機動戦士ガンダムSEED PHOENIX
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PHASE-02 戦いを呼ぶもの
「はあああああああああ!」
「なんだ、これは!?」
インパルスが振り回すエクスカリバーにガイアが弾き飛ばされる。ガイアは弾き飛ばされながらもCIWSを撃ち、牽制しようとする。離れていくガイアに向かって、インパルスはビームライフルを撃つ。二発は空中で避けられ、三発目は着地時を狙ったがこれも避けられ、地面をえぐり取るだけに終わった。物陰からカオスがビームを撃つ、がインパルスはそれを見切り、ビームを撃ち返す。
「あれも新型か!?ガンダム…どういうことだ…あんな機体の情報は…アウル!」
ガイアが変形して接近戦を仕掛けてくる。インパルスは対艦刀を二つに分け両手に持ってガイアに斬りかかる。
「なにっ!?」
インパルスの両手がクロスに振り下ろされるも、対艦刀はガイアを切り裂くことなく空振りに終わる。その隙をついてガイアがビーム突撃砲を背中に撃ちこんだ。しかしインパルスはそのビームを機動防盾で受け止め、右手の対艦刀をブーメランのように投げつける。ガイアは機動防盾で受け止めるが、後方へ大きく弾き飛ばされてしまう。
「こいつぅ!」
ビームサーベルを構えて着地するガイア。
『シン!命令は捕獲だぞ!わかってるんだろうな!?あれは我が軍の!』
「わかってます!でもできるかどうかわかりませんよ!…大体、なんでこんなことになったんです!?」
ガイアがサーベルを構えてインパルスに突撃する。
「ええええええい!」
インパルスは一撃、二撃とそれを避け、ビーム部分でのつばぜり合いに持ち込む。その衝突で、周囲に大きなエネルギー波が発生する。
「なんだってこんな簡単に、敵に!」
『今はそんなおしゃべりしてる時じゃないでしょう!演習でもないのよ!気を引き締めなさい!』
アーモリーワン宙域のザフト艦隊司令部へ連絡をとるタリア。
『強奪部隊ならば、外に母艦がいるはずです!そちらは!?』
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「グラディスになど言われなくてもわかっている!余計な口を出すなといってやれ!」
司令部が母艦の捜索に躍起になってる頃、港へ『ダークダガーL』が二機接近していた。
「よーし、行こう!慎ましくな」
地球連合軍部隊『ファントムペイン』隊長ネオ・ロアノークは、母艦の『ガーティ・ルー』で指揮を執っていた。ガーティ・ルー、連合とDSSDの共同開発によって誕生した宇宙専用高速戦艦。陽電子砲こそ装備していないが、機体を覆い隠すミラージュコロイドが大きな特徴で、現在ザフト艦隊に発見されていないのもミラージュコロイドの恩恵だった。
「ゴットフリート、一番二番起動!」
「ミサイル発射管、一番から八番、コリントス装填!」
「ダガーL隊、カタパルトへ」
「主砲照準、左舷前方ナスカ級。発射と同時に、ミラージュコロイドを解除。機関最大!…さぁーて、ようやくちょっとはおもしろくなるぞ、諸君」
「ゴットフリート、撃てぇーっ!」
ガーティ・ルーから放たれた主砲によってナスカ級が爆散する。その近くにいたもう一隻のナスカ級も、敵がどこから撃ったのかわからずなにも行動が取れない。そうこうしてるうちにミラージュコロイドを解除したガーティ・ルーから主砲とミサイルの雨が放たれ始めた。
「パーセル、被弾!」
「フーリエにミサイル接近、数18!」
「敵艦捕捉!オレンジ21、マーク8、ブラボー!距離、2300!」
「そんな位置に!?」
「ミラージュコロイド!?」
「地球軍なのか!?」
「熱紋ライブラリ、照合。該当艦無し!」
「迎撃!艦を出せ!モビルスーツもだ!」
「ナスカ級接近、距離、1900」
「モビルスーツ発進後、回頭20!主砲照準、インディゴ、ナスカ級!あちらの砲に当たるなよ!」
カタパルトから飛び立つ2機のダガーL。
迎撃に出てきたジンやゲイツRの攻撃を避けながら宇宙滑走路に両肩の低反動砲を叩き込んでいく。さらに一機の放ったビームライフルが、ゲイツRを撃ち抜いて宙の藻屑と化した。
