転生とらぶる
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マブラヴ
1032話
久しぶりに俺の活躍がなかった囮作戦から十日程。結局予想通りに捕らえたテロリストからは殆ど有益な情報を得る事が出来なかった。
というか、捕らえた者の大半は恭順派や難民解放戦線の者ではなく、傭兵や金に困ったチンピラ、BETAの恐怖に負けて軍を逃げ出した脱走兵といった者達だった。
報酬に関しても半分は前金として受け取っていたって話だから、その辺の資金がどこから来たのかも謎として残っている。
ちなみに襲撃に使われた兵器や武器は、やはりアンバール基地から盗まれた物の一部だった事が判明している。もっとも、殆どが破壊されている以上はそれが判明したからといっても特に意味はないのだが。
ともあれ、捕まえたテロリストに関してはアンバール基地へと突き出し、中東連合軍、アフリカ連合軍、国連軍の者達が色々と情報を引き出そうとしているらしい。
最初はこっちで情報を引き出そうと思ったのだが、使い捨ての傭兵と組織の下っ端では何を聞いても意味がないからな。
一応重要な情報は持っていないって事を教えはしたんだが、それでも向こうにも面子があるらしく……といった様子だ。
実際には自分達の基地を襲撃して一時的にせよ占領した者達と、その手先だ。
更に言えば、その際に少なからず基地の者達が死んでいる以上、スレイ達から捕虜を受け取った者達の知り合いや友人、戦友といった者達も死んでいるのだろう。
その結果が捕虜に対してどのような扱いになっているのかは想像出来るが、特に止めさせようとも思わない。
そもそも、テロリストはともかく、それを承知の上で雇われている者達だ。このまま釈放なりなんなりしたとしても、いずれまた向こうに雇われるのが目に見えているし。
ともあれ、そんな訳で捕虜を渡してから俺達が何をしているのかと言えば……
「アクセル、これとかはどうだろうか? ムウも以前欲しがっていたのだが」
そう告げたギルフォードが手に取っていたのは、いわゆるPDAだった。
しかも、ただのPDAではない。シャドウミラーの技術班の誰かが暇潰しとして作ったのを量産したもので、スペック的にはかなり高い。それこそ、その手の技術で最も進んでいるマクロス世界の数段上を行く感じだ。
高い技術力を誇るシャドウミラーだけに、最近では交流区画で売っているこういう商品も珍しくなくなってきている。というか、寧ろホワイトスターの売りの1つと言ってもいいかもしれない。
技術班にとってはお遊びや暇潰しで作った物だとしても、他の世界の者達にしてみれば十分以上に実用性が高い代物だ。
それだけにホワイトスターにやってきて欲しがるのも分かるのだが……
「結婚祝いのプレゼントにPDAってのは、ちょっと味気なくないか?」
そう告げて、駄目出しをする。
いや、もしかしたらPDAのような電化製品を結婚祝いとして送るのは普通にあるのかもしれないが、俺としてはあまり好みではない。
「そうだな……ワインとか、そっち系はどうだ?」
俺自身は酒を飲めない――飲ませて貰えないというのが正しいが――ものの、ムウはそれなりに酒を嗜むというか、普通に好んでいた筈だ。
にしても、結婚祝いに日本酒だと何だか合わないような気がするが、ワインだと合うってのはなんでだろうな? 結婚式が洋風だからか? それともムウとナタルが大西洋連邦の……つまりアメリカ人だからか?
「うーん、ワインか。確かにムウは喜ぶと思うが、結婚相手のナタルという女性は真面目なんだろう?」
「確かに真面目だが、それでも酒くらいは飲むと思うぞ。……ああ、いや、それ程強くなかったか?」
確か俺がSEED世界にいる時にアフリカで明けの砂漠に酒を飲まされて顔を真っ赤にしていたような記憶が……そう考えると、それ程酒に強いって訳でもないのか?
