リリカルアドベンチャーGT~奇跡と優しさの軌跡~
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Another4 冒険開始
前書き
大輔とアインス、ブイモンとロップモンの冒険。
大輔達は焦らず、自分達のペースで冒険を進めていた。
デジタルワールドに飛ばされて約数日。
ブイモン[でりゃりゃりゃりゃ!!]
ロップモン[わ!!わわ!!?]
ブイモンの拳をロップモンはひいひい言いながら受けていく。
いくら身体が鈍っていてもブイモンは歴戦の戦士であり、ブイモン程戦っていなかったロップモンにすればかなり辛いもので。
ブイモン[うりゃあああ!!]
ロップモン[わわ!!?ブイモン待って…あうっ!!?]
少し腰の入った拳を叩き込まれ、それを受けたロップモンは尻餅をついた。
ロップモン[はあっ!はあっ!全くもう…容赦ないんだからブイモンてば]
ブイモン[ははっ、ほらロップモン。もう少し頑張れよ。な?]
ロップモン[むうう…動きが見えてるのに攻められないなんて悔しい…]
ブイモン[ははは、まあ力は俺に負けても仕方ねえさ。それに俺の動きが見えているだけでも大分凄いぞ?]
ロップモン[見えているだけじゃ無意味だって分かってる癖にい…]
むすっと膨れるロップモンにブイモンは苦笑。
アインス「お前達、朝食が出来たぞ」
ブイモン[待ってました!!]
ロップモン[もう…食い意地張ってるんだから]
バギュンっ!!という効果音が付きそうな速度で向かうブイモンに苦笑しながらロップモンもそちらに向かう。
雑草から引き抜いたパンにチーズとハムをサンドした簡単なサンドイッチをブイモンはバクバクと口の中に放り込んでいく。
アインス「頼むからよく噛んで味わって食べてくれないか?」
毎回毎回思うが、よくそんなに食べられるなといっそ感心してしまう。
大輔「それじゃあそろそろ行くとするか。」
アインス「ああ」
大輔「デジメンタルアップ」
ブイモン[ブイモンアーマー進化!ライドラモン!!]
ライドラモン(紋章無し)に進化したブイモンは大輔、アインス、ロップモンを乗せたことを確認し、太陽が出て暑くなる前に一気に駆け抜けた。
ライドラモンは四足歩行のデジモンに相応しい凄まじいスピードで砂漠を駆け抜けていく。
アインス「や、やはり冷えるな砂漠の夜は…」
大輔「そりゃそうさ。さあ、暑くなる前にこの砂漠を抜けようぜ」
ライドラモンは更にスピードを上げようとしたが、直ぐに足を止めた。
大輔「どうしたライドラモン?」
ライドラモン[大輔、あれ]
大輔「ん?ああ、アンドロモンの工場じゃねえか。」
目の前には大きな、懐かしい工場があった。
煙突から立ち上る排気ガス。
どこからか聞こえてくるエンジン音。
トタンの屋根もコンクリートの壁、懐かしい。
ライドラモン[久しぶりに見たな。懐かしいぜ…]
アインス「何なら見ていくか?」
大輔「いいのか?」
アインス「別に急いで先に進まなければならないという訳ではないだろう?少しくらいゆっくりしても構わないと思う」
ロップモン[私も工場を見てみたいなあ]
大輔「…分かった。行くか」
ライドラモンは工場に向かって走り出し、中に入った。
大輔「うはああ、懐かしいぜ」
久しぶりに入った工場にチラチラ周りを見渡しながら歩いた。
アインスも辺りを見回すとそこは見たこともないほど旧式の煤だらけのタンクや、逆に真新しいコンベアが樹海のように絡み合う、不思議な空間。
アインス「私は大輔達がした冒険を経験しているのだな」
大輔「はは、あん時はアインスはいなかったからな」
ブイモン[大輔、確かここら辺に隠し部屋無かったか?]
大輔「そうだな、探してみるか」
探してはみるが、隠し扉は見当たらない。
大輔は一時、首を傾げたが、あれは自分の紋章があったからだと納得させた。
アインス「この工場に大輔の紋章があったのか?」
大輔「ああ、やっぱり紋章がないから隠し部屋がないのかな」
少しガッカリしたように溜め息を吐いた大輔にアインスが苦笑した。
2人が工場を後にしようとした時。
大輔「うーん、なーんか忘れてるような…」
アインス「忘れている?」
大輔「ああ、何か大事なことを忘れているような気がしてならねえんだわ」
ブイモン[んー…あ、もしかして]
ズドオオオオン!!
