転生とらぶる
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マブラヴ
1027話
日本から崇継、恭子、夕呼、霞、真壁、如月の4人を招いた日から10日程。
その間は特にこれと言って大きいイベントもないままに過ぎ去った。
いやまぁ、そうそう簡単に大きいイベント……例えばBETAの大氾濫のようなのや、恭順派のようなテロリスト達が大規模な行動を起こしても困るんだけどな。
ともあれ、何もしないままでは危険だという事で、それぞれが色々と行動してはいる。
例えば、今は前にも増してBETAの間引きが活発に行われていた。
元々BETAの中でも最も強靱な装甲を持つ突撃級ですら、正面から貫通する威力を持つリニアガン・タンクだ。同時にAL弾頭を始めとして各種ミサイルを放つガン・ルゥや、近接戦闘になった時に護衛を担当する戦術機といった風に、全く異なる世界の機種3種類が上手く組み合わさる事によって、効率的にBETAの間引きが行われている。
BETAの数を減らし、尚且つそのBETAの死骸は俺達シャドウミラーとの取引に使われるのだ。そういう特典があるからこそ、あまりBETAに対して本来であれば積極的ではない後方の国――オーストラリア含む――も、積極的にBETAの間引きに協力し、活躍している訳だ。
おかげで、あれから数万匹規模のBETAの行動は起きていない。……ただし、当然間引きを行えるのは人類の勢力圏と接しているハイヴだけだ。BETAの勢力圏の奥にあるハイヴの間引きを行うのはまず無理なので、どうしてもBETAの勢力圏のハイヴでBETAが増えるのを防ぐ事は出来ないんだよな。
それを防ぐ為には、ハイヴの攻略を進めて人類の勢力圏を広げ、BETAの勢力圏を狭めていく必要がある。あるんだが……生憎と、未だに占領したハイヴの基地化が終わっていないところが大半であり、次のハイヴ攻略作戦は目処が立っていない。
考えるまでもなく、プロミネンス計画で使っているオーストラリアのカリンダ基地にしても、国連軍の多くのリソースを割き、人数を大量に投入しても基地の改修にかなり長期間掛かったのだ。
一から基地を作るのではなく、元々基地のある場所を改修するという形ですらもそうだったのだから、ハイヴという空間はあっても一切基地化はされていない場所に一から基地を作るのにどれ程の時間と労力が必要なのかは、考えるまでもないだろう。
そして、BETAに関してではなくテロリスト共に関しても捜査は難航している。
アンバール基地から多くの兵器や武器を盗んでいったテロリスト共だが、その足取りは殆ど掴めていない。
ただ、BETAの誘因にF-15Eを使っていた事からアメリカに手を貸している者がいるのは間違いないという事で、アメリカ政府が急いで捜査に乗り出したのだが……どこぞの軍人の死体が見つかった事で終わりを告げる。
正直、本物の黒幕が行ったトカゲの尻尾切りにしか思えないが、それでも一応の決着が付いてしまった以上は表だっての捜査は出来ない。
勿論裏では捜査が続いているのだろうが……取りあえず、見て分かる程の進展はない訳だ。
ともあれ、事態が殆ど動いていないように見えて裏ではジリジリとだが動いている中……俺の姿は、ホワイトスターの交流区画のレストランにあった。
ただし、お馴染みの超包子ではない。懐に優しい超包子とは違い、こちらはある程度高額な支払いが必要になるレストランだ。
基本的にホワイトスターの交流区画にはリーズナブルな店が多いが、異世界間貿易のハブステーション的な立場である以上、当然この手の高級な店もそれなりにある。
俺自身が利用するのは滅多にないけどな。
いや、ホワイトスターに出店しているだけあって、料理の味は決して悪い訳じゃないんだが、この堅苦しい雰囲気があまり好みじゃない。
だが今日はムウが是非この店でって要望で、ついでにムウの相談に乗るって事で奢りって事になって、こうしている訳だ。
「で、相談ってのは何だ? こうして改まった席を用意するって事は、何か重大な事があるんだろ?」
前菜として出された鴨のテリーヌを口へと運びながら、ムウへと尋ねる。
「あー……出来れば食事が済んでから詳しい話はしたかったんだけどな。まぁ、しゃーねーか」
テリーヌをナイフで切り、フォークで口へと運びながら呟くムウ。
一応大事な話だという自覚はあるのだろう。コース料理を頼んだ時に、ワインではなくどこぞの山麓の湧き水のミネラルウォーターを頼んでいた。
いやまぁ、純粋に俺がアルコールを苦手としているという点もあるんだろうけど。
以前までならともかく、酔っ払ってシステムXNを起動させてマクロス世界にまで転移してしまったのを考えると、どうしてもその辺に関しては厳しくしなければならないらしい。