それでも俺なんかと比べると圧倒的に酒には強いんだろうが。
「そうなのか? ならちょっと見に行ってみるか。ただ、ワインの類を買うとしたらホワイトスターではあまり種類がないと思うぞ」
「……だろうな」
何しろ、基本的にホワイトスターに住むというのはシャドウミラーのメンバー以外は禁止としており、毎日自分達の世界――中には知り合った他の世界の相手の家に泊まっている奴もいるが――から通っている。
そうなれば当然酒を飲むにしても、自分達の世界で飲み慣れている酒を買う事が多くなる。
それでもたまには他の世界の酒を飲んでみたいって奴もいるので何件かその類の店はあるが、所詮はその程度だ。どうしても充実した品の中からお気に入りを選ぼうとするのなら、それぞれの世界に買いに行った方がいい。
特にホワイトスターでは、俺にそもそも酒を飲ませるのを禁止としている為、それに影響されてそっち方面の店が遠慮しているってのもあるが。
その割には、超包子を始めとした各種レストランでは普通に酒を出してるんだよな。
「ともあれ、行くだけ行ってみよう。……アクセル、臭いとかは大丈夫なんだよな?」
「ああ。そのくらいなら特に何もない。直接口に入れなきゃ」
その言葉にギルフォードは頷き、俺と共に交流区画内を移動する。
影のゲートではなく歩きで移動しているのは、もしかしたら移動中に何らかのいい結婚祝いの品が見つかるかもしれないからだ。
……にしてもつくづく思うんだが、何だって男と2人でこうして休みの日を潰しているんだろうな。
いや、分かっている。男はムウに、女はナタルにそれぞれ結婚祝いを贈る為に男女で別れているって事は。
それでもやっぱり、何というか微妙にこう……そう、違和感。違和感のようなものがある。
俺の場合は大抵レモン達恋人の誰かと一緒にいるのが日常になっているので、こうしてたまに男のギルフォードと一緒にいるってのが違和感あるんだろう。
勿論俺としてはギルフォードを嫌っている訳ではない。
俺にとっては珍しい男友達だし、安心して背中を任せられるというのも心強い。
「ギアス世界では結婚プレゼントってのは……いや、何でもない」
「おい、何故急に。いや、その理由は何となく想像出来るが」
思わず途中で言葉を止めた俺に対し、突っ込みつつも納得してしまうギルフォード。
何せ、ギルフォードはコーネリアの騎士だった男だ。……本人に言わせれば、今でも騎士だと言うのだろうが。
ともあれ、ブリタニア貴族達の……更には皇族の結婚プレゼントが今回参考に出来る訳もない。
ムウにしろ、ナタルにしろ、別に貴族とか皇族ではないのだから。
……いや、ムウの実家はクルーゼに燃やされたがかなりの金持ちで、ナタルの場合も代々軍人一家だったって事は、両方ともかなり裕福ではあったのだろうが……今は2人共がどちらもオーブとシャドウミラーの一軍人でしかない。
もっとも、ムウの場合はシャドウミラーの幹部でもあるし、ナタルの場合はSEED世界の盟主的な立場にあるオーブの軍の中でも最精鋭部隊の艦長だ。2人ともがかなりの給料を貰っているのは間違いのない事実であり、その辺のちょっとした会社の社長よりは金持ちだ。
だがそれでも、特に何かの後ろ盾がある訳ではない以上は色々と大袈裟になっても困るだろう。感覚的には普通に一般人なんだから。
「なら、取りあえずワインを見に行ってみるか」
「そうだな、私にも他に何かこれといって意見がある訳ではないし、そうするとしよう」
そう告げて、ギルフォードと2人で交流区画にある酒店へとやってきたのだが……
「んあ? アクセル? ギルフォードも?」
丁度店に入ろうとしたところで、アウルとスティングの2人に遭遇する。
『……』
店に入る前に俺を含めて4人共が動きを止め、黙って視線を交わす。
そのまま数秒。このまま黙っていても話が進まないと、最初に口を開いたのは俺だった。
「もしかして、お前達もムウに対する結婚のプレゼントを買いに来たのか?」
「……そういう風に聞いてくるって事は、もしかしてアクセル達もかよ?」
どうやら予想通りだったらしい。
原作の方ではムウに懐いていたアウルとスティングだ。相性がいいのは分かっていたし、実際ムウもレイを可愛がるのと同様にこの2人を可愛がってもいた。
……原作と違うのは、ステラ関連なんだよな。最初から実働班に入るつもりがなかったステラは、当然PTの操縦訓練とかも全く受けていない。そうである以上、ムウとの接点も殆どなく、それなりに好意は持っているようだが原作のように懐いている訳ではなかった。
その分シンと仲がいいのを思えば、ある意味原作通りではあるんだろうが。
ともあれ、そんな風にムウに可愛がられている2人だけに、結婚のプレゼントを買うという考えに到っても不思議ではない。
何故かジト目でこっちを見てくるアウルに、俺ではなくギルフォードが頷く。
「うむ。私達はムウとはそれなりに親しい付き合いをしているからな。アクセルと話していて、彼の結婚祝いに何かを贈ろうという話になったのだが……君達がワインの類を送るのであれば、別の物にした方がいいのか?」
