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大統領の日常

作者:騎士猫
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本編
  第三十三話 首都戦1

 
前書き
遅くなってしまい申し訳ありません。思うようにかけず、時間がかかってしまいましたorz・・・
感想ご指摘お待ちしております。<m(__)m>
 

 
西暦2115年 11月 13日
ペルシャール・ミースト


「間もなく、ロサンゼルス周辺海域に侵入します」
俺は今シヴァの艦橋にいる。あと少しでロサンゼルス周辺海域に侵入するようだ。
「全艦戦闘配置」
「はっ、全艦戦闘配置。対地対空対水上対水中戦闘用意」
「全火器、レーダーと連動。射撃準備」
俺が戦闘配置を命令するとアラームが鳴って艦橋のLEDが赤色に変わった。

「閣下、レーダーに多数の発砲反応を確認」
「もう気づかれたのか」
一応ステルスしてるはずなんだけど・・・深海清鑑だけは小さいからステルス装置つけなくても大丈夫かと思ったが、それが写ったか?
「いえ、こちらに対してではありません」

「解析の結果が出ました。どうやら味方同士の戦闘のようです」
「味方同士?反乱でもあったのか」
大方平民が暴発したんだろうな。この混乱に乗じて一気に突入するか。
「全艦全速前進。敵が同士討ちしている隙に一気に突入する」
「了解、全艦全速前進」
「敵の通信を傍受しました。”貴族を殺せ””皇帝陛下万歳””人間以下の平民を皆殺しにしろ”という言葉が飛び交っておりますが・・・」

やっぱりか。平民が反乱を起こしたんだな。でも皇帝陛下万歳?あれか?悪魔の貴族の手から皇帝陛下をお救いするって感じか?それとも貴族側が皇帝陛下のお名前をお借りして士気あげしてるのかな?まぁなんでもいいや、さっさと突入して殲滅しよう」
「閣下」
俺がそう考えていると後ろから声がした。振り返ってみるとそこにはハイドリヒが立っていた。
「ハイドリヒか、なんだ?」
「ここは平民派を支援したほうがよろしいかと思います。我々が彼らに味方すれば平民の支持を得ることができ、征服後の統治も楽になるはずです」
なるほど、平民を味方にすれば貴族を殺すのも楽だし、その後の統治もやりやすいということか。
「なるほど、ハイドリヒの提案を承認しよう。全艦に平民側に対する攻撃はしないように通達せよ。それと、平民側の中で一番通信量が多いところを見つけ出し、そこに全チャンネルで呼びかけろ」
「はっ、すぐに調べます」
ほどなくして通信量が一番多い場所が特定され、全チャンネルで呼びかけた。すると3分後通信が開かれた。

「・・・私はロンディバルト民主共和国の大統領、ペルシャール・ミーストです」
俺がそう言っても相手は絶句していて何も帰ってこなかった。
まぁそれはそうだよな。通信が入ってきたと思ったら出てきたのが敵国の大統領だったんだから、今頭をフル回転させて状況把握をしていることだろう。
「・・・なぜ・・なぜ・・ここに大統領が・・・」
2分ほどたつとようやく言葉が出てきた。しかしなぁ、挨拶ぐらい言ったらどうだ?親しくなくとも礼儀ありだぞ?
「まずは、そちらの姓名を名乗っていただきたい。挨拶は基本ですよ?」
「・・・私はレストルト・フォン・リヒトラーデ、国務尚書を務めている」
どっかで見たことあると思ったらそうか、国務尚書か。皇帝の代理人とも呼ばれている男だったな。もしかして貴族の横暴に我慢ならなくなって反乱したのか?ただの平民の反乱かと思ったが、こいつがリーダーなのか。ていうかこいつの爵位ってなんだったっけ?男爵?ありえんな。子爵も違うだろうし・・・。こういう時はグー○ル先生に聞こう。俺は相手にばれないようにキーボードを叩くとグー○ル先生に質問した。
エンターを押すとすぐに回答が出てきた。