きちんと法律の類で決まっている訳ではないが、ホワイトスターにやってくる者達には暗黙の了解として、俺にアルコールを飲ませないようにという話が伝わっているとか何とか。
そんな風にすれば、俺に対して害意を持っている奴が酒を飲ませようとするんじゃないかとも思うが、その辺の心配よりも何も知らない者が俺に酒を飲ませるような事をしかねない方が重要だと判断されたらしい。
俺自身も相手の悪意に関しては敏感だというのもあるし。
まぁ、前科がある俺としては否定出来ない事実だが。
ともあれ、ミネラルウォーターで口の中をさっぱりとさせたムウが、いつものふざけた表情ではなく真面目な表情で口を開く。
「なぁ、アクセル。俺がお前と会ってから、随分と経つよな?」
「……まぁ、そうだな」
ムウと初めて会ったのは、俺がSEED世界に転移したヘリオポリスでだ。ストライクを含む機体の護衛としてやってきたムウが、ヘリオポリスの外で戦っている時、俺達がいる中に突っ込んできたのが最初か。
「で、まぁ、色々とあってアクセルをアークエンジェルの傭兵として雇って地球に降下して、地球連合のサイクロプスで纏めて殺されそうになって、オーブに向かった訳だ」
「本当なら、お前の場合はアークエンジェルから他の場所に転属になってたんだから、こっちに来る必要はなかったんだけどな」
「ふんっ、一緒に戦ってきた仲間をそう簡単に見捨てられるかよ」
俺の言葉に鼻を鳴らし、料理へと手を付けるムウ。
「で、俺達の世界の戦いが終わって、戦後処理して、結局俺はシャドウミラーに入る事を決めた訳だ。……まぁ、艦長がシャドウミラーに入るのは、お前との関係を考えれば予想してたけどな」
そういえば、アフリカに降下してからマリューに告白されて一夜を過ごした時もムウに見破られたんだよな。
「それからも、色々とあったよな。ブルーコスモスのテロでアクセルがネギま世界に行ったり、OGs世界で邪神みたいなのと戦ったり、ギアス世界を陽光が統一するのを助けたり、酔っ払って気が付けばアクセルがマクロス世界に行ってたりと。そしてマブラヴ世界でBETAと戦ったり、ホワイトスターに生み出された門を使って帝国が侵攻してきたり」
「……こうして聞くと、色々な意味で中身が濃い生活だったんだな」
改めてムウの口から聞くと、何と言うか物凄く濃い日々だ。
小説とかアニメとか漫画とかになったりしたら、相当長く続いていそうな話だな。
いずれ……そう、本当にいずれ、将来的に俺のやってきた事が本とかになるとすれば、物凄く長い大長編になりそうな感じだ。
それこそ俺の知っているアニメだと銀河英雄伝説以上の超長編といった感じで。
そんな風に思っていると、やがてムウが小さく咳払いをする。
ようやく本題か。
「ん、コホン。で、だ。俺がナタルとつきあい始めてからも、既に数年になるだろ? それに俺も30歳を過ぎたし、ケジメを付けようと思ってな」
「……ケジメ?」
そう言われて、思いつく言葉は1つしかなかった。即ち……
「結婚か?」
「……ああ」
少し照れくさそうに、頬を赤くしながら頷くムウ。
それこそナタルが頬を赤くしているのなら見応えはあるだろうが、ムウが頬を赤くしてもな。
にしても、結婚か。確かにムウも既に30を過ぎているんだし、身を固めてもいい頃だな。
「シャドウミラーきっての遊び人でもあるムウが身を固める、か。色々と感慨深いものがあるな」
「……おい。誰が遊び人だ、誰が。遊び人って言うなら、どう考えても俺よりもお前だろ。1人2人ならまだしも、9人も恋人作ってハーレムを築いている奴の言う台詞じゃないぞ、それは」
「まぁ、そっちに関しては否定出来ないが、きちんと手を出した相手は責任を持って引き取ってるんだし、一般的な意味では遊び人って言わないだろ?」
「いやいや、どう考えても違うだろ。アクセルを遊び人って言わないで何て言うんだよ」
「……ほう?」
なるほど。ムウがそう言うのなら、こっちも手札を切ろうか。
「ネギま世界の渚の園」
「……なっ!?」
一瞬俺が何を言っているのか分からないといった風に視線を向けていたムウだったが、やがて何かに気が付いたのだろう。目を大きく見開いてこちらに視線を向けてくる。
そこへと放たれる第二矢。
「ギアス世界の夜の音階」
「お、おい。お前どこで……」
そして最後に息の根を止める為の一矢。
「マクロス世界の天女の館」
「……分かった、分かった。俺が悪かった。お前の言う通りだからそれ以上は止めてくれ」
ついに観念したのか、両手を挙げて降参するムウ。
