理であり、俺の好みにも合っていた。
 梅肉を使ったタレに付けたハモの湯引きとかは非常に美味い。
 京野菜を使った煮物の類も、京風らしい柔らかで上品な味であり、それでいながらきっちりと味が染みこんでいる。
 牛肉のタタキや天ぷらといったガッツリした料理に関してもどれも美味であり、何故か8月だというのにタケノコの炊き込みご飯が出てきた時にはさすがに驚いた。
 タケノコの旬は春だと思うんだが……そう思って尋ねると、ハウス栽培とかそういうのではなく、季節外れのタケノコを掘り出してきたらしい。
 これがもう2ヶ月くらい後であれば、松茸とかも食べる事が出来たんだろうが。
 ちなみにこの松茸。日本では非常に高価なキノコとして知られているが、実はそう思っているのは世界中で日本だけだったりする。
 外国では松茸の香りは臭いという事で、下手をすれば食べずに捨てられている国もあるとか。
 日本の食生活に慣れている身としては、実に勿体ない。
 出来ればそういう国に行って捨てるのを俺が貰ってきたいとすら思う。
 松茸自体の味は変わらなく、このネギま世界でも外国産の松茸が安いのは輸送の時間が香りが飛ぶから……という理由らしい。
 つまり空間倉庫という手段を持っている俺であれば、その松茸を軒並み収穫して、時間の流れの存在しない空間倉庫に収納。最高の状態のままで松茸を大量入手出来る可能性がある訳だ。
 まぁ、そういう風にして松茸を大量にネギま世界の日本市場に流したりすれば混乱が起きるかもしれないけど、俺の場合は自分で食う用だからな。
 ……唯一にして最大の難点は、日本人以外には松茸の香りは臭いと感じられる点だろう。
 レモン、コーネリア、マリュー、スレイ、シェリルにしてみれば、松茸はとても美味そうなキノコには思えない筈だ。
 四葉辺りに美味い調理法を教えて貰って料理をして貰うというのもいいだろう。
 簡単に思いつくところでは炭火焼き、土瓶蒸し、炊き込みご飯、天ぷら、フライ。
 そんな風に、未だ見ぬ松茸に思いを寄せながら京風料理を食べていく。
 いや、この料理も普通に美味いんだけどな。

「そう言えば……」

 昼食を食べながら、部屋に案内される前に詠春と共にいた天ヶ崎を思い出す。
 小太郎は何だかんだとあっさり麻帆良に受け入れられて、天ヶ崎も関西呪術協会が麻帆良に置いて行かれないようにと魔法使い憎しから考えを変えた。
 更に言えばフェイトにいたっては既にシャドウミラーの一員だ。
 だとすれば、京都で戦った天ヶ崎一味の最後の一人、月詠はどうなったんだ?
 魔法界の戦いで捕らえて、最終的には関西呪術協会に送り返されたとかいう話を聞いたが……もしも天ヶ崎みたいに採用されたとしたら、こっちに一言あってもいいと思うんだが。
 もっとも、あの戦闘狂の月詠だ。関西呪術協会にしても手に負えないという可能性も十分に考えられる。

「アクセル代表、どうしました?」

 月詠の事を考えながら食事をしていると、不意に掛けられる声。
 そちらの方へと視線を向けると、そこには詠春の姿があった。

「いや、天ヶ崎が関西呪術協会に参加というか復帰したとなると、月詠はどうしたのかと思ってな」
「……ああ、彼女ですか……」

 その名前を出した瞬間、詠春の表情に浮かんだのは苦い色。
 この様子だと、やっぱり関西呪術協会に復帰したって感じではなさそうだ。

「彼女はこっちに戻ってきてからも酷く暴れましてね。私としても不本意だったのですが、力の封印処置を施して監視対象に入っています」

 まぁ、力に魅せられた戦闘狂だと考えれば、肝心要のその力を使えないようにするというのがベストなのは事実だ。
 月詠にしてみれば、まさに生き甲斐を奪われたような気持ちだろう。

「彼女の力に……より正確には戦闘に対する欲求は、酷く深いものでした。生半可な処置では寧ろ彼女の為にならないと思い……今では普通の女性よりも低い能力しか持っていません。気は勿論、魔力に関しても使えないようにしています」
「……なるほど」
「ただ……」

