ソードアート・オンラインーもしもあの時、サチが死ななかったらー
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SAO
朝露の少女
第28話
前書き
なんだかんだで、キリサチ傾向で行かせて頂きます。ですので、キリサチユイ傾向となります。
今回は原作“朝露の少女”のユイとの出会い辺りまで書きます。
クラディールの一件から一夜明けた10月下旬、55層^グランザム^の<血盟騎士団>本部の会議室。
キリトとサチは、団長のヒースクリフと話していた。
ヒースクリフ『クラディールの件は本当に済まなかった。改めて謝罪させて貰おう。』
ヒースクリフは、キリトとサチに会釈した。
キリト『いや、別に構いません。それより……』
サチ『ギルドの有り様に不満を感じたので、一時退団を申請しに来ました。』
キリトとサチはヒースクリフに言った。理由はヒースクリフの耳にも、ある程度届いている。アスナから聞いたのだ。キリトとサチが結婚する事も、アスナから聞いての事。
ヒースクリフ『事情は既に聞いている。団員にはある程度話してあるから安心したまえ。だが、君らは暫ししたら、再び戦場に戻る事になるだろう。』
ヒースクリフはこう言って2人を返した。
ヒースクリフ『(ハア〜、やっと安心出来る。)』
2人を返した後、ヒースクリフは心の中で安堵した。実はヒースクリフはこの間の一件以来、サチに対して危機感に近いものを抱いていた(本作第25話を参照)。これで暫く厄介払いが出来ると思って安心しているのだ。
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その後キリトとサチは、50層のホームを売り、更に手持ちのレアアイテムをエギルの元に売り捌いて金の作った後で、22層の一角にあるログハウスを買った。それ程大きくはないが、2人で住むには充分な大きさだった。
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因みに、2人が結婚した事は、エギルやクライン,更にアスナ,シリカ,リズベット,ヨルコ等に知らせた。
エギルやヨルコ達は祝福したが、アスナ達3人(アスナ,シリカ,リズベット)は大いに悔しがったとか……
クライン至っては、キリトに嫉妬の念を燃やしたとかないとか……
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それから1週間後、キリトとサチのホーム。
2人は1週間程前に結婚し、22層の一角の村にあるログハウスに引越した。その村の人達はとても親切で、キリトとサチはすぐに仲良くなった。
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そして今2人は、寝室のベッドの上に寝転がっていた。現在時刻は午前7:55。キリトはまだ寝ていたが、サチは起きていた。
サチ『そういえば、キリトって歳は幾つなのかな?。』
サチは呟いた。普段からキリトを見て来たサチにとって、キリトの年齢については今でも検討がつかなかった。何時もは年上と見て来たが、改めてキリトの寝顔を見ると年下に見えてしまうサチだった。
とはいえ、そういう事を聞くのはタブー。だが、現実世界で再び会うには、名前,電話番号等は前持って言っておくべきである。
そうサチが思っていた時…、
キリト『うっ、うん……。』
キリトが目を覚ました。
サチ『おはよう、キリト。』
キリト『おはよう、サチ。』
2人は挨拶を交わした後、部屋着に着替えて1階に下り、サチが作った朝食を摂った。朝食は、トーストの上に載せた目玉焼きとサラダと麦茶。
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朝食を食べ終えて食器を片付けた後、2人はソファーに腰掛けた。
サチ『ねぇキリト、今日はどうする?』
サチはキリトに聞いた。
キリト『そうだな…そういえば、面白い場所があったかな……。』
キリトは何かを思い出した。
サチ『えっ、どこ?』
キリト『行ってみるか?』
サチ『うん。』
キリトの言葉にサチは同意。そして2人は支度を済ませて家を出た。
数分後、2人は森を割くように延びる小道を歩いていた。この時2人は手を繋いでいた。
サチ『キリト、キリトが言う場所ってどこ?。』
サチはキリトに聞いた。
キリト『うーん、もう少し先かな。』
サチ『ふーん。』
そんな会話をしている内に、2人は湖の畔(ほとり)までやって来た。
サチ『それでね……』
キリト『へ〜、……』
2人が会話をしながら歩いていると…、
『『『……。』』』
湖畔で釣りをするプレイヤー数人が、2人に気付いた。そのプレイヤー達は、2人を見て和やかな表情を浮かべている。しかも手を振って来たプレイヤーも少なからずいる。
『『……。』』
キリトとサチも手を振って答えた後、その場から立ち去り、森の中に入って行った。
キリト『この前、村の人から聞いた話によると、この辺りで出るんだって。』
サチ『えっ、何が……?』
キリトの言葉に、サチは聞き返した。
キリト『幽霊が……。』
キリトは立ち止まって言った。
サチ『それってまさか…本物……?それとも、ゴースト系のモンスター、鎌を装備した奴……?』
キリト『噂だと本物らしいぞ、小さい女の子の……。』
サチ『〜‼︎』
キリトの言葉を聞いたサチは身震いした。
サチはそれなりに怖い方だが、アスナ程ではない。どちらかと言うと、同じ年代の女子並といったところだろう。
キリト『ゲームオーバーとなって死んだ女の子プレイヤーが、夜な夜なフィールドを彷徨っているとかないとか……。』
意味あり気な言い方で話すキリトに、サチは段々怖くなって来た。
≪ガタンッ‼︎≫
サチ『⁉︎』
森の奥から聞こえて来た物音にサチは反応した。
キリト『それで、何でもそろそろなんだよ。』
サチ『その…場所…が……?』
キリト『ああっ……。』
キリトの言葉に、サチは怯えながら聞き返した。
そして、キリトは更に続けた。
キリト『噂によると1週間程前、ウッドクラフトのプレイヤーが、丸太を採りに来たんだ。夢中になっていたら、すっかり辺りが暗くなって来たから、キリをつけて家路を急いでいると、木陰の向こうに女の子が……。』
サチ『……‼︎』
段々怖くなって来たサチは、無言のままキリトのシャツの袖辺りを握り締めた。
すると…、
≪スウッ≫
サチ『⁉︎』
木陰の向こうを歩く女の子が、サチの目に止まった。これにはサチも驚いた。
キリト『女の子がゆっくりと木陰の向こうを歩いて行く……。』
その間にもキリトは話を続けるが、サチには聞こえなかった。
何故なら、サチは突然姿を現した女の子を発見して気が動転しているからだ。
キリト『サチ、どうかしたか?』
サチの異変に気付いたキリトは、サチに聞いた。
サチ『あそこ。』
サチは女の子がいる方を指差した。そしてキリトの目にも、女の子の姿が映った。
キリト『おい嘘だろ?』
それを見たキリトは、驚きを隠せなくなった。
実の所、キリトはこの話を聞いた時は大方冗談だろうと思っていた。
だがそんな時に、その女の子が姿を現したのだ。驚くのも無理はない。
すると、その女の子はその場に倒れ込んだ。
キリト『‼︎サチ、来い‼︎』
サチ『えっ?待ってよキリト‼︎』
キリトの言葉に、サチはキリトの後をついて行く。
木陰に着くと、そこには1人の女の子が倒れていた。
白いワンピースに膝の所まで届くか否かの長い黒髪。
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先に言っておきますが、彼女の名はユイ。
これがキリトとサチとユイの初めての出会いであった。
後書き
今回はここまで。次回作は、早ければ来週初めか、もしくは今週末に公開の予定。
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