原作に介入=生 不介入=死 何だ!この世界は!
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40話
最早恒例となった。高町家での夕食を終えてソファーで寛いでいるユウにヴィヴィオが寄ってくる。
「ねぇユウ!今度のオフトレ旅行の話何だけど!」
「旅行……ああ、ルーテシアのところでやるあれか、もうそんな時期か…」
ヴィヴィオが言っているのは今回で二回目となるアルピーノ親子の住む無人世界、カルナージで行われるオフトレーニングのことである。
「今年はリオやコロナも一緒に行くんだ!」
コロナ二回目、リオは初参加となる。
「そりゃよかった。頑張れよ」
「他人事!?。ユウも行くんだよ!」
「………………………………………え?」
目を点にして初めて知ったという顔をするユウ。
「その顔腹立つよ!」
「なん………だと!」
今度は驚愕した顔で対応する。背後に衝撃の稲妻が幻視できる。
「もういいよ!」
漫才をやっている二人のもとに剣が現れる。
「何だが楽しそうだね。だけどあんまりヴィヴィオをいじめちゃだめだよ」
「苛めるとは人聞きが悪い。ちょっとからかっただけだ」
「むぅぅ!」
ヴィヴィオはポカポカとパンチを繰り出すがユウにダメージはない。こうしてヴィヴィオをからかっているが、ユウはちゃんとオフトレに参加できるように予定を開けていた。
今年のDSAAに向けたトレーニングが本気でできる数少ない機会であるオフトレ旅行はユウにとっても参加しておきたい行事なのである。
そんなことを知らないヴィヴィオは。
「パパぁ。ユウがぁ」
「大丈夫だよヴィヴィオ。そもそもユウに行かないという選択肢は与えられてないから」
ヴィヴィオの頭を撫でていた剣の口から聞き捨てならない発言が飛び出す。
「俺の選択の自由は?」
参加するつもりではあったが今の発言は聞き捨てならなかった。
「ヴィヴィオが関わった件に対しては基本的に無いね」
断言したよ。この親バカ。
「なのは達が逃がさないだろうし、そのときは僕も全力で君を捕縛するつもりだから、逃げようとしても無駄だよ」
「…………」
何度も言うようだがユウは参加するつもりだった。ヴィヴィオをからかった代償に知りたくない現実を知り、なんとも言えない気持ちになったユウであった。
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オフトレ旅行当日、ユウはアルピーノ家でルーテシアと共にメガーヌの作った朝食を食べていた。
「ごちそうさまです」
「はい、お粗末さま。やっぱり男の子がいるとたくさん食べてくれるから作りがいがあるわ」
「本当に良く食べるね。私の3倍近く食べてるよね?太らないのが羨ましい」
かなりの量を食べるユウにメガーヌは喜び。ルーテシアは感心し嫉妬する。
「近接戦闘が主な人間は運動量が違うから食べないと持たないんだ。特に俺は魔力を使わない戦闘法が多いからな」
改造により馬鹿げた身体能力を持つユウは身体強化魔法をほとんど使わない。その代わりにカロリーを消費するので人より更に食べる必要がある。
「ふ~ん」
「さてと、俺は森に居ますので何かあったら念話してください」
「わかったわ。行ってらっしゃい」
メガーヌに挨拶をして森に入ったユウは平らな岩の上に座り精神統一を行っていた。そこにものすごいスピードで突っ込んくる人物がいた。ユウは瞬時に立ち上がり、鉄塊で襲撃者の獲物、槍を受け止める。数メートル吹き飛ばされてしまうがすぐに空中で体勢を立て直したのでダメージはない。
「よっと。腕を上げたなエリオ」
「毎日鍛えてますからね。ユウさんに教えてもらったトレーニングも続けてます」
「これは鉄塊 剛を使わないとお前の攻撃を防げなくなる日も近そうだな」
襲撃者エリオ・モンディエルを見てユウは笑う。
最強の鉄塊、鉄塊 剛。鉄塊を全力で使った状態のことで防御力は通常の鉄塊を大きく上回る。その代わり部分鉄塊のように一部のみにかけることが出来ずに使っている間、身体は1ミリも動かせない。
「いつかその鉄塊 剛も完璧に破って見せます!」
「その意気だ。それはさておき久しぶりだなエリオ。キャロはどうした?」
「ここにいま~す」
キャロが少し遠くから走って近づいてくる。フリードもその後ろを飛んでいる。
「ふぅ、酷いエリオ君!行きなり加速魔法で私を置いて行っちゃっうんだがら!」
私は怒ってますという態度で腰に手を当てるキャロ。
「ごめんキャロ。ユウさんに不意打ちをしようと思ったらあの距離から一気に行かないと気づかれちゃうから、今度はちゃんと前もって伝えるよ」
「約束するなら許してあげます。ユウさんお久しぶりです」
「ああ、久しぶりだ。キャロ、フリードもな」
「キュクー」
キャロにも挨拶をし、フリードは撫でてやる。
「そういえばユウさん。来るのが早いですね。僕達が一番だと思ってましたよ」
「ルーテシアとその共犯の策略で昨日からここにいるからな」
「え、昨日からですか」
「あはは、ルーちゃん」
エリオは驚愕し、キャロ苦笑する。
高等科は試験期間が長い代わりに初等科より一日早く休みに入り、休みの期間も一日長いのだ。その1日でユウはゆっくり休むつもりだった。そうなユウの元にガリューが封筒入りの手紙を持ってきたのだ。内容は
〈ユウがヴィヴィオ逹より早く休みに入ることをある人から聞いた私は思いました。早く休みに入ったのなら早く来てもらえばいいと。そこでガリューに今日の分の次元移動艦のチケットを持たせて送ります。待ってるので来てね!
