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転生とらぶる

作者:青竹
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マブラヴ
  1035話

 めぎろーと君のアニメの件に関しては、エザリアと相談の上で後日返事をする事になった。
 エザリアもこの結婚式に参加している以上、この場で相談しても良かったんだが、あくまでも俺達がここにいるのはムウとナタルの結婚式を祝ってであって、決して仕事の為に来た訳ではない。
 ……まぁ、エザリアなら普通に仕事の話をしそうだが。
 ともあれ、そんな訳で俺は用意された席で披露宴を楽しんでいた。
 今はそれぞれが出し物をしており、美砂がアーティファクトの力を使って気分が高揚する歌を歌っている。
 ちなみに服装に関しては、さすがにいつもの踊り子風では色々と不味いので、上にそれっぽい服を着ていた。
 マイクの類を使っている訳でもないのに、披露宴の会場内へと響き渡る美砂の歌声。
 200人近い招待客がいる中で、全員の心の中に今俺が感じているような高揚が存在しているのだろう。

「あら、美砂も随分と歌が上手くなったわね」

 離れた場所でラクスと話していたシェリルが、いつの間にか戻ってきて感心したように呟く。
 実際、純粋に歌の技量という意味ではシェリルに敵う者は殆どいないだろう。
 それ程の技量を持っているシェリルが褒めているのだから、美砂の歌も随分と上手くなっている……筈だ。
 いや、俺の場合は歌に関しては殆どノータッチだったからな。上手いというのは分かるが、以前の美砂の歌と比べてどれだけ上手くなっているのかというのは分からない。
 まぁ、シェリルが言っている以上は間違いなく上手くなっているんだろうが。
 基本的にお世辞の類を言わないシェリルだが、特にそれが音楽に関するものであれば尚更だ。
 そんな風に考えている間にも美砂の歌は歌われ続け……やがてその歌が終わると、大きな拍手が会場中へと響き渡る。
 その拍手に、美砂は照れた様子を見せながらも一礼し、会場を出て行く。
 このテーブルにすぐに戻ってこないのは、元の服装になってから戻ってくる為だろう。

『素晴らしい歌でしたね。シャドウミラーの美砂・柿崎さんでした』

 司会の声が会場内に響くが、マイクを使っている為か先程の美砂との声の差が大きく感じられる。
 これに関しては、歌に殆ど興味のない俺でも理解出来る程なのだから、その辺の知識がある者にすれば尚更なんだろう。
 ある意味で司会殺しと言ってもいいような歌だったな。

『次に芸をして下さるのは……こちらもシャドウミラーの方です。新郎のムウさんの同僚でもある……ムラタ様!』

 司会の声を聞いた俺は、思わず口の中へと入っていた焼きたてのパンを噴き出すところだった。
 そんな風になっているのは俺だけではないらしく、会場内の何ヶ所かでも俺と同じように噴き出すのを我慢している者の姿を見る事が出来る。
 それはそうだろう。ムラタが……あのムラタが、人前で芸をするというのだから。
 ムラタを知っている者がいればいる程に、今の司会の言葉には意表を突かれただろう。
 にしても、何だってムラタがそこまで……
 意外とムウに対して仲間意識を持っていたのか?
 まぁ、シャドウミラーは男のメンバーよりも女のメンバーの方が多い――技術班除く――のは事実だけに、ムウの結婚を祝う気持ちもあったのだろう。
 ただし、ムラタのやる芸が一般的なものの筈もなく……用意されたのは、鉄の棒に巻き付けられた藁。
 それだけで、俺にはもうムラタが何をやろうとしているのかが分かってしまった。
 周囲に人がいない事を十分に確認し……鞘に入った刀をいつでも抜けるように構え……次の瞬間、一閃する。
 気によって強化された刀は、鉄をいとも容易く斬り裂く。
 太さ10cm程の藁を巻かれた鉄は、斜めに斬り裂かれてその場へと落ちた。
 ガラン、ガラン……という音が響き渡り、周囲に広まるのは静寂。
 そんな静寂の中、ムラタは刀を鞘へと収めると司会の女からマイクを受け取り口を開く。

『斬鉄、という技だ。結婚した2人にはこのような斬鉄を使った技でも斬れないような絆を育んで欲しい』

 その言葉が広がると同時に、会場中からは拍手と喝采の声が上がる。
 ムラタにしては随分と洒落た真似をする。まぁ、披露宴の芸でこういうのが出てくるってのも、色々と非常識ではあるが。
 魔法という存在を知っているこのオーブの人々であっても……いや、だからこそか、こういう芸に関しては喜ばれるらしい。
 元々オーブというのが日本の移民から出来た国だというのも大きいんだろう。これだけ喜ばれるのは、やはり下地があったという訳だ。

