転生とらぶる
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マブラヴ
1030話
テラフォーミング作業が始まってから数日。今日も今日とて、俺は大型VTOL輸送機のコックピットで座席に寝転がりながら暇を潰していた。
それこそ、1日遊んでいるだけでいい簡単なお仕事ですといった感じだが、退屈は人を殺すという言葉もあるように、この暇な時間だけはどうにもならなかった。
……いや、だからこそ退屈しのぎに空間倉庫から漫画や雑誌、小説とかを持って来ているんだし、食べ物とかも前々から空間倉庫に入っているものを出して食べてたりしているんだが。
「うん、イチゴの果肉が入っているだけあってこのアイスは美味いな」
アイス専門店で幾つも買った中から、ストロベリーのアイスを口に運びながら思わず呟く。イチゴの果汁と果肉をたっぷりと使って作られているアイスで、値段的にもそれなりに高い代物だ。
それでも、この味なら納得の値段だったんだが。
「ん? お、今日もまた始まったか」
アイスを食べながら映像モニタに視線を向けると、そこでは2人の軍人が――囮なので当然軍服は着ていないが――睨み合っており、いつ手が出てもおかしくない状況になっていた。
この2人は、初日に喧嘩していた2人だ。あれから数日が経つが、毎日懲りもせずに喧嘩をしては、上官と思われる筋肉男の振るう拳骨を頭に食らっている。
今もまた、これまで同様に拳を振るわれて2人共が頭を押さえて踞っていた。
懲りないというか、こうして何日経っても同じようなやり取りをしているのを見ると、余程に相性が悪いんだろうな。
普通ならお互いに妥協点を見つけるなり、あるいは相手を無視するなりしそうなものだが、あの2人は目を合わせては喧嘩、会話をしては喧嘩、はたまた何が何でも喧嘩といった具合にやり合っている。
下手をすれば30分や1時間に1度程度の割合で喧嘩してるんじゃないのか? そんな風にも思えるが、それでもあの筋肉の上官が配置換えの類をしていないところをみると、何らかの理由はあるんだろう。
実はああ見えて仲のいい喧嘩友達だったり? ……ないない。
「にしても、本当に奴等が来る様子がないな。どう考えてもシャドウミラーが見張っている場所は狙い目に見える筈なんだが」
俺が待機している重慶ハイヴ近くでも、何ヶ所かでテラフォーミング作業は進んでいる。だが、ここ以外の場所では帝国軍や斯衛が厳しい警備体制を築いており、テロリストにしても攻撃を仕掛けるのは不可能だろう。
それは、例えアンバール基地で奪った武器や兵器があっても同様だ。
確かにある程度の武器や兵器を奪われたのは事実だが、それにしたってその数は所詮知れている。
例えテロリストがそれらを使ってどうこうしようと思っても、同等の装備をしている正規の軍人相手に攻撃するよりは、どう考えても警護の手が回っていないと思われるこっちを狙ってくる筈だ。
「けど、来ないんだよな」
勿論俺のいる場所だけではない。他のハイヴ周辺で行われているテラフォーミング作業の場所でも同様に攻撃される気配は全く存在しないのだ。
この辺、テロリスト共がまだそこまでの行動を起こせるだけの余裕がないだけなのか、それとも機を狙っているのか。
恐らく前者だろうとは思うけど。
アンバール基地での交戦で向こうもかなり数を減らしている筈だし。
ただし、テロリストにしてみれば人の命の値段は武器よりも余程安い代物だ。……ああ、でもそう潤沢に人材を補充出来なくなったのを思えば、そこまで安いという訳ではなくなったのかもしれない。
それに……俺達が警戒しているのは恭順派。正確にはキリスト教恭順派だ。このマブラヴ世界では日本でキリスト教が殆ど広まっていないだけに、キリスト教関係者を作るのも難しいし、外国人が動き回れば非常に目立つ。
俺の知っているような日本であったり、ネギま世界の日本であったりすれば、まだ恭順派が動いてもそれ程目立つ事はなかっただろう。
だが、このマブラヴ世界の日本ではキリスト教そのものが殆ど日本で広まっていない。
何しろ、クリスマスですら知らなかったり、知っているけどそれが何? って奴が多い。それこそ、俺が知っているように年末になればクリスマスのイルミネーションで街中が飾り立てられたりする事は一切ない。
それだけキリスト教という存在と縁遠ければ、日本の勢力圏で恭順派が自分達の人材を確保するのは難しいだろう。
そう考えると、重慶ハイヴの近くで俺が待機しているってのはかなり無駄な気がしてきた。
いや、確かに働いている者達に混じって内部から云々ってのは難しいかもしれないが、外から攻撃する分には全く問題がないという面もある、か。
特にアンバール基地からリニアガン・タンクを持ち出している以上遠距離からの攻撃というのは普通に有り得るし。
まぁ、何らかの機体やら戦車やらが近づいてくれば設置した機器がそれを知らせてくれるから問題はないと思うが。
「……さて」
ともかく、毎日恒例の喧嘩を見終えると、手に持っていた本を空間倉庫に放り込んで倒した座席の上で寝転がりながら考える。
