東方喪戦苦~堕罪編~
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~新一幕~最恐の証拠
「そこまで案内を頼む、鬼隆」
鬼「いや、俺は別の仕事があるんだ」
首を振って、肩をすくめる。
「と言うと?」
鬼「白夜の部下を一名派遣した、そろそろ到着するはずだ」
そう言い終えると、鬼隆は踵を返し、森の方へと去っていった。
鬼隆が森へ去っていって間も無く、鬼隆が去っていった方から人影が見えた。
「君か?」
大きな声でそう言いながら迎えにいく。
その人影は、すぐに男性と分かり、スーツを着ていた。
?「それはコッチのセリフなんだが····まぁいいやめんどくせぇ」
そう言って、後頭部に手を回す。
「君がエイジスの?」
「あぁそうだ。元最高幹部、新月狂夜の後輩。三日月 劉備だ」
この劉備と言う男性。見た目は俺より歳上の黒髪、狂夜兄さんの後輩と言うだけあって、ただならぬプレッシャーを感じた。
劉「挨拶はこれだけでいい、さっさと行くぞモタモタするんじゃねぇぞ?」
突き放す様な言い方で言い放ち、森の方へ戻って行った。
「あっ!おい!待てよ!」
さっきの言葉で呆気に取られた俺は、そそくさと進んでいく劉備の後ろ姿を追いかけた。
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森を抜け、人気のない山に辿り着いた。
ここは、オーダーの本拠地が有った場所だったが、今は瓦礫などが散乱しているだけの場所と化してしまった
そこにはかなりの人数のエイジスの捜査官達が、瓦礫を掘り起こして、五年経った今でも捜査は続いている。
「ここに何か用事が?」
俺が聞いても、劉備は答えなかった。
程なくして、劉備が口を開き、衝撃の事実を発した。
劉「·········未だに葉川 裕海の遺体が発見されていない」
俺はその言葉に耳を疑った。
確かにあの時、裕海の息の根を止めたと思っていた。
「まだ見つかっていないだけじゃないのか?階層がまだ浅いとか···」
劉「こんな大規模な人数が五年も探して続けて、まだ階層が浅いだ?まだ見つかっていないだ?バカにするのもいい加減にしろ」
劉備はこちらを睨み付けてくる。
それもそうだ、だが、一つ心に蟠りが残った。
奴を斬り、完全に動かなくなった後、程無く建物は崩落した。
ならどうやって生き延びた?奴と戦った階層は最下層。あの深手を負った中で、どうやって脱出した?
「···協力者か!?」
劉備にそう聞くと、劉備は待ってましたとばかりに答えた。
劉「それをお前に聞きたくてここに来た」
「な、オーダーの残党の話は嘘か!?」
劉「あぁ、嘘だ。で?葉川 裕海に協力しそうな奴に心当たりは?」
「ねぇよ、あったらとっくに消してる」
そんな時だった。
瓦礫の方から、数人の悲鳴が聞こえた。
劉「何があった!」
劉備はすぐに、悲鳴の方に向いて部下に問いただした。
「何者かが侵入しました!恐らく」
そう言った瞬間、彼の頭が鮮血を撒き散らしながら、吹き飛んだ。
俺は、この光景を目にした瞬間、心の底から嫌悪感を抱いた。
「この飲み込まれそうになる感覚····似ている」
劉「何が起こっていやがる!」
その場にいたエイジスの捜査官達は、パニック状態に陥っていた。
劉備も、今の惨事を飲み込めていない。
?「よぉ、驚きだな。こんなにお前も成長しているなんてな」
瓦礫の中の煙幕の中から“ある男”が出てきた。
「生きてたのか·····」
?「俺は生きているぞ?」
「裕海ィィィィィィィィ!」
「骸ォォォォォォォォォォォォォォォォ!」
To be continudー
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