そう。今俺が口にしたのは、いわゆる夜の店だ。ただし、風俗の類ではなくホステスと一緒に楽しく酒を飲む為の店なのは、ムウにとっても救いだったろう。
ただし、そういう店ではあっても10日で3軒ともなれば、ちょっと行き過ぎなような気がしないでもない。
特にムウはこれからナタルと身を固めるって話だし。
「ったく、どっからそんな情報を得たのやら。分かったよ。俺が遊び人で構わないから、ナタルには内緒にしておいてくれ」
「ふっ、大魔王からは逃げられないって奴だな」
「……ここで言う台詞か? それ」
疲れたように、コップに入っていたミネラルウォーターを口に運ぶムウ。
ただし、その口元に浮かんでいるのは苦笑。
言葉程には嫌がっている訳ではないのだろう。
「それで、だ。ナタルとケジメを付けるって話だが……もうプロポーズはしたのか?」
「……ああ。この前返事を貰ったよ」
ムウにはしては珍しい程に照れたその表情は、初めて見るもののような気がする。
「ま、結婚するって話は分かった。けど、それを俺に話してどうするんだ? 仲人をやれって言うなら別に構わないが」
「あー、いや。確かにそれもあるんだけど。ナタルとちょっと話したんだけど、将来的にナタルをこっちに引っ張って来たいんだよ。それって出来るかと思ってな」
「……なるほど」
まぁ、考えてみれば当然だろう。ムウとナタルは数年の付き合いがある恋人同士でありながら、オーブ軍とシャドウミラー実働班という2つの軍隊に別れていた。
別々の企業に務めている恋人同士というのはそれ程珍しい話でもないが、これが別々の軍隊ともなれば、軍事機密という面もあって色々と話も違ってくるのだろう。
特にシャドウミラーは高い技術力を持つ軍隊だけに、その辺は余計に。
「将来的となると……具体的にはどのくらいだ?」
「その辺はナタルとも話したんだが、今、ナタルはオーブ軍のアークエンジェルで艦長をやっているだろ? その後釜が出来たらオーブ軍を引退して、シャドウミラーに来たいって考えているらしい」
「……責任感の強いナタルらしいと言えばらしいな」
それこそ、オーブ軍の最精鋭部隊の艦長を務めていた人物がシャドウミラーに入るというのは、オーブ軍としては色々と思うところもあるだろう。
それは、オーブとシャドウミラーの関係が良好であったとしてもだ。
だが、オーブとシャドウミラーの立場を考えれば、こちらとしても多少の無理を押し通す事が出来るのは事実。
勿論そんな無理を押し通す以上、オーブに対して何らかの譲歩や見返りの類はしなければいけないだろう。
俺達シャドウミラーは、確かに異世界間貿易をしている世界に対しては上の立場ではあるが、それでも別に他の世界が俺達の属国……いや、属世界とでも表現すべきか? ともあれ、そういう状態ではないのだから。
だが、この件にはこっちも大きな利があるのは事実だ。
ぶっちゃけ、ナタルは純粋な軍人という意味ではマリューよりも上だ。これは元々技術者だったマリューと、代々軍人一家だったナタルの家系を思えば当然と言える。
そして、現在シャドウミラーではシロガネとニヴルヘイムという2つの艦長職や司令職が必要なものがあるのを考えれば、渡りに船と言ってもいい。
それにムウが時の指輪の受信機を身に付けなかったのは、ナタルという存在がオーブにいるからこそだ。そのナタルがシャドウミラーに来るとなれば、将来的に有能なパイロットを1人失うというのも避ける事が出来る。
ただし……
「こっちとしても、かなりオーブに譲歩する必要がある。その事を理解した上での要望と考えてもいいんだな?」
「ああ、勿論だ。それに、ナタルは有能だ。決してお前さんに損はさせないさ」
そんな惚気を聞きながらも、俺はナタルの引き抜きに前向きな態度で肯定するのだった。
……まぁ、オーブとの交渉に関しては政治班に任せる事になるけどな。
後書き
アクセル・アルマー
LV:42
PP:350
格闘:301
射撃:321
技量:311
防御:311
回避:341
命中:361
SP:1402
エースボーナス:SPブースト(SPを消費してスライムの性能をアップする)
成長タイプ:万能・特殊
空:S
陸:S
海:S
宇:S
精神:加速 消費SP4
努力 消費SP8
集中 消費SP16
直撃 消費SP30
覚醒 消費SP32
愛 消費SP48
スキル:EXPアップ
SPブースト(SPアップLv.9&SP回復&集中力)
念動力 LV.10
アタッカー
ガンファイト LV.9
インファイト LV.9
気力限界突破
魔法(炎)
魔法(影)
魔法(召喚)
闇の魔法
混沌精霊
???
???
撃墜数:1179
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