もしも、コナンの正体が新一だとばれてしまったら・・・
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小五郎と英理の反応
ある日の昼下がり、毛利探偵事務所に小五郎の怒鳴り声が響いた。
「なんだと!? もっぺん言ってみろ!!」
電話の相手は別居中の妻・英理だった。
「だ・か・ら、“眠りの小五郎”は所詮、嘘っぱち。ささっと看板おろして、あの子に譲って差し上げたらいかがかしら?」
「誰があんな探偵坊主に! 第一な、あいつは蘭の事――――。」
小五郎は勢いに任せて立ち上がった。キャスター付きの椅子が壁に当たり、音を立てる。
「だましてた……。そんな事、百も承知だけど、私たち親がとやかくいう事じゃないんじゃなくて?」
急に落ち着いた口調に変わる英理に、悔しげに歯ぎしりをする小五郎だが、弁護士特有の客観的かつ威圧的な物言いに言い返す事は出来なかった。
「それに、蘭なら大丈夫よ。ただ眠るしか能のない貴方とは出来が違うもの。」
そう言いながら、電話の向こうの英理は受話器を肩で押さえながら腕時計を確認する。もう出ないと次の依頼者との待ち合わせに間に合わない。
電話口から聞こえる小五郎の怒鳴り声を無視して、英理は受話器を置いた。
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