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ドリトル先生と森の狼達

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第五幕その三

「この子は大人しいし賢いからね」
「僕達にもなんだ」
「襲ってこないのね」
「それじゃあね」
「先生の前に出て来ていいのね」
「いいよ」
 先生は野兎の夫婦に笑顔で答えました。
「むしろ出て来て欲しいんだ」
「それで僕達にもだね」
「お話をして欲しいっていうのね」
「そうだよ」
 まさにその通りだとです、先生は答えました。
「宜しく頼むよ」
「それじゃあね」
「これからね」
「先生の前に行くよ」
「そうさせてもらうわね」
 こうしてでした、野兎達はです。
 先生のところに来ました、見れば両方共茶色い毛です。その茶色の毛の野兎達が先生のところに来て言いました。
「はじめまして」
「この辺りに住んでいる野兎の夫婦よ」
「僕は十三っていうんだ」
「私はおみよっていうの」
「うん、僕はドリトルっていうんだ」
 先生は夫婦に笑顔で答えました。
「イギリスから来たよ」
「聞いてるよ、イギリスから来た僕達の最高の友達」
「そして最高の理解者よね」
「何時でも僕達のことを考えてくれる」
「その先生よね」
「今回は君達とこの森のことを調べに来たんだ」
 先生は夫婦にも礼儀正しく穏やかにお話しました。
「それでここに来たんだけれど」
「それで僕達のことも」
「聞きたいのね」
「僕達自身から」
「それで是非にってお声をかけてくれたのね」
「そうなんだ、君達は」
 先生は風雨婦にあらためて尋ねました。
「どんな感じかな」
「うん、天敵はいるけれどね」
「それ以外のことでは満足しているわよ」 
 狐とかがいてもというのです。
「夫婦で仲良くね」
「楽しく暮らしているわよ」
「食べものもあるし」
「隠れる場所も豊富で」
「ここはいい場所だよ」
「とてもね」
「そう、君達も幸せに暮らしているんだね」
 先生は二匹のお話も聞いて笑顔になりました。
「それは何よりだよ」
「子供が出来たらね」
「何かと賑やかになるけれど」
「今はね」
「二匹で楽しく暮らしているわ」
「それで天敵のことだけれど」
 王子が夫婦にこの存在のことを尋ねました。
「狐に狸、あと穴熊とかだね」
「熊さんもね」
「結構怖いよね」
「そうそう、だからね」
「いつも気をつけてるわよ」
「あと山犬」
「お鼻が特にいいから」
 夫婦は自分達から山犬の名前を出しました。
「僕達のことすぐに見付けて」
「追いかけてくるから」
「厄介だよね」
「一番ね」
「何か特に動きが速い山犬さんもね」
「いたわね」
「動きが速い。ドーベルマンみたいな感じかな」
 王子は夫婦のお話を聞いてまずはこう思いました。 
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