『レストルト・フォン・リヒトラーデの爵位は侯爵です』

危ない危ない、危うく伯爵というとこだったぜ。
「これはこれは、リヒトラーデ侯爵閣下でしたか。ご無礼をお許しください」
俺は軽く平謝りをすると話を続けた
「私が遠路はるばるこんなところまで来たのは恐らくあなた方の目的と同じだと思うのですが」
「・・我々と・・同じ・・?」
「こちらの目的は平民に圧制を敷き、暴挙の限りを尽くしてきた貴族どもに鉄槌を下すことです。あなた方の目的もそうではありませんか?」
「・・・確かに・・我々の目的は貴族支配の打破と平民の救済だが・・・・」
「ならば話は早い、我々は同じ目的を持った者同士、戦う必要はないと考えますが」
俺がそういうとリヒトラーデと艦橋の奴らが絶句した。リヒトラーデは2度目の絶句なので、再起動は早かった。
「・・・つまり、同盟を組む、と?」
「別に同盟でなくとも、ただの協力体制という形でも構いません。貴族を滅ぼした後はそのまま友好的な関係を続けるもよし、再び相まみえるのもよし、いかがですか?」
俺の提案にリヒトラーデは少し顎に手を当てて考えると口を開いた。
「・・・そちらの申し出を受けよう。こちらとしても貴国が味方に付いてくれるのは心強い」
艦橋の乗員が”おお!”と声を出した。
「ありがとうございます。では、これより我々はそちらの支援に移ります」
「こちらこそこのような提案をしてくれたこと、ありがたく思う。よろしくおねがいする」
リヒトラーデが礼をしたので俺も礼をして返す。そして頭を上げるとリヒトラーデが色々とあーしてほしいこうしてほしいと要望やら情報やらを渡してきた。どうやらただの反乱ではなく、皇帝も味方に付いたクーデターのようだ。話が終わると双方礼をして通信を切った。
「全艦に次ぐ、今私は皇帝派のリヒトラーデ侯爵と協力体制を取ることを盟約した。これより我が艦隊は皇帝派軍と共同で貴族派軍に当たり、これを殲滅する!各艦はこれより送るデータをレーダーにインプットするように、決して皇帝派軍を攻撃しないよう注意せよ」
俺はそういうとオペレーターにビッテンフェルトにつなぐように指示した。数十秒後にビッテンフェルトが出た。
「ビッテンフェルト少将、聞きたいことは多々あろうが今は何も聞かず命令に従ってもらいたい」
俺は敬礼するとすぐに言った。どうやら質問しようと思ったようであわてて口篭もる。
「6隻ほど護衛として残して皇帝派軍と共同して貴族派軍を叩け。運用は貴官に一任する」
「承知、いたしました」
口調が固いな、終わったら質問攻めされるだろうな。今から考えるだけで頭が痛くなる。
「赤城、加賀、翔鶴、瑞鶴は攻撃機を発艦しろ。水上艦艇及び防衛設備の破壊を優先。余力があれば飛空艦隊の援護をしてくれ」
『『『『了解!』』』』
「空母棲姫」
『ワカッテル、攻撃機ヲ出セバイイノダロウ?』
「そうだ、艦娘の攻撃機と共同で攻撃してくれ。もし余力があれば飛空艦隊の方も頼む」
『了解シタ。全機出スカ?」
「いや、半分でいい」
『分カッタ』
そういえば深海棲艦に空母ってどのぐらいいるんだろう?5万隻ぐらいいるわけだから5千隻ぐらいいるのかな?それにあの小さい格納庫の中に何機入るんだろう。5機入るのかも怪しいぐらい小さいからな。だとしても1隻に5機だと5千隻で2万5千機、とてつもない量だな。

「11時の方向から敵艦接近、数およそ20」
「敵艦隊に旧日本海軍及びイタリア海軍の艦艇と思われる艦艇を確認」
「敵艦解析完了、生命反応1人のみ。恐らく艦娘かと思われます」
艦娘が来たか・・・
「停戦呼びかけてみろ」
「駄目です。通信をすべて遮断しています」
くそっ、機関と武装のみを破壊して戦闘不能にして白兵戦で制圧するしかないか・・・
「装甲空母姫」
『ナンダ?』
「揚陸艦の準備をしておいてくれ」
『?上陸ニハマダ早イト思ウガ?』
「艦娘の艦に乗り込んで白兵戦で制圧してもらいたい」
『ナルホド、艦娘カ。ワカッタ、準備シテオク」
「頼む」

「全艦、砲撃戦用意、機関及び武装のみを破壊し戦闘不能にせよ。間違っても艦橋に当てるなよ」
「はっ、全主砲及び副砲実弾装填!標準合わせ―!」
「了解!全砲塔レーダーと連動、砲撃準備!」
「1番2番3番砲塔発射準備完了!」
「4番5番砲塔も同じく完了!」
「全副砲塔発射準備完了!」
「全艦発射準備完了!」
「よし!斉射始め―!」
「主砲及び副砲、撃ち―方始め―!」

DOOOMMM!!!
BACOM!BACOM!!
GACOM!!

「ちゃくだーーーん・・・・今!!」

ZUDOOOOOMMM!!

「初弾7発命中!」敵艦2隻炎上!うち1隻は右舷に5度ほど傾いています!」
初弾から当てるとは命中精度いいな。2隻炎上か・・・乗り込ませるか・・・いや、第二斉射後にやったほうがいいな。
「3番砲塔、全弾外れてるぞ!斜角調整急げ!」
砲雷長が怒鳴り声をあげると艦橋乗員たちがびくっと跳ね上がった。俺も若干ビビった。

「全砲塔斜角調整よし!」
「装填完了!いつでも撃てます!」
「第二斉射始めー!」
砲雷長が叫ぶと再び爆音が響き渡り、無数の砲弾が向こうの艦娘の艦に向かって行った。
「装甲空母姫」
『モウイクカ?』
「頼む」
『了解シタ。砲撃ハシナイデクレヨ』
「ああ」
装甲空母姫との通信が終わると全艦砲撃中止するように命令した。
俺はすべての命令を終えると艦橋を出て内火艇が収容されているブロックに向かった。

 
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