その頃、港に接近していたダーグダガーL二機は、発進しようとしているローラシア級を確認すると、港内部に入り込み攻撃を開始。一機は低反動砲をローラシアのブリッジに、もう一機はエンジンへ撃ちこんだ後、周りにミサイルをばらまいて全速で離脱。港内部で襲撃を受けたローラシア級は、その場で大爆発を起こして港のザフト軍をすべて吹き飛ばしたのだった。
その爆発は内部へも伝わり、いきなりの大きな振動で各MSは一時戦闘を停止してしまう。
「アスラン!」
「外からの攻撃だ。港か…?」
アスランの頭には、かつて自分たちの襲撃で崩壊してしまったヘリオポリスがありありと思い浮かんでいた。
「こいつ!」
ガイアがビームブレイドで斬りかかるも、インパルスはそれを弾く。
「くそっ!演習ではこんな…」
ガイアはMA形態のまま壁にぶつかるように止まり進路を変えることで、背後から迫っていたビームを回避する。
そのころ、アビスは未だ抵抗してくるザフト軍の掃討を続けていた。
「スティング、さっきの!」
「わかってる!お迎えの時間だろう!」
「遅れてる。バス行っちゃうぜ?」
「わかってるといったろーが!ええい…」
「大体あれなんだよ?新型は3機のはずだろ!」
カオスの目の前ではインパルスとガイアが格闘戦を繰り広げ続けていた。
「俺が知るか!」
「どーすんの!?あんなの予定にないぜ!チッ、ネオの奴!」
空中でガイアがMS形態に戻り、機動防盾でビームを受け止める。
「けど放っちゃおけないだろ!追撃されても面倒だ!」
背後から迫るシグーをカオスが撃ち落とす。
「ハッ!首でも土産にしようっての?かっこ悪いってんじゃね、そういうの!」
「ぐあああああ!」
インパルスが対艦刀を振り下ろし、ガイアがビームサーベルで受け止める。
「ぐううううう!」
「ステラ!」
その声を聞いたガイアは即座にインパルスと距離を取る。その直後インパルスの背後からアビスがカリドゥスを撃ちこむ。横に避けるインパルス。そこを狙ってカオスが上空からビームクローで襲撃するが、これも背後に飛ぶことで避ける。着地したカオスからビームが撃ちこまれるも、機動防盾でこれを受け止めるインパルス。
「ぐうううう!はっ!?」
そうして自分の方へ飛んできたインパルスに向かってガイアがビームサーベルを振るうが、しゃがむことでインパルスはこの攻撃さえも避けた。
「うえええええええ!!」
ガイアがサーベルを横に薙ぐ。これも盾で防ごうとするが、今度は弾き飛ばされてしまった。
「うああああああああああ!!」
「ああっ!」
「アスラン!?」
「捕まっていろ!」
「もらったああああああ!」
尻餅をついたインパルスにアビスが襲いかかる。
「ふうあああああああああ!!」
「なに!?」
だがアスランのザクはアビスにショルダータックルをかましてアビスを弾き飛ばし、ビームトマホークをガイアに投げつける。その間にインパルスは体勢を立て直した。
「このっ!」
アビスがザクに向かってカリドゥスを発射する。ザクは左肩のシールドで防ごうとするが、左腕ごと破壊され、爆風でハンガーの壁に叩きつけられる。
「ぐうっ!…はっ!カガリ!」
アスランに倒れてきたカガリを受け止めるアスラン。だがカガリを受け止めた手を見ると、カガリの頭部から流れ出た血がしっかりとこびりついていた。もう一発撃ちこまれたカリドゥスをジャンプで避け、ザクは戦線を離脱していく。
「クッソ!…ええい!」
追撃しようとした矢先、別のモビルスーツによって邪魔される。アビスは3連装ビーム砲をそれぞれ両肩シールド裏面から斉射し、敵を落としていく。そこにインパルスが斬りかかる。
「そんな好き勝手!」
インパルスが対艦刀を真横に振るうが、アビスは飛んで避けてしまう。そこに襲い掛かるガイア、だがインパルスは冷静にビームサーベルを盾で受け止める。
「こんのォ!!!」
「させるもんかァァァァァ!!」
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別地点のハンガーでは、レイとルナマリアのザクに降りかかったがれきの撤去作業が行われていた。
「早く!入れるだけ開けばいい!」
「レイ!」
レイのザクファントムのほうが一足早く作業完了する。レイはすぐにコクピットへ乗り込んだ。