大輔「…………」
アインス「…………」
ブイモン[…………]
ロップモン[……………]
突然の轟音に目を見開きながら、轟音のした方を見遣る大輔達。
すると大輔とブイモンはようやく思い出したようだ。
大輔「アンドロモンか」
ブイモン[アンドロモンだな]
全員【………………急げーーーーーーっ!!!!!!!!】
もしかしなくてもアンドロモンはこの工場に侵入してきた太一達を迎撃しているのだろう。
もしかしたらアンドロモンに負けてしまう可能性もあるために即座に向かう。
大輔「あれは…」
大輔が轟音のした場所に辿り着くと、そこにはアンドロモンとアンドロモンと対峙しているカブテリモン。
大輔「ぐっ!!俺としたことが、テントモンのカブテリモン進化☆イベントを見逃すなんて!!」
アインス「大輔、その発言は野次馬みたいだぞ」
ブイモン[言ってる場合か!!行くぞ!!]
ロップモン[うん!!]
大輔、アインス「「デジメンタルアップ!!」」
ブイモン[ブイモンアーマー進化!フレイドラモン!!]
ロップモン[ロップモンアーマー進化!ビットモン!!]
フレイドラモンとビットモンにアーマー進化したブイモンとロップモンはアンドロモンに突撃した。
フレイドラモン[今こそリベンジ!!ナックルファイア!!]
ビットモン[キャロット爆弾!!]
前の世界でアンドロモンに瞬殺されたことを思い出したのか、気のせいかやたら気合いが入っている。
大輔「ブイモン、気にしていたんだな」
アインス「???」
疑問符を浮かべるアインスに大輔は苦笑しながら太一達に声をかける。
大輔「太一さーん。数日ぶり~」
太一「大輔!!?…と、誰?」
アインスを見て首を傾げる太一。
大輔「まあ自己紹介は後にして…フレイドラモン!!」
アインス「ビットモン!!フレイドラモンの援護を!!」
ビットモン[OK!!キャロット爆弾!!]
再び人参型爆弾を投下するビットモン。
爆弾を立て続けに投下して、視界を妨げる。
大輔「(確かアンドロモンの右足だったな…)フレイドラモン、アンドロモンの右足を狙え。」
フレイドラモン[ナックルファイア!!]
アンドロモンの右足に火炎弾が命中した。
すると押し出されるように右足から歯車が出てくる。
アインス「あれが黒い歯車か…」
歯車が消滅すると同時にがくりと膝をつくアンドロモン。
アンドロモン[……邪心ガ落チタ…]
膝をついたアンドロモンの目は、狂気の光が消えていた。
アンドロモン[機械ニ紛レ込ンダ黒イ歯車ヲ取ロウトシテ、アンナコトニナッテシマッタ…]
大輔「ああ、なるほどね。」
ブイモン[災難だったなお前(こっちも向こうも)]
ブイモンが思うのは異世界のアンドロモンとこっちの世界のアンドロモン。
アンドロモン[助ケテモラッタ、本当ニ申シ訳ナイコトヲシタ]
ヤマト「気にすんなって、故障なんだから」
悪いのは全てあの黒い歯車であって、アンドロモンではないのだ。
爽やかにヤマトがフォローを入れ、アンドロモンが頷く。
アンドロモン[君達ノ疑問ニ答エテアゲタイガ、私モ答エヲ知ラナイ。ソノ代ワリ、此処カラ出ル方法ヲアドバイス出来ル]
アンドロモンは脇にある空洞を指した。
アンドロモン[地下水道ヲ行クトイイ]
アインス「そうか。ありがとう、アンドロモン」
アンドロモン[君達ノ幸運ヲ祈ル。無事、元ノ世界ニ帰レルヨウ]
大輔とアインスは太一達と共にはアンドロモンの言う地下水道へ降りたのだった。
大輔「さてと、それじゃあ自己紹介。俺は本宮大輔。お台場小学校の2年生で、サッカークラブに入ってます。太一さん、空さん、光子郎さんの後輩です。そして隣が外国の友達の…」
アインス「八神リインフォース・アインス。アインスと呼んでくれ。そして私のパートナーのロップモン」
ロップモン[よろしくね]
大輔「俺のパートナーのブイモンです」
ブイモン[よろしく頼むぜ]
自己紹介も終わった後、タケルが大輔の前に出て来た。
大輔「ん?」
タケル「大輔君だっけ、僕高石タケル。友達になろうよ!!」
大輔「は?」
一瞬、タケルが何を言っているのか理解出来なかった大輔。
ブイモン[(なあ、大輔。こいつ誰?タケルの皮を被った別人じゃないのか?)]
大輔「(いや、ヤマトさんがいるということはタケルのはずだ。違和感バリバリだな、おい)」
自分達の知るあのタケルは?
嫌みたらしくネチネチ根暗闇アレルギーのタケルは?
アインス「と、とにかく。よろしく頼む」
太一達一行に大輔、アインスが加入したのだった。
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