闇を祓う者~他人の恋愛見てニヤニヤし隊~
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原作開始
クラス代表決定戦
セシリア覚醒
前書き
タイトル詐欺とはこのことよ!(迫真)
そこまで気にされると、罪悪感を感じてしょうがない。機体を手に入れたのは、千冬姉さんたちと出会った頃だが、モジュール77に籍を置いたのはその頃だ。
「そういえば千冬姉さん、一夏の専用機にはどうせ何処かの天災兎さんが手を加えてるんだろう?」
「確証はないが……束のことだ、多分きっと恐らく奴が確実に手を加えてるだろうな」
「やっぱりな。どうしたもんか、政府の奴らに束姉さんの技術を渡すわけにはいかないからな……。俺達が公になったことで、男にもISを動かせる可能性があることも同時に公になった。その影響で男の力を取り戻そうとしている馬鹿共が俺達の生体データを確実に狙ってくる。しかもその筆頭は世界各国の政府上層部の老害ときた。俺達の生体データと束姉さんの技術さえあれば、世界を牛耳ることも難しくない。全く嫌になるな……本来は人間を相手にしている場合じゃないんだけどな」
「なんだ? 最後の方が聴き取れなかったんだが……」
「いや、何でもない。ただの独り言」
前世の時だってそうだった。上の連中、大臣共は俺達を利用して富を得ようとするし、国民の抗議を抑えるのに俺達を駆り出そうとするし。金を持ってるお偉方の頭の中は何時だって、どの世界だって変わらないんだな……
頭にポンッと冷たい出席簿ではなく、温もりを感じる手を置かれた感覚がした。その出処を見ると、それは織斑先生の手ではなく千冬姉さんの手だった。
「また……思い出しているんだな。お前が前世の記憶を思い出している時は必ず悲しそうな目をしている。きっと私とは比べるのも烏滸がましい位に剣を交え、人の死を見て、その手に掛けた」
俺はそう言われた時に無意識に悠那に目を向けていた。劔森悠那、前世の名はユーナ・ソードフォレスト。俺が初めて手に掛けた人間。
悠那は俺が見ていることに気付くと、ニコッと笑いかけてきた。どうして自分を殺した相手に笑いかけるなんてことが出来るのか。それを言えば、楓だってユーナに殺されている。それでも、生まれ変わったこの世界での2人の関係は親友だ。いやはや、女子という生き物の心理は男には理解出来ない。
「だがな、彼方。お前が覚えている前世の記憶、それは悪いことばかりじゃない。楽しいことだってきっとあった筈だろう?」
「……勿論だ」
そんな訳がない。あの世界が無ければ今の俺はいない。ルナと出会うこともなく、千冬姉さん達と出会うこともなかったのだから。
「影の世界に行けたことは悪いことばかりじゃなかった。勿論、失うモノもあった。でも、あの世界で得られたモノも確かにあったんだ。楓と幼なじみで恋人になれたことが悪いことな訳がないし、影の世界で出会った仲間たちだっている。何より、楓と悠那と再開出来たことが一番かな」
「嬉しいこと言ってくれるじゃない、彼方」
「まさか、アタシまで入ってるなんて驚いてるけどな」
すぐ近くに楓と悠那が来ていた。
「木南、劔森、お前たちはまさか……」
「はい。私は前世で彼方の恋人であり、」
そこで楓は横にいた悠那を見て、
「彼女に殺された木南楓、本人です」
「そしてアタシの前世での名前はユーナ・ソードフォレスト。彼女、楓を殺し、その後彼方によって殺されました」
流石の千冬姉さんも混乱していた。そりゃそうだよな。今ここでは凄まじい人物相関図が展開されているからな。
「ん? ちょっと待て、その話は何時だったか彼方から聴いたことがある気がするぞ。確か、お前が私に剣の在り方を伝えた時に話したのは」
「そう。あの時話した喪った人は楓のこと。そして、俺が初めて手に掛けた敵が悠那のこと。まさか2人に再会できるだなんて思ってなかったけどね」
「木南、劔森、お前たちよく前世で自分のことを殺した奴と仲良く出来るな?」
「それが前世で起こった出来事だからですよ。前世では敵として出会ってしまったけれど、元々彼女とは仲良く出来そうだと思ってましたから。
せっかく生まれ変わって普通に出会えたんだから、前世の分まで仲良くしたいと思いませんか?」
「それも……そうだな」
「アタシも同じ意見です。過去は消せない。けれど、今は創り出すことが出来る」
なるほどね。そういうことだったのか。
確かに、かつてのユーナとは普通に出会っていたならば親友になれる程に気が合った。その証拠に出会ってまだ二日しか経っていないが、一夏たちの様な昔馴染みと同じ感覚でいられる
「そういえば織斑先生、ずっと気になっていたんですけど、篠ノ之さんの篠ノ之って……」
「ああ、篠ノ之は篠ノ之束の妹だ」
『なん・・・だと・・・』
このカミングアウトに教室内に激震が走った!
