| 携帯サイト  | 感想  | レビュー  | 縦書きで読む [PDF/明朝]版 / [PDF/ゴシック]版 | 全話表示 | 挿絵表示しない | 誤字脱字報告する | 誤字脱字報告一覧 | 

ドリトル先生と森の狼達

しおりを利用するにはログインしてください。会員登録がまだの場合はこちらから。 ページ下へ移動
 

第三幕その五

「変なこと聞いて悪かったね」
「いいよ、じゃあ僕達のことはね」
「もっとお話してくれるかな」
「そうさせてもらうよ」
 猪もこう答えてでした、狐と一緒にです。
 自分達とこの辺りの仲間のことも先生にお話しました、先生は二匹とお話を終えてでした。
 そのうえで、です。二匹に穏やかな声で答えました。
「有り難う、よくわかったよ」
「うん、満足してくれたのならね」
「僕達も嬉しいよ」
「この辺りの生態系は思ったよりいいね」
 先生は満足しているお顔で述べました。
「本当に何よりだよ」
「もっと悪いと思っていたんですね」
「環境破壊の問題は何処でもあるからね」
 先生はトミーにこのことは暗いお顔でお話しました。
「だからね」
「それで、ですね」
「うん、僕も気にしていたんだ」
 そうだったというのです。
「鹿の害も気になっていたし」
「この辺りの野生の鹿ですね」
「大台ケ原の鹿が増え過ぎてね」
「木の皮まで食べて」
「木が傷んで枯れたりして大変だったっていうからね」
 だからだというのです。
「それでどうなのかって思ってたけれど」
「うん、それでもね」
「この辺りは大丈夫ですね」
「とりあえず今僕が調べただけではね」
 先生はそのことを喜んでいるお顔でトミーに答えました。
「本当に何よりだよ」
「じゃあ鹿の皆にも聞きますね」
「是非共ね」
「ああ、鹿さん達ならね」
「もっと奥にいるよ」
 狐と猪が先生達に答えました。
「ちゃんとね」
「いるからね」
「結構な数がいるけれど」
「それでもね」
「多過ぎるまではね」
「いないよ」
「適度な数というんだね」
 先生は二匹のお話を聞いて述べました。
「ならいいよ」
「うん、じゃあね」
「鹿さん達ともだね」
「お話するんだね」
「そうするんだね」
「そうだよ、そのつもりだよ」
 まさにとです、先生も答えてでした。
 狐、それに猪と今は別れました、それからでした。
 皆で一緒にでした、森の奥に進みました。そうして鹿達のいる場所に向かいましたがその途中でなのでした。
 ジップがです、お鼻をくんくんとさせて先生に言いました。
「少し先に鹿さん達の匂いがするよ」
「そうなんだね」
「それとね」
「他の生きものの匂いもだね」
「うん、したよ。鼬のね」
「ああ、鼬君のだね」
「匂いがしたよ」
 そうだったというのです。
「すぐそこにね」
「それじゃあ鼬君のお話も聞こうかな」
「それじゃあね」
 こうしてです、先生は今度は鼬の言葉で声をかけました。
「少しいいかな」
「あっ、狐さん達が話していた」
「ドリトル先生かな」
「そうみたいだね、スーツだしね」
「他の人達もいて」
「動物の人達もね」
 いるとです、鼬達はひょっこりとお顔を出してきてでした。
 そしてです、そのうえでその中でお話するのでした。 
ページ上へ戻る
ツイートする
 

全て感想を見る:感想一覧