「中の損傷はわからん!いつも通りに動けると思うなよ!無理だと思ったらすぐ下がれ!」
レイはうなづきを返し、コクピットハッチを閉める。
「どけ、ルナマリア」
レイのザクがルナマリアのザクにかかっていたがれきを取り除く。
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「誰がここの指揮を執っている!?あの三機はどうした!?状況を説明してくれ!」
「議長!」
「ここはまだ危険です!有毒ガスも発生しています。議長も早く、シェルターへお入りください!」
「そんなことができるか!事態すらまだよくわからんのに!」
「しかし…ならばせめて、ミネルバへ」
「…ええいっ!」
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「クソ、この新型!」
「カオスもガイアもアビスも!」
背後から斬りかかってくるガイアを避けるインパルス。
「こいつ、なぜ落ちない!?」
「なんでこんなことになるんだ!」
インパルスは肩部のビームブーメランをガイアに投げつける。ガイアは起動防盾で防御するも、その威力に弾き飛ばされる。そこへアビスが援護に回ってきた。
「ええい!この!」
3連装ビーム砲から合計6発のビームを撃つも、インパルスは機動防盾でそれを凌ぎ切る。しかしインパルスに当たらなかった5発は、地上のザフト軍モビルスーツを撃破していた。
「もういっちょ!!…ああっ!!」
再度攻撃を仕掛けようとしていたアビスに、レイのザクとルナのザクからビームライフルが叩き込まれる。
「アウル!?」
「この!よくも舐めた真似を!」
真紅のルナマリア機から放たれたビームを、アウルは着実に避けていく。
「スティング!キリがない!こいつだってパワーが…」
真っ白なレイ機とカオスは空中戦を繰り広げる。
「ええい!離脱するぞ!ステラ、そいつを振り切れるか!?」
「すぐに沈める!」
ビーム突撃砲を撃ちながらインパルスに接近するガイア。
「この、私を…私は!!」
一閃。サーベルと対艦刀が交叉した。
「シン!」
「離脱だ!やめろステラ!」
「私が、こんなあああああああああ!!」
「ステラ!」
通信を聞いてきたアビスがCIWSをルナマリア機に撃ちながら叫ぶ。
「じゃあお前はここで『死』ねよ!!」
「はうっ!?」
「アウル!」
「ネオには僕が言っといてやる…さよならってなァ!」
棒立ちになってしまうガイア。この機を逃さずインパルスはビームブーメランを投げつけるが、カオスが間に入って弾き飛ばす。
「死ぬ…?あっ…ああっ…」
「アウル!お前っ!!」
「止まんないじゃん、しょーがないだろォ?」
「黙れバカ!余計なことを!」
「いやあああああああああああああああああああ!!」
先ほどまでの攻勢が嘘のように全速力で離脱していくガイア。
「ちっ!」
それにカオスが続き、殿を務めるアビスが連装砲を撃ちながら離脱していく。
「結果オーライだろ?」
「逃がすか!!」
シン、レイ、ルナマリアの三人は追跡を始めるが、ルナ機の背部バーニアがここで突然爆発を起こす。
「ええっ!?」
そのまま高度を下げていくルナ機、だがシンとレイはそれにかまっている余裕もなく奪われた3機を追いかけ続ける。
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「医療チームD班は、第7ブロックへ!」
そこへアスランのザクが降りてくる。どうしようかアスランが迷っていると、気絶していたカガリが目を覚ます。
「ア…スラン」
「大丈夫か?」
「ああ…大丈夫」
「すまなかった、つい…すぐに、安全に降りられる場所を探すから」
「だけど…」
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ガーティ・ルーのゴットフリートがナスカ級を撃ち抜く。
「ナスカ級、撃沈!」
「左舷後方より、新たにゲイツ3」
「アンチビーム爆雷発射と同時に、加速20%準備。スレッジハマー、一番から四番装填。モビルスーツ、呼び戻せ!」
「彼らは?」
「まだです」
「失敗ですかね?」