「ムラタさんにしては随分と頑張ったわね」

 そう呟いたのは、先程歌を終えてから会場の外へと行って着替えてきた美砂。
 この結婚式に来た時と同じ薄い青のドレスへと着替えている。
 元々がパクティオーカードによる着替えだったから、それ自体は一瞬で終わったのだろう。
 結婚式に相応しい華やかな薄い青のドレスは、背中が大きく露出しており10代の終わりという瑞々しい色気と艶をこれでもかとばかりに表していた。
 実際、先程の歌の効果もあるのだろうが、オーブ側……正確にはナタルの客としてきている者達――女を含む――が美砂のドレス姿に見惚れている光景を見る事が出来る。
 元々美形の美砂だ。その美砂がこれ程に挑発的とすら言ってもいいようなドレスを着ているのを見れば、普通であれば色々と言い寄ってくる男がいるだろう。
 それがこうして視線を向けられるだけで済んでいるのは、やはり美砂がシャドウミラーの者であると知られており、こうしてその代表である俺と同じテーブルに着いている事が大きい。
 この結婚式に来ている以上、当然シャドウミラーとオーブ政府との密接な繋がりは知っているだろうし、それを承知の上でシャドウミラーの代表である俺に対して……そして、俺の連れでもある美砂達へと妙なちょっかいを出す奴はいない。
 ……そう、思っていたんだが。
 少し用事があると言って席から離れていた円が戻ってきたのだが、その表情には怒りの色がある。

「どうしたんですの? 何か面白くない事でもありましたか?」

 同じテーブルに着いているあやかが尋ねると、円は微かに眉を顰めながら口を開く。

「ちょっとしつこいナンパがあっただけよ。断っているのに懲りずに……」

 そう告げ、冷たいオレンジジュースの入ったコップを口へと運ぶ。
 ちなみに、この席は俺と恋人達9人の合計10人が座っているのを見れば分かるように、かなり大きめのテーブルとなっている。
 色々と目立っているが、そもそも他に類を見ない程の綺麗どころが集まっていたり、シャドウミラーの代表である俺がいるって時点で目立たないというのは不可能なので、その辺に関しては既に諦めている。
 にしても、シャドウミラーのメンバーでもある円にしつこくナンパするとか……かなり勇気のある相手だな。
 言うまでもなく、円は魔法界で拳闘士としてそれなり以上の実力を誇っている。つまり、一般人程度であればあっさりと殺す事すら出来るだけの力を持っているのだ。
 それこそ今の円や美砂を相手にした場合、スーパーコーディネーターのキラであっても赤子の手を捻るかのようにあっさりと負けるだろう。
 そんな相手を不機嫌にさせるというのは、勇気というか蛮勇の持ち主と言ってもいい。

「ほら、あまり気にしないの。こういう場所ってのは出会いの場を兼ねていたりもするんだから」

 穏やかに微笑むマリューは、円を宥めるようにそう告げる。
 実際、マリューの言葉も間違っている訳ではない。オーブが結婚式をSEED世界で行うのを許可したのは、その辺に期待しているというのもあるのだろう。
 これを機会に、シャドウミラーとオーブの恋人同士が出来てより関係が深くなるのを期待して。
 実際そういう意味では、この結婚式は狙い目ではあるんだよな。ただ、それを狙うのならせめて相手のいない奴を狙えと言いたい。
 特に男性陣はフリーの奴が多いんだから……いや、年齢的な問題があるか。ムラタは既に老年に入り掛かっているし、スティングとアウルは出会いを求めている女達にしてみればまだちょっと若い18歳――しかも時の指輪の受信機を嵌めている――だ。そう考えると、ギルフォードとイザークくらいか?
 技術班を入れてもいいのなら、かなりの人数がいるんだが……そもそも、技術班は色々な意味で尖った人材であり、それについていける女がどれ程いるのやら。

「ほら、むくれるなって。折角の楽しい披露宴なんだから、楽しめよ。本当にしつこいようなら、後で俺の方からウズミに言っておくから」
「……別にそこまでする必要はないんだけど」
「恋人が変な相手に言い寄られてるんだぞ? 恋人がいない相手ならともかく……それだけでも、ウズミに言っておく理由としては十分だろ?」

 そう告げると、何故か円は先程の不機嫌そうな表情から一転、嬉しそうな笑みを浮かべる。

「ふふっ、そう。確かにそうかもしれないわね」
「あー、円いいなー。愛されてるって実感があるってのは羨ましいなー。私もそういう風に言って貰いたいなー」

 小さく笑みを浮かべた美砂の言葉に、照れくさそうな笑みを浮かべる円。
 なるほど、嫉妬されていると感じたのか。
 色々と思うところはあれども、円の機嫌が直って何よりだ。

