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ハルマゲドンだ

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第五章

 サタンは法皇の言葉を受け入れた、そして。
 ミカエルもだ、法皇に答えた。
「受け入れてやろう」
「有り難うございます」
「では場所はコロセウムだ」
 ミカエルは自分から場所を言った。
「あそこだ」
「では」
「そこまで言うのならな」
 ミカエルは法皇に言った。
「受ける」
「それでお願いします」
「ではサタンよ」
 ミカエルはサタンに顔を向け彼を見据えつつ言った。
「コロセウムに行くぞ」
「うむ」
 サタンもミカエルに確かな声で応えた。
「そこでな」
「ハルマゲドンだ」
「我が悪魔の力を見せてやる」
「天使の力を甘く見るな」
 二人は法皇の前で火花を散らした、だが。
 法皇に約束をした、天使も悪魔も契約という概念には非常に五月蝿いのでコロセウムで戦うことにした。そしてだった。
 悪魔と天使はコロセウムに集結した、それを見てだった。
 世界の人々はまずは胸を撫で下ろして話した。
「いや、よかったよ」
「全世界での戦いにならなくて」
「悪魔と天使の軍勢が激突してな」
「私達が巻き込まれなくて」
「本当によかったよ」
「助かったのね、私達」
 特にキリスト教以外の宗教の信者の人達が喜んだ。
「キリスト教はキリスト教」
「他の宗教に迷惑かけないで欲しいし」
「いや、コロセウムで戦ってくれるのなら」
「そこでやってくれるのならいいし」
「好きなだけやって欲しいわ」
「天使と悪魔だけでね」
 こう言ってだ、かえってだった。
 コロセウムでのハルマゲドンがどうなるのかを気にしだした、それで今度はこんなことを話しはじめたのだった。
「コロセウムでの悪魔と天使の戦いか」
「一体どうなるんだ?」
「ラストバトルはサタンとミカエルの一騎打ちらしいけれど」
「七人の天使も出るらしいし」
「魔王達も上級天使達も勢揃い」
「それに四匹の獣も出て来る」
 黙示録そのままにというのだ。
「アバドンも出るんだな」
「二億の騎兵も出るんだろ?」
「四人の騎士もだろ」
 赤や青のだ、完全に黙示録だ。
「蝗も出て」
「どんな戦いになるんだ?」
「果たしてな」
「一体どんな戦いになるのか」
「観たいな」
「是非ね」
 世界の人達はハルマゲドンを観ることを楽しみにしだしていた、それでだ。
 法皇にだ、今度はこんな要望が殺到した。
「ハルマゲドン観させて下さい」
「コロセウムでの戦い実況して下さい」
「テレビで放送してくれませんか?」
「ネットで観たいんですけれど」
「是非お願いします」
「観戦させて下さい」
 是非観たいというものだった、その要望があまりにも多くてだ。
 法皇は側近達にだ、難しい顔で尋ねた。 
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