考える内容は、テロリストに対する備え……とではなく、ムウとナタルの結婚に関してだ。
ナタルの引き抜きに関してはエザリアに任せているので特に心配はしていない。心配しているのは、結婚祝いに何を贈るかだ。
結婚式やら何やらに関しては、ナタルからの希望によりオーブで行われる事が決定した。それに関しては、シャドウミラーからも多くの参加者が出るだろう。
勿論俺を始めとして男連中も――ムラタは分からないが――出る筈だ。
それと、他の世界からでもムウの知り合いとかは参加する可能性が高い。
住居に関しても、将来的にはシャドウミラーに移籍……移籍か? まぁ、ともかくホワイトスターに移住してくることは半ば決まっているから、引き継ぎやら何やらが終わるまでは特に新しい建物に引っ越すとかじゃなくて、今の場所にそのまま住むらしい。
……ちなみに、引っ越しに関してはムウからの要望により俺が手伝う事に決まっている。
まぁ、普通にオーブからホワイトスターまで荷物を運ぶとなると大変なのは事実だからな。その点、俺の場合は荷物を纏めておいて貰って空間倉庫に収納すれば手間も掛からないし、普通にオーブからホワイトスターに移動するだけで荷物の運搬も終わる。
後はホワイトスターにある家に行って荷物を空間倉庫から出せばいいだけなのを考えると、色々と便利だよな空間倉庫って。
ちなみにホワイトスターの家に関しては、後でナタルとムウが2人で居住区画に行って選ぶらしい。
居住区画は交流区画と違って、かなり空いているからな。どれでも選びたい放題となっている。
尚、家選びをするのがムウとナタルだけで、レイが入っていないのは、単純にホワイトスターの移住を機にレイが一人暮らしを始めるからだ。
元々レイがムウと一緒に住んでいたのは保護者という名目があったから。ちょっと言い方は悪いが、監視役に近いと言ってもいい。
だが、結局レイは今までデュランダルに情報を流したりは一切していない。
勿論通信で連絡を取って話をするくらいの事はしていたが、それは別に問題ない。
それで高校を卒業し、晴れてシャドウミラーの実働班に入ったレイは、これを機に独り立ちする事に決めた訳だ。
ムウは笑ってすんなり認めたが、ナタルは色々とごねていたらしい。
ああ見えて、結構子供好きなところがあるというのは予想外だった。
元々が軍人の家系に育ったナタルだ。その辺の割り切りは出来ていると思っていたんだが。
いやまぁ、別にそれが不愉快だって訳じゃないんだけどな。
ムウやレイと一緒に数年暮らしてきたのがそこまで影響を与えたんだろう。
引き継ぎと言えば、ニヴルヘイムの司令官を臨時でやっていたエザリアからもナタルに引き継ぎをした方がいいんだが……その辺はもう暫く後だろうな。
今はオーブ軍の軍人としての引き継ぎが色々な意味で忙しいだろうし。
……ただ、ナタルをニヴルヘイムじゃなくてシロガネの艦長にするっていうのも最近はありかもしれないと思っている。
純粋に軍人としての能力を考えれば、マリューよりもナタルの方が上な以上、シャドウミラーの旗艦であるシロガネの艦長をナタルに、ニヴルヘイムの司令官をマリューにという配置がベストな気がするんだよな。
その辺はもう少し実働班を交えて話を詰めていく必要があるが。
ヘリオポリスで初めて会った時のナタルであれば、正直シャドウミラーに引き込みたいとは思わなかっただろう。
幾ら軍人としての能力が高くても、杓子定規というか臨機応変さに欠けるというか……それが緩和されたのは、やはりムウという存在があってこそだろう。
その後、ドミニオンの艦長として俺達の前に立ち塞がったのを、ムウからの要望を聞いて助け出し、最終的にはオーブ軍に。
この時点でかなり柔軟な対応をするようになり、ブリッジクルーからの信頼も厚くなったらしい。
勿論厳しいところでは十分厳しいから、その辺に関してはシロガネのブリッジクルーでもある美砂と上手くやっていけるかどうかは不明だ。
円辺りは何だかんだと結構真面目だから、意外と気は合うかもしれないが。
そもそも、従者組と言われているあやか達4人とナタルというのは接点が殆どない。……まぁ、それも当然だろう。片方はSEED世界のオーブ軍の軍人であり、もう片方はネギま世界で数ヶ月前まで高校生をやっていたのだから。
これがまだ、ナタルがシャドウミラー所属であればあやか達がホワイトスターにやってきた時にも遭遇する機会があったんだろうが……
考えてみれば、あそこまで生真面目なタイプってのはシャドウミラーにいなかったんだよな。敢えて上げるとすればコーネリア、スレイ、エザリアってところだろうが、3人が3人ともシャドウミラーのメンバーとして過ごしている間にどこか柔らかくなってきたからな。
それが俺のせいだとは言えないし、言わないし、言いたくないような気もするが、そこを責められると否定出来ないのも事実だったりする。
っと、考えがずれたな。結婚祝いに何を渡すかだったか。
こういう時って何を渡すのが一般的なんだろうな? 無難にワインとかか?