「もう、美砂ったら。……それよりも、このお肉美味しいわね。牛肉なんでしょうけど」

 何かを誤魔化すかのように、円の視線が皿の上へと向けられる。
 そこにあるのは、一口大のステーキだ。コース料理のメインディッシュだな。
 確かにステーキは俺の家だと食べる事は滅多にないだけに、美味く感じる。
 そもそも、うちの食事は基本的にはマリューと千鶴が作っている。他の者達も手伝いはするけど、メインはこの2人となる。
 そして基本的に手の込んだ料理が多いので、ステーキというのは殆ど作られることはない。
 いや、きちんと美味いステーキにするには色々と手間を凝らす必要はあるんだろうけど、マリューにしろ、千鶴にしろ、ステーキに関してはそこまで詳しくないんだよな。
 かと言って、ステーキというのは持ち帰りには向いていない料理だし。
 俺の家の場合は外食と言えば基本的に超包子とかだから、どうしても中華料理になってしまう。
 いやまぁ、中華風ステーキとかそういうのもあるんだけどな。
 それでも、本格的なステーキとかは家でも外でもあまり食べる機会がない。
 この辺、俺の家の人口が俺以外全員女だというのも影響しているだろう。
 どうしてもステーキのような、肉、肉、肉! というのはあまり好まない者が多い。
 ……一番その辺に近い感触としては、牛丼を好む円か?
 牛丼とかなら、たまに千鶴やマリューに作って貰っているのを見る事があるし、昼食としてわざわざネギま世界に転移して牛丼を食べに行ったりしているのも知っている。
 何で俺が知っているのかと言えば、何度か俺も一緒に行っているからだ。
 昼食デート……とでも言うのか? まぁ、そういう面もあるのは事実だが、実はその時の円の狙いは俺の空間倉庫だったりする。
 昼食が終わった後、持ち帰りで牛丼を10個程注文し、それを俺の空間倉庫に収納するのだ。勿論店の外の人目につかない場所で、だが。
 円が好きだった牛丼店だったが、俺がネギま世界にいる時に閉店したので、わざわざ麻帆良の外にまで行ったんだよな。
 いや、円と一緒に出掛けるのは俺にとっても楽しいからいいんだが。
 で、その牛丼に関しては円が昼食だったり訓練の合間の間食として食べる訳だ。
 ちなみに、間食……つまりおやつに牛丼と聞くと色々と問題があるように聞こえるが、そもそも実働班の訓練は非常に厳しく、カロリー消費量で考えると摂取量が足りなくなる時もある。
 時の指輪を身につけているといっても、鍛えた場所には筋肉が付くように、しっかりと身体には影響を及ぼす。
 つまり摂取カロリーが多ければ太るし、少なければ痩せるということだ。
 そして実働班の訓練を考えると、牛丼を食べる程度で丁度いいというところもあったりする。
 だからこそ、コーネリアやスレイは間食をしっかり摂っているし、レモンにしても操縦技術を鈍らせない為に実働班の訓練に混ざる時はしっかりと食べる。
 マリューに関しては、基本的に艦長職だから実働班の訓練に混ざる事はあまりないんだが。

「これ、本当に牛肉? 凄い柔らかいんだけど」
「ヒレ肉のシャリアピンステーキって奴だろうな」

 美砂の言葉に、以前どこかで聞いたか見たかしたうろ覚えの知識を話す。

「タマネギのみじん切りに漬けたり、パイナップルなんかの肉を柔らかくする酵素を持つ果物で徹底的に肉を柔らかくして作ったステーキだ。何でも、 唇で噛みきれるくらいだとか。……まぁ、これはあくまでもうろ覚えの知識だから、色々と違うところとかもあるだろうけどな」
「ふーん。なら今度超包子で作って貰おうかな」
「……一応、あそこは中華料理店なんですが……」

 美砂の言葉にあやかが突っ込み……そんな風にして、ムウとナタルの結婚式は過ぎていくのだった。 
 

 
後書き
アクセル・アルマー
LV:42
PP:350
格闘:301
射撃:321
技量:311
防御:311
回避:341
命中:361
SP:1402
エースボーナス:SPブースト(SPを消費してスライムの性能をアップする)
成長タイプ:万能・特殊
空:S
陸:S
海:S
宇:S
精神:加速 消費SP4
   努力 消費SP8
   集中 消費SP16
   直撃 消費SP30
   覚醒 消費SP32
   愛  消費SP48

スキル:EXPアップ
    SPブースト(SPアップLv.9&SP回復&集中力)
    念動力 LV.10
    アタッカー
    ガンファイト LV.9
    インファイト LV.9
    気力限界突破
    魔法(炎)
    魔法(影)
    魔法(召喚)
    闇の魔法
    混沌精霊
    ???
    ???

撃墜数:1179 
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