オズのカエルマン
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第五幕その十
一行はルーン村を後にしました、そしてその出口で。
見送りに来た王様がです、皆にこうも言いました。
「次に来た時。君達は持っていなかったが」
「はい、先の尖ったものはですね」
「それはですね」
「この村に持ち込まない」
「そうですね」
「我々は刺されたら」
若しそうなったらというのです。
「破裂してしまうからね」
「そうですね、だからですね」
「針とか槍とかみたいなのは」
「この村には持ち込まない」
「絶対にですね」
「この村の法律でね」
それこそというのです。
「定められているから」
「はい、気をつけます」
「ここにまた来た時も」
「そうしたものは持って来ません」
「絶対に」
「そうしてくれ給え、若し持って来ていたら」
その時はといいますと。
「村の入口にね」
「置いておくんですね」
「それは」
「そうしてくれたらいい」
こうお話するのでした。
「いいね」
「若しくは」
ここで魔法使いも皆にお話します。
「僕の様にね」
「鞄なりの中に入れて」
また王様が五人に言います。
「絶対に出さない」
「村の中にいる時は」
「そうしないと駄目ですね」
「そうしてくれ給え」
王様は強く言いました。
「わかったね」
「はい」
五人は王様に一斉に答えました。
「そうします」
「そういうことでね、いや本当にね」
王様は浮かびつつ苦笑いで言うのでした。
「あれだけは駄目だよ」
「先の尖ったものは」
「針や槍はですか」
「ルーン族の人達にとっては」
「どうしても」
「破裂してもしなないよ」
それはないというのです。
「オズの国では誰も死なないから」
「けれどですね」
「破裂したところを戻して空気を入れなおさないといけないから」
「だからですね」
「大変だから」
「そうしたものは最初から」
「持ち込まない、出さない」
それこそというのです。
「そういうことでね」
「それが一番ですね」
「そうだよ、じゃあね」
「はい、また」
「来てくれたら嬉しいよ」
こう一時のお別れの挨拶をしてなのでした。
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