シャドウミラーってことで、まさかメギロートやイルメヤを個人資産として渡す訳にもいかないだろうし。
ああ、そういう面では家事の疑似経験や疑似記憶を身につけた量産型Wを渡すってのはありか?
ゴツいヘルメットを被った量産型Wが家の前の掃除をしたり、洗濯物を干したりしているのは、オーブでは色々と悪目立ちしそうだが……どうせホワイトスターに引っ越すまでの短時間だし。
それに量産型Wがいればシャドウミラーの関係者として、妙なちょっかいを出される事もないだろう。……出されるかどうかは別として。
それにナタルは軍人として、それもオーブ軍の最精鋭部隊でもあるアークエンジェルの艦長として忙しく、ムウもムウでシャドウミラーの実働班として忙しい。
以前はレイがある程度家事の手伝いが出来ていたらしいが、そのレイも今は歴としたシャドウミラーの実働班だ。
その辺を考えれば、家事手伝い型量産型Wというのは見た目はともかくとして、能力的には十分過ぎる程に有用な存在だろう。
……そう、見た目はともかくとして、だ。
一家に一台ならぬ、一家に一人量産型W。……シャドウミラーでなら結構流行るかもしれない。
そう言えば、量産型Wは次のロットから若干パワーアップするんだよな。具体的には筋力が1割程上昇するらしい。
これに関しては、門世界で捕獲したオーガを研究した成果だという話だ。
G元素とは違ってあっさりと結果を出した辺り、さすがにレモンの専門分野と言うべきか。
……いや、専門分野か? 確かに人造人間に関してはレモンの専売特許だが、レモン自身はあらゆる研究内容に手を出している。
ぶっちゃけ、レモン自身は万能型の天才と表現すべき存在だ。
元々得意としていた人造人間関係の技術、PTの開発や改造、システムXN関係の技術、それ以外にも数えるのが面倒になるくらいの分野で実力を発揮しているのだから。
更にはパイロットとしての技量も非常に高い。
そういう意味では、高い技術力を誇るシャドウミラーの象徴と言ってもいいような存在だ。
天は二物を与えずとか言うが、才色兼備のレモンは天に二物も三物も与えられている人物。
そんな風に再び考えが脇道に逸れていると、近くにいた量産型Wがこちらへと振り向き、口を開く。
「アクセル代表、アンバール基地周辺のテラフォーミング作業をやっていた囮部隊に攻撃が行われたそうです」
緊急事態や、何か事態に進展があった時のみ使われる通信により入った情報。
……またアンバール基地、か?
その報告に、思わず内心でそう呟くのだった。
後書き
アクセル・アルマー
LV:42
PP:350
格闘:301
射撃:321
技量:311
防御:311
回避:341
命中:361
SP:1402
エースボーナス:SPブースト(SPを消費してスライムの性能をアップする)
成長タイプ:万能・特殊
空:S
陸:S
海:S
宇:S
精神:加速 消費SP4
努力 消費SP8
集中 消費SP16
直撃 消費SP30
覚醒 消費SP32
愛 消費SP48
スキル:EXPアップ
SPブースト(SPアップLv.9&SP回復&集中力)
念動力 LV.10
アタッカー
ガンファイト LV.9
インファイト LV.9
気力限界突破
魔法(炎)
魔法(影)
魔法(召喚)
闇の魔法
混沌精霊
???
???
撃墜数:1179
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