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『過去への旅』

作者:零那
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『生死』


暑い暑い、蒸し暑いジトジトした日だった。
僕は灼熱地獄に襲われながら抜け殻になった。

ほんとなら幼虫から成虫になるとこなのに、僕は抜け殻の方。
だって躰はどっか行っちゃったから。

感覚なんて無くなった。
痛いのも苦しいのも辛いのも、全部全部無くなって心も無い。

たまに青虫を見ると思うんだ。
青虫は青虫のままの方が幸せなんじゃないかなって。
だって蝶や蛾になって飛べたとしても食べられるでしょ。

ほら、誰かが飛び出した君を見てる。
禍々しき黄色と黒の縞模様。
女郎蜘蛛が君に狙いを定めてる。

 
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