ゲイツRのビームがダガーを撃破する。
「港を潰したとて、アレは軍事工廠です。長引けばこっちがもちませんよ」
「わかってるよ。だが、失敗するような連中なら、俺だってこんな作戦最初からやらせはせんしな」
ネオは立ちあがってブリッジから出ていく。
「出て時間を稼ぐ。艦のことは頼むぞ」
「ハッ!…格納庫!『エグザス』出るぞ!いいか!」
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カオスの機動ポットからのビームと、アビスが撃ってくるビームをレイとシンは確実に避けていく。
「なんてやつらだ!奪った機体でこうまで!」
「脱出されたらおしまいだ!それまでになんとしても捕える!」
「わかってるけど!!」
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「ダメです!司令部、応答ありません!」
港を潰されたとは知らないミネルバは司令部へコンタクトを取り続けていた。
「工場内でガス発生!エスガスからロナール地区まで、レベル4の退避勧告発令!」
「艦長、これ不味いですよね?もし、このまま逃げられでもしたら…」
「そんなことされてたまるもんですか」
ミネルバへルナマリア機が着艦する。また、デュランダルもミネルバに入るところだった。
「それにしても、どこの部隊かしらね?こんな大胆な作戦…」
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ガーティ・ルーからエグザスが漆黒の宇宙へと発進していく。それに気づいたジンとゲイツRのザフト軍は、手持ちの火器を撃ちこんで突如割り込んできたモビルアーマーを宙の藻屑としようとする。宇宙に広がっていたのは、人を”殺そうとする意志”と、その結果だった。撃ちこまれるビームやマシンガンの雨を避けて、エグザスはガンバレルを展開する。それからわずか1秒の間に、目の前のザフト軍モビルスーツはガンバレルから放たれた二連装ビームガンによって撃破されていた。
何かが、いる。セカンドステージを追撃しているレイにはそう感じられた。目の前の敵ではない、自分の知っている”何か”が、このアーモリーワンの外にいるのだ、と。
「…なんだ?」
その頃、デュランダルはミネルバに到着し、ブリッジへ入ってきた。
「議長!」
「状況は!?どうなっている!?」
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「いやあああああああああああああ!!」
ガイアがビームライフルとビーム突撃砲をアーモリーワンの壁に撃ちこむ。だが火力が足りず、壁が破られることはない。
「くそおおおおおおおおお!!」
カオスの機動兵装ポッドから放たれるビームを避けながら、インパルスがフラッシュエッジビームブーメランを二つ同時に、背中を見せているガイアに投擲する。だが命中する前にアビスが3連装ビーム砲斉射とカリドゥスでそれらを吹き飛ばしてしまう。
「…ミネルバ!フォースシルエットを!」
「艦長?」
「許可します!射出して!…もう機密も何もありませんでしょう?」
「…ああ」
「フォースシルエット、射出スタンバイ!」
カオスのミサイルがインパルスに襲い掛かるも、インパルスはCIWSでそれらを撃ち落としていく。
レイのザクはビームライフルを連射しながらアビスを追撃し続けていた。
「いい加減!」
「しつこい!」
『フォースシルエット、射出シークエンスを開始します。オールシステムズ、ゴー。シルエットフライヤーをプラットホームにセットします。中央カタパルト、オンライン。非常要員は待機してください。』
射出されていくシルエットフライヤー。
振り下ろされるビームトマホーク、アビスはそれをビームランスの柄で受け止め、レイのザクを蹴り飛ばす。
「これで!」
ビームを壁に撃ち続けるガイア。
「くそ!あいつ!…はっ!」
背後から接近しているカオスに気付き、ビームを避けていくインパルス。
「やらせるかよ!」
機動兵装ポッドから撃たれるビームを油断なく機動防盾で凌ぎ、モビルアーマー形態で突撃してくるカオスにエクスカリバーを振り下ろすが、逆にエクスカリバーを砕かれてしまう。