追伸 明日のユウの分のチケットは○○さんに頼んでキャンセルしてもらっているので明日くるなら自腹になるのでご注意ください〉
こうしてユウは重いため息をついた後、既に用意してあった荷物を持ち、封筒に入っていたチケットを使ってヴィヴィオ達より早く来たのだった。
「「………」」
「無言にならないでくれ。ルーテシアは制裁しといたからもう気にしてない」
因みに制裁の内容はアイアンクローでルーテシアの頭を5分間に渡って絞め続けるといった内容である。
「ヴィヴィオ逹が来るの10時だから……まだ二時間くらいあるな。俺はもう少しここでトレーニングするけど、二人はどうする?」
「僕も一緒にトレーニングします!」
「私はルーちゃんのところに行きます。何かお手伝いすることがあるかもしれないので」
「了解だ。何かあったら念話で呼んでくれ。エリオ行くぞ」
それから一時間程エリオと軽いトレーニングをしてからロッジ戻り、メガーヌに頼まれた薪割りと薪運びを終えたところでヴィヴィオ逹が到着したとの連絡が入る。
エリオとキャロと共にロッジの前に行くとヴィヴィオ逹がいる。
「ユウ!先に行くなんてずるいよ!」
「文句は俺じゃなくてルーテシアに言え。俺は嵌められただけだ」
「なら言わない」
ルーテシアに文句は言わないらしい。
「なぁエリオ。俺はこの理不尽に対して怒っていいよな?」
「えぇっと止めておいたほうがいいと思いますよ後が恐いですし。そっそれより早く荷物を部屋に運びましょう。ルー、僕は何処の部屋?」
エリオは話題変更を試みる。
「キャロやフェイトさん同じ部屋を用意しといたよ!」
「え!?」
哀れ、必死で話題を変えたエリオに告げられるのは衝撃の事実。
「ルー!男女の相部屋はだめだよ!」
「六課時代はキャロと一緒の部屋だったし大丈夫でしょ?それにここでは私がルールです」
ニコニコ顔で告げられるエリオへの宣告。
「…………」
固まるエリオだったが哀れな少年を神は見捨ててなかった。
「安心しろエリオ。お前の部屋は俺が用意して置いた」
「ユっユウさん!」
ユウは哀れな少年の肩に手を置いて慈愛に満ちた笑顔で救いの手を差し出す。
「ルーテシアにばれない様に用意したから悪いけど俺と相部屋だ」
ユウの泊まっている部屋は広いがベッドが一つしかない。ユウはこの事態を予想して朝のうちに部屋にベッドを運び込んでいたのだ。
「いえ!ぜんぜん構いません。寧ろありがたいです!」
ユウを崇める勢いで感謝するエリオであった。
「ちょっと勝手な部屋割りの変更は認めないよ!ここでは私がルールなんだよ」
「そんなルールはねじ伏せさせてもらった。ロッジ最高権力者のメガーヌさんに許可もらっている」
「…ママ!」
ルーテシアがメガーヌに批難の目を向けるが笑顔で手を振られるだけだった。
「あんまりからかってやるな。エリオは俺と違って純真な少年なんだから」
「……わかった」
ユウに頭を撫でられ言い聞かせるように言われて了承したルーテシアであった。その時、顔がうっすら赤くなっているのに気づいたのは隣いたエリオのみである。
「さてっと荷物置いてとっととオフトレ開始だ」
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午前は六課メンバーはトレーニング。ヴィヴィオ逹+付き添いのノーヴェは川に泳ぎ向かった。ユウは六課メンバーに混ざってトレーニングに参加した。
「何やってんだお前ら?」
午前のトレーニングを終えてロッジで昼御飯作りを手伝っていると腕をプルプルと震えさせているヴィヴィオとアインハルトが戻ってきた。
「ああ、あの二人は…」
ルーテシアによると川で水切りの練習をずっとやっていたそうだ。
「限度を超えた結果がこれか……しゃーないな二人ともこっちこい」
「はぁぁい」
「なん…でしょうユウ…さん」
二人を呼び寄せたユウはノッキングガンを取り出し二人をノッキングする。
「あ!」「え?」
二人の腕の震えが止まる。
「身体を刺激して回復を促した。これで少しは楽になるだろう」
「ありがとうユウ!」
「ご迷惑おかけします」
「1~2時間はしっかり腕を休めろよ。下手すると明日に響くぞ」
昼御飯を食べ終えると六課メンバーは訓練を再開し、ヴィヴィオ逹は自由時間となる。
リオとコロナはルーテシアに連れられてアルピーノ家の書庫に行き、ヴィヴィオとアインハルトは散歩をしていた。今は全員が合流しノーヴェに誘われた六課メンバーの訓練見学に来ている。そして現在アインハルトがなのはやフェイト、剣の職業を知って驚愕したところである。
