歌集「春雪花」
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眺めたる
月も行きずり
流し夜の
想いぞ降りて
君ぞ恋しき
ふと見上げた月は、今宵だけのもの…。常に形を変えては、淡く大地を照らすだけ…。
そんな月を眺め、私は一人淋しく夜を遣り過ごすが…彼への想いは今も募るばかりで、恋しくてしかたなくなるのだ…。
言えぬまま
内に秘めたる
恋心
想い想いて
弱りもぞする
誰にも打ち明けることの出来ないこの想い…心に秘めたまま生きてゆくのは辛い…。
この恋は叶わぬと知りつつも、どうしても諦めることも出来ず…もはや告げてしまおうか…と思ってしまう程に弱ってしまった…。
私が女性であったなら…良かったのだろうか?
いや…たとえ女性であったとしても、叶わぬ恋だったに違いない…。
いつも…そうなのだから…。
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