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異世界系暗殺者

作者:沙羅双樹
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島の時間(2016/03/30 一部修正)

 
前書き
今回は岡島弄りがメインみたいになってます。(笑)

また、あとがきで玉璽(レガリア)の時間から行っているアンケートも載せています。

もう暫く行っているつもりなので、まだ票を投じていない読者様はご協力をお願いします。 

 



【視点:樹】



8月中旬某日。ついに暗殺旅行当日がやって来た。豪華クルーザーで東京から約6時間掛けてやって来たのは沖縄離島・普久間島。ここが夏休み最大の暗殺ステージとなる。

島に着いた俺達は早速ホテルにチェックインし、事前に決めていた部屋割り通りに荷物を持って行こうとした。が、そんな俺達に殺センセーが待ったを掛けてきた。


「皆さん。いきなりですが部屋割りを変更します」
「マジでいきなりだな。ってか、そのV字カット金髪のズラは何だ?GT●の真似か?」
「ちょっと待って!鬼●コスってことはもしかして!?」
「はい。2人1部屋男女混合の部屋割りにしてみました」


そう言いながら新しい部屋割り表を出して来る殺センセー。部屋割りの内容は以下な感じ。

俺&有希子、渚&茅野、カルマ&奥田さん、悠馬&片岡、陽斗&岡野、友人&不破、龍之介&速水、正義&矢田、菅谷&倉橋、三村&中村、竹林&律、吉田&原、村松&挟間。そして、最後が寺坂&岡島だった。

………うん。まぁ、問題が起きそうな組み合わせではない様な気はする。けど、夏休みのしおりにも不純異性交遊云々の項目を作っていた殺センセーが一体どういった心境の変化で男女混合の部屋割りにしたんだ?


「変態終末期の岡島を隔離してるし、組み合わせ的にも問題が起きそうにないペアだけど、教師として男女同室ってのはいいのか?」
「ちょっと待て!俺は隔離されなきゃいけない程の変態なのか!?」
「そうですね。一番危険な岡島君を隔離したとはいえ、普通の教師は男女同室にしたりはしません」
「ちょ、殺センセー!!?」
「しかし、私達のクラスは普通のクラスではなく暗殺教室。暗殺者として男女ペアを組むこともあるでしょう。そういった時の予行演習として、相性のいい者同士で親交を深めるのも1つの手でしょう。
ちなみに寺坂君と岡島君のペアは、寺坂君には申し訳なかったのですが、余り組ペアです。最初は岡島君を個室にして、私が寺坂君と同室になろうとも思ったのですが、それでは本来の趣旨から離れてしまい、意味が無くなってしまいますからね」
「………確かに、触手タコより変態と同室の方が幾分かマシだな」


俺的には別の意図があって組まれている様な気もしたんだが、女子も含め全員が殺センセーの説明に納得したみたいなんで、良しとすることにした。

そして、俺達は各自客室に向かうと、荷物を置いてホテルからビーチへと繋がるオープンテラスに集合した。すると、従業員らしき男が1人(・・)、複数のジュースを持って現れた。


「ようこそ、普久間島リゾートホテルへ。こちらはサービスのトロピカルジュースでございます」


営業用の笑顔を浮かべながらジュースを置いて行く男。なんか怪しい。もし、本当にサービスならどうしてジュースを配る従業員が1人だけなんだ?俺がそんなことを考えていると、ジュースを手にしようとしていた有希子が声を掛けてきた。


「どうしたの、イッキ君?難しい顔してるけど」
「本当だ。イッキ君、眉間に皺が寄ってる!どうしたの?」
「何か心配ごとでもあるの?」


どうやら考えていることが顔に出ていた様で、有希子だけでなく矢田や速水にまで声を掛けられた。


「いや、さっきの従業員が少し変だと思って」
「変って、何が?」
「普通、俺達みたいな団体客にサービスのジュースをたった1人で配ったりするか?少なくとも2~3人は従業員を動員すると思うんだけど……」
「………確かに」
「言われてみたらおかしいよね」
「それじゃあ、このジュースには手を付けない方がいいかな?」
「正直、得体が知れないから手を付けないでくれたら嬉しいな」
「……イッキ君が警戒してるなら、私も手を付けないでおこうっと」
「私も」


俺達4人がそんな会話をしてると、担任にすら変態であると認識された岡島がいきなり現れた。


「イッキ!てめぇ、神崎さんって彼女がいながら矢田や速水にまで手を出す気か!?全くもってけしからん奴め!」
「何言って――って、おい!岡島!!」


いきなり現れた訳の分からない因縁をつけて来たかと思うと、岡島は有希子の傍に置かれていたトロピカルジュースを手に取り、一気飲みし始めた。


「ッ!ぷは~っ!!お前にはホテルで男と組まされた奴の気持ちなんて分かんねぇだろ!だから、腹いせに神崎さんの飲みかけのジュースを頂いた!!」
「いや、有希子はそのジュースに一切手を付けてないぞ」
「何!?ガッデム!!」
「ってか、お前のその行動が周囲から変態と見られる要因になってるって、そろそろ気付けよ」


岡島の予想外の行動に俺はドン引きし、有希子達は絶対零度の目で岡島を見ている。岡島、少なくとも有希子達は完全にお前を変態と認識したぞ。

ってか、警戒していたジュースを飲んでも岡島に対して変化が無い。周りを見てもジュースを飲んだ奴らに特に異常はない。警戒のし過ぎだったか?

有希子達に申し訳なく思った俺が改めてトロピカルジュースを注文しようとすると、吉田と村松が暗殺計画の準備を進める合図でもある班別行動を殺センセーに提案し始めた。

それによって俺はトロピカルジュースを注文する機会を逃してしまったんだが、それが結果として有希子達を救うことに繋がるとは、この時の俺は思ってもいなかったんだ。


 
 

 
後書き
アンケートA

炎の王に相応しいのは誰?

①木村正義……1票
②潮田渚……1票
③吉田大成……0票


アンケートB

轟の王に相応しいのはどっち?

①杉野友人……1票
②寺坂竜馬……1票


アンケートC

契の王に相応しいのは誰?

①倉橋陽菜乃……0票
②茅野カエデ……2票
③原寿美鈴……0票

 
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