「いいっ!?」
攻撃手段がなくなったインパルスに向かってビームを連射するカオス、そこへレイのザクが割って入る。
「シン!」
その声の意図するところに気づき、接近してきたフォースシルエットのもとへ。そしてソードシルエットをパージすると、今度はフォースシルエットとドッキングする。機体の配色が白と赤の二色から、『フォースインパルス』のトリコロールカラーへと変わり、機動防盾も縦長に伸長した。
「はああああああああああ!!」
ビームサーベルを抜き、先ほどとは異なる圧倒的機動力で、カオスへ迫る。カオスはビームを撃つがインパルスは減速することなくそれらを避け、なお接近し続ける。上からサーベルが振り下ろされる一瞬の間にカオスは横に避け、インパルスと距離を取る。
「こいつは…!」
「装備を換装する!?」
アビスが両肩裏のビーム砲を撃つ。インパルスはアビスに迫りながらそのビームを機動防盾で受け止める。
「うっ!?」
そのまま機動防盾を前面に押し出したまま、インパルスはアビスと激突する。VPSによって機体そのものにダメージはないが、衝撃までは殺すことができず、コクピットへ直に衝撃が伝わる。そのままアビスを弾き飛ばし、インパルスはガイアへ急接近する。ガイアはビームを連射するが、インパルスには当たらない。そのままサーベルでガイアを一刀両断しようとするが、ガイアは全力で逃げていく。
「やめて!!あっちいって!!」
ガイアは追いかけてくるインパルスへビームを撃ち続ける。
「落ちろおおおおおお!」
そのとき、インパルスの背後から撃たれたカオスのビーム一斉射が、外壁に大穴を開ける。
「!?」
一気に空気が宇宙へと漏れ出していき、それに吸い込まれるようにカオス、ガイア、アビスは離脱していく。
「くそお!」
逃がしてたまるか、とインパルスも三機を追いかける。
「シン!」
インパルスを追ってザクも漆黒の宇宙へと飛び出していった。
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「艦長!…あいつら、何を勝手に!外の敵艦はまだ…」
「インパルスのパワー、危険域です!最大で後300!」
「ええっ!?」
「インパルスまで失うわけにはいきません。ミネルバ、発進させます!」
「頼む、タリア…」
その頃、ミネルバへアスランとカガリの乗るザクが着艦していた。
機体から降りてくる二人を見て、ルナマリアが銃を構える。
「そこの二人、動くな!」
そこへ、彼女の妹メイリン・ホークの声で全艦通信が入る。
『本艦はこれより発進します!各員は所定の作業についてください!』
「…動くな!なんだお前たちは…軍の者ではないな!なぜその機体に乗っている!?」
それに一瞬気を取られるが、すぐに注意を目の前の二人に戻す。
「銃を下ろせ!こちらはオーブ連合首長国代表、カガリ・ユラ・アスハ氏だ。俺は随員のアレックス・ディノ。デュランダル議長との会見中騒ぎに巻き込まれ、避難もままならないままこの機体を借りた」
「オーブの…アスハ…」
「代表は怪我をされている。議長もこちらへ入られたんだろう?お目にかかりたい!」
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「くそっ!どこだ!?」
「シン、一旦引くんだ!闇雲に出ても!」
インパルスが宇宙でセカンドステージの3機を捜索している頃、当の3機は母艦のガーティ・ルーへとたどり着いていた。
「死んでない…大丈夫…私、大丈夫よね…」
ガイアのコクピットの中で、ステラは震え続けていた。
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宇宙を染め上げる炎、轟く砲声。それは何かの目覚めの合図か
出会う若き戦士が瞳の奥に隠す物は
次回、機動戦士ガンダムSEED PHOENIX『予兆の砲火』
機関最大、発進せよ!ミネルバ!
後書き
PHASE-02終了ですー ゆっくり更新していこうかな、うん 8月から仕事が忙しくなるのでペースは落ちます
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