 話を切り上げようとした俺に対し、詠春は言葉を続ける。

「今は大学に通っているのですが、それなりに今の生活を楽しんでいるようでもありますよ。報告によれば教育学部に進んだとか」

 ぶふっ。
 それを聞いた俺が、思わず口の中に含んでいた千枚漬けを噴き出しそうになったのは、ある意味当然だった筈だ。
 現に、月詠がどういう人物なのかを知っている神楽坂までもが噴き出していたのだから。
 あやかや円、桜咲といった面々は何とか噴き出すのを防いでいたが、それでも小さく咽せて近くにあるお茶へと手を伸ばしている。
 ……こうして見ると、神楽坂が色々な意味で悲惨というか、残念というか……女として不幸な出来事だったと言うべきか。
 俺もまたお茶に手を伸ばして落ち着いてから、改めて詠春の方へと視線を向ける。

「教育学部とか聞こえたんだが……それは何かの比喩だったり、暗号だったりするのか?」
「いえ、正真正銘教師になる為の教育学部です」
「……何でまたそんな事に? どう考えても月詠には合わないだろ」

 これがまだ運動学科とかであれば、話は分からないでもない。
 何しろ、神鳴流を使いこなしていた月詠だ。今は気を封じられているとしても、身体を動かす事は嫌いではないのだろうから。
 だが……それが、教育学科? 何だってそんな話になったんだ? いや……

「もしかして、自分と同じような戦闘狂を生み出す為の教師とか……じゃないよな?」
「さすがにそれはありませんよ。一応こちらでも監視はしていますし。報告によれば、毎日勉学に励んでいるらしいですよ」
「……本当に何があった?」

 そう呟いた時、この場にいる他の関西呪術協会の幹部と思しき者が俺に同意するように頷いているのに気が付く。
 どうやら向こうにしてみても、今の月詠の様子は全くの予想外な存在らしい。
 いやまぁ、教育学部……つまり教師を目指している月詠とか、だれがそんなのを予想出来たかと言われれば、その通りなんだよな。

「まぁ、彼女にもきっと何か思うところがあったのでしょう。何だかんだと、天ヶ崎君の仲間達が皆更正してくれたようで、私としても嬉しいですよ」

 笑みを浮かべて頷く詠春。
 それはそうだろう。天ヶ崎は関西呪術協会に復帰、小太郎は麻帆良で学生をしており、月詠は教師を目指して大学生活満喫中。正確には天ヶ崎一派という訳ではなかったが、フェイトにしても現在は火星でテラフォーミング作業の真っ最中だ。
 更正という意味では、これ以上ない程に更正しているのは間違いない。
 それも、何も後ろ暗いところのない立派な更正だ。
 ……本当に何がどうしてこんな結果になったのやら。
 いやまぁ、月詠以外に関しては理解しているんだけどな。
 やっぱり最終的に疑問を覚えるのはそこな訳で。
 もっとも、これに関してはあくまでも関西呪術協会の問題だ。俺達シャドウミラーが関わるべき事じゃないのも事実。
 俺達に攻撃を仕掛けてくるような事があれば話は別だが……そんな展開は今のところないしな。
 月詠に関しての話で思い切り意表を突かれたが、その後は和やかに京料理を味わい、十分満足出来る昼食を楽しむのだった。 
 

 
後書き
アクセル・アルマー
LV:42
PP:350
格闘:301
射撃:321
技量:311
防御:311
回避:341
命中:361
SP:1402
エースボーナス:SPブースト(SPを消費してスライムの性能をアップする)
成長タイプ:万能・特殊
空:S
陸:S
海:S
宇:S
精神:加速 消費SP4
   努力 消費SP8
   集中 消費SP16
   直撃 消費SP30
   覚醒 消費SP32
   愛  消費SP48

スキル:EXPアップ
    SPブースト(SPアップLv.9&SP回復&集中力)
    念動力 LV.10
    アタッカー
    ガンファイト LV.9
    インファイト LV.9
    気力限界突破
    魔法(炎)
    魔法(影)
    魔法(召喚)
    闇の魔法
    混沌精霊
    ???
    ???

撃墜数:1179 
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