「つまりはこの教室には有名人の身内が2人もいるということか!!!!」
「世界王者の弟に、天才科学者の妹がいるクラス……ああ、なんて甘美な響き……」
はーい、こんにちわ〜、天災科学者と一緒にIS作った人がここにいますよ〜?
さて、原作では篠ノ之束を嫌っていたために箒はキレてしまう訳だが……舐めるなよ! うちのモッピーは一味も二味も違う!(ドヤァ
「もしかして、すごくISのこと知ってるんじゃない?」
「篠ノ之さん! ISのこと教えて!」
「すまない、私にISのことで教えられることはないのだ。私はあの人ではないし、開発に携わっていたわけでもないからな」
「そっか……」
「しかし! 姉さんの素晴らしさを教えることは出来るぞ! なんといっても私はあの人の妹だからな!」
「本当に!?」
出たー! 公然での堂々としたシスコン発言ー! そこにシビれる!あこがれ……はしないな、うん。憧れない。憧れてたまるものか。
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「駕狩さん」
騒ぎが一段落したあと、セシリアが話しかけてきた。
「ん? なんだ?」
「まさか専用機を持っていただなんて思いませんでしたわ」
「そりゃ俺は男だからな。考えもしないだろうよ」
「専用機を持っていたからこそ、昨日は決闘を受け入れたのんですのね」
「まあそれも理由の一つではあるが、イギリスの代表候補生がどれ程の実力を持っているのか、知りたかったって云う個人的なモノも入ってるな」
今現在のセシリアの実力がどれくらいなのか分からなくては、こっちもアドバイスのしようがない。
「なるほど」
「だからさ、オルコット嬢。油断なんかで手を抜いてあまり俺を失望させてくれるなよ?」
「もちろんですわ。お二人とも全力で行かせていただきますわよ? 代表候補生の……いえ、セシリア・オルコットの本気を存分に堪能あれ!」
「ほう? そいつは楽しみだ」
「こちらこそ、噂のモジュール77のテストパイロットの実力が楽しみですわ」
そう言うと、セシリアは自分の席に戻っていった。さて、これでセシリアが油断した舐めプをすることはなくなった。あとは一夏が残りの期間で、どれだけISに慣れることが出来るかだ。何がなんでも、セシリアを惚れるくらいに強くしてみせる。
…………じゃなきゃ俺が面白くないだろう!
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放課後である!
「一夏」
「ん?
彼方か。どうしたんだ?」
「アレは持ってきてるよな?」
「当然だ」
念のために確認しておいたが、ちゃんと持ってきていた。どうやら杞憂だったみたいだな。流石一夏だ。
まだ教室に残っていた千冬姉さんにお伺いをたてる。
「織斑先生、この学校って道場みたいな場所ってありますか?」
「ああ、剣道場がある。」
「使わせてもらうことは出来ますか?」
「普段は剣道部が使っているからな。剣道部の奴らに訊いてみんことには分からんな」
「私が剣道部だから部長に訊いてみよう」
箒が知らない間に合流していた。
「なら、頼んだ。剣道場に行こうぜ」
後書き
短いですが、ここから切れる場所がなくなるのでね
ここで終わります。それでは次は戦闘シーンを用意しています
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