「あー……いや、別にそう拘る必要はないんじゃないか? 酒って言ってもワイン以外に何種類もあるんだから、それを選ぶのもありかもしれないし」
「おい、スティング。折角向こうが譲ってくれているんだから、ここはそうして貰えばいいじゃないか。わざわざ同じような酒を何種類も贈ったって、ムウが喜ぶと思うか?」
「いや、喜ぶだろ」
アウルの言葉に思わず突っ込む。
実際、ムウはそれなり以上に酒というものを嗜んでいるのは事実だ。
それこそ、ワイン、ビール、ウィスキー、日本酒といったメジャーなものは色々と呑んでいるという話を聞いている。
それを思えば、酒は何種類あっても……それこそワインであっても種類が違えば寧ろ喜んで受け取ってくれると思う。
その辺を説明すると、アウルは理解出来ないとでも言いたげに首を振る。
「酒なんかのどこが美味いんだろうな」
「それに関しては俺も同様だ。少なくても自分から好んで呑むような物には思えないのは事実だ」
「……アクセルが言うと実感が籠もっている分、色々と深いな」
俺の酒の弱さを知っているギルフォードがそう呟いているのが聞こえてくるが、今は取りあえずスルーしておく。
「なら、取りあえず全員で店の中を見てみるか? いっそ、全員がそれぞれ違う種類の酒を買って渡すっていうのもありかもしれないし」
「……何でアクセルは、自分では酒が苦手なのにそんなに酒を勧めるんだよ」
俺の言葉を聞いていたアウルが呆れた様に呟くが……いや、単純に結婚祝いとして思い浮かんだのがそれだけだってのが正しい。
他に思い浮かぶ物といえば食器とかか? ただ、ホワイトスターにある店でそれっぽい食器ってのは……
一応レストランとかがあるから相応に店はあるんだが、どうしてもイメージ的にはワインとかの方がそれっぽく思える。
ワイン……ワインか。そう言えばエヴァが以前自分の魔法球でチーズとかを作ってみたいって言ってたな。確かに時間の流れが違う事を思えば、その考えは結構いいかもしれない。
今度レモン辺りに出来るか出来ないかを相談して、もし出来るようならエザリア辺りにホワイトスターの特産品とかに出来ないか試して貰うか。
後は四葉の超包子を始めとして各種料理店で使う食材とかも出来ればそれなりにいいと思うんだが……
まぁ、肉やチーズとかは牧場で量産型Wが育てているものが普通に流通しているから、それ程難しくはないだろうけど。
「俺のイメージ的には結婚祝いというのは酒って感じだしな。……で、どうする?」
全員で酒を贈るのかどうか。そんな質問に、ギルフォードは小さく頷く。
「私としては問題ない。酒というのはすぐに呑まないと悪くなるというものでもないから、何らかの記念日とかに呑む事も出来るだろう」
「うーん、アクセルはともかくギルフォードがそう言うのなら、それもいいのか?」
「……おい、アウル。今の言葉はちょっと聞き逃せないぞ。それだと、俺よりもギルフォードの方が信用度が高く聞こえるんだが?」
思わずそう告げるが、アウルは何を言ってるんだこいつ? とでも言いたげな視線を俺の方へと向けてくる。
「何を言ってるんだよ。そんなのは当然だろ。普段の生活態度を見ていれば明らかだろうに」
よりにもよって、そのまま直接的に言ってきやがった。
ただ、そう言われると言い返す事はちょっと出来ないのも事実なんだよな。
ギルフォードが非常に真面目な性格をしているってのは、既にシャドウミラーでは当然の事として受け止められているし。
これ以上言い合っても俺に不利になるだけだと判断すると、結局はそのまま済し崩し的に全員それぞれで酒を買って結婚祝いとする事になる。
ちなみに、俺がウィスキー、ギルフォードが赤ワイン、スティングが白ワイン、アウルがブランデーを選ぶ。
酒屋の店主から聞いた話によると、ウィスキーもブランデーも蒸留酒で作り方は殆ど同じなのだが、ウィスキーの原材料が麦を始めとした穀物なのに対し、ブランデーは葡萄を始めとした果実が原材料で、それで名前が違うらしい。
……いや、酒を飲まない俺がそんな豆知識を持っていて、何かの役に立つかどうかは分からないんだけど。
後書き
アクセル・アルマー
LV:42
PP:350
格闘:301
射撃:321
技量:311
防御:311
回避:341
命中:361
SP:1402
エースボーナス:SPブースト(SPを消費してスライムの性能をアップする)
成長タイプ:万能・特殊
空:S
陸:S
海:S
宇:S
精神:加速 消費SP4
努力 消費SP8
集中 消費SP16
直撃 消費SP30
覚醒 消費SP32
愛 消費SP48
スキル:EXPアップ
SPブースト(SPアップLv.9&SP回復&集中力)
念動力 LV.10
アタッカー
ガンファイト LV.9
インファイト LV.9
気力限界突破
魔法(炎)
魔法(影)
魔法(召喚)
闇の魔法
混沌精霊
???
???
撃墜数:1179
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