ドリトル先生と森の狼達
しおりを利用するにはログインしてください。会員登録がまだの場合はこちらから。
ページ下へ移動
第四幕その五
「一体」
「突然変異的に大きな猿とか」
「その可能性はあるね」
「じゃあヒバゴンとかも」
「ひょっとしたらそうかもね」
「突然大きくなったニホンザルですか」
「その可能性があるね」
先生は狒々とヒバゴンの関係についてこう考察するのでした、そして王子はふと森の中を見回しつつ先生に尋ねました。
「あの、ここに狒々はいるかな」
「その話があるかも知れないね」
「じゃあ狒々が、かな」
「森の奥にいてだね」
「鹿を捕まえて食べているとか」
「その可能性もあるかな、けれど」
「可能性としては低いよね」
「人より大きなニホンザルは突然変異にしても」
「滅多にいないよね」
「そう、そうそうね」
まさにとです、先生も王子に答えます。
「いないから」
「じゃあ何で森の奥の鹿まで減っているのか」
「そこを調べよう」
是非にというのです。
「そうしようね」
「そうだね、それも生態系の調査だから」
「是非共ね」
「じゃあこれからどんどんだね」
「行こう」
その森の奥にというのです。
「これからね」
「そこに泊まりがけで」
「そうして行って」
「そのうえでしっくりと調べるんだね」
「森の奥を」
「ホテルにいたままじゃわからないことも多いよ」
先生はこうも言うのでした。
「そこに足を踏み入れないとね」
「そうしないとね」
「あえてその場所にだね」
「入らないとわからない」
「奥の奥まで」
「フィールドワークは学問の基本だし」
それにというのです。
「生物や植物を調べる為にはね」
「野宿もだよね」
「絶対に必要だね」
「これまでもそうしてきたし」
「これからも」
「そうだよ、まあ僕達はこれまでね」
先生はこれまでの皆との様々な冒険のこともお話に出しました、アフリカに行ったり大航海に出たり。他にもキャラバンに出たこともあります。
「外で寝起きしたこともあるし」
「うん、慣れてるよ」
「最近なかったけれどね」
「これまで通りにね」
「やっていこうね」
「むしろね」
今回はというのです。
「テントと寝袋があってしっかりと携帯食もある」
「そうだよね、この森で何が食べらるかわかっているし」
「そうしたこともね」
「そうしたことも充実してるし」
「知識もあるから」
「これまでの冒険よりもずっと危険は少ないよ」
先生達にとってはというのです。
「油断は出来ないけれどね」
「そうだね、じゃあいざね」
「これからどんどん奥に入ろう」
「そして調べましょう」
「この森をもっともっと」
動物の皆も先生と一緒に勇むのでした、そうしてです。
ページ上へ戻る