行なわれている訓練も魔法戦からフィジカルなトレーニングまで様々だが、どれも実戦を想定した過酷なものばがりである。
「局の方々はここまで鍛えられているのですか?」
「頻度の差はあれど命に関わる仕事だからな。実力が足りなきゃ救えないし、自分の命も守らなきゃらない」
犯人を捕まえるにしても救助者を助けるにしても命の関わる仕事に妥協は許されない。命は1か0しかないのだから。
「成る程………ところでノーヴェさん?」
ノーヴェの説明を聞いて納得したアインハルトだったがここである疑問を浮かぶ。
「何だ?」
「あの……ユウさんも将来は管理局員を目指しているのですか?」
「あたしの知っている限りは違うな」
「そうですか」
アインハルトは少し沈黙した後、先ほどより思っていた疑問をノーヴェにぶつける。
「……でしたらどうしてユウさんのトレーニングが一番過酷そうなのですか?」
そこいたメンバーの視線がトレーニングに参加しているユウに集まる。
ユウのトレーニングは内容はそのほとんどが体力強化もので、なのはやティアナの魔力弾を重りつきで避けたり、スバル逹のトレーニングに参加して倍のセット数をこなしたりするなど一番過酷な内容であった。
「気にすんな」
「「「ええ!?」」
この答えにアインハルトのみではなくコロナとリオも驚く。ヴィヴィオとルーテシアは動じていない。
「でも「気にするなそれが一番楽だ……気にしてたら疲れるぞ」
「「「………はい」」」
遠い目をしたノーヴェの様子から三人は考えないほうが良いと悟り見学に集中することにした。
皆が集中してトレーニングを見るなか、我慢できなくなったのかヴィヴィオはアインハルトを誘って抜け出そうと動き出す。
「二人とも運動するならほどほどにな」
しかし、ノーヴェには見抜かれていたのだった。
「「………はい」」
抜け出した二人はノーヴェが呼びにくるまで練習をしていたのだった。
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今は風呂の時間。ユウはエリオと共に風呂に浸かっている。(剣は明日のチーム割りをなのは、フェイトと話し合っている)
「染みるなぁぁ」
「あはは、ユウさん溶けてますね」
ユウは風呂に癒されて骨抜きにされていた。
「合宿の楽しみの一つだからな。限界一歩手前まで存分に堪能するぞぉ」
ルーテシアも今はヴィヴィオ達と女湯に入っているので気がねなく満喫できる。
「僕もお供します」
二人が風呂を存分に堪能していると何やら女湯の方向が騒がしくなってくる。
「何かあったようだな」
「ルーが何かした……わけではなさそうですね。ユウさんここにいますし」
「何故俺を見る?」
「いえ、ルーが悪戯するのはほとんどユウさんに対してですから」
ルーテシアの悪戯の被害者は8割ユウである(残り2割はキャロとエリオ)
「……否定できん。じゃあ原因はいったい」
「あっ何か打ち上がりましたよ」
女湯の辺りで人型の何か打ち上がり、そのまま男湯のほうに飛んでくる。
「あれはセインだな」
「そうですね」
セインはそのまま、ユウ逹の近くに落ちると予想されるが二人は受け止めようとはしなかった。それどころか。
「避けよう」「はい」
すすすーっと効果音がつきそうな動きで落下予想地点より距離を取る。
セインはそのまま、誰にも受け止めてもらえずに男湯に着水する。
「「………」」
無言で気泡を眺めていると
「プハぁ!ヒドイよ二人とも!受け止めてくれても良いじゃないか!」
セインは文句を言うがユウはあっさり切り捨てる。
「どうせ、女湯で悪戯したあげく調子に乗ってやり過ぎて誰かにぶっ飛ばされたんだろ?」
「うっ!?……………その通りです」
「エリオ裁判長。判決を」
「えっと有罪ですね。ちゃんと謝って来てくださいね。ユウさんお願いします」
「あいよ」
ユウはセインの腕を掴む。
「へ?」
「さっそく謝って……来い!」
そのままセインを女湯に向かって投げる。
「えぇぇぇぇぇ!責めて反論させて欲しかったぁぁぁ」
〈ティアナ、そっちに有罪犯を投げ返したから。同情の余地ありと誰か一人でも思ったら受け止めてやって〉
〈わかったわ〉
「さて、サウナに行くか」
「はい」
二人はサウナに入っていった。後ろで着水音がしていたが気にしはしない。二人は風呂を心置きなく満喫したのだった。
因みにセインは得意の料理を皆に振る舞うことで謝罪した。
合宿初日が終了
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