FAIRY TAIL~水の滅竜魔導士~
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大切なもののために・・・
シリルたちが戦っていた頃、悪魔の心臓の戦艦では・・・第三者side
「ギルダーツか。マカロフめ、なかなかの駒を持っておる。私とカミューニ以外にブルーノートを足止めできる者がいようとはなぁ。
いや、それ以上に計算外だったのはシリルか・・・指輪の力を借りたとはいえ、カミューニに滅竜魔法を解放させるとは」
ハデスはブルーノートとカミューニの戦いを見、その二人に対抗していたギルダーツとシリルに感心していた。
「さすがに時間がかかったようだが、天狼島の魔力を支配したか」
ハデスは始めからこのつもりだった。アズマを先に島に送り込み、大樹のアークによって天狼島の魔力を支配させる。
天狼樹には特別な力が二つあった。一つは妖精の尻尾のギルドマークを刻んだ者が島で命を落とすことを防ぐこと。
もう一つはギルドの者の魔力を増強すること。
だが、天狼樹が倒されたことにより、妖精の尻尾の加護は無効化され、なおかつ、ギルドマークを刻む者の魔力を奪い続けるのだ。
「これで妖精の尻尾に、万が一にも勝機は消えた。ふははははははははは!!」
ハデスは勝利を確信し、高笑いした。
シリルside
「やばい・・・体が動かない・・・」
俺は立ち上がろうとするがどうにも体に力が入らない・・・どうなってんだこれ・・・
「アズマに助けられた形になっちまったなぁ・・・このままやっても互いに魔力を消耗するだけだったからよぉ」
カミューニは俺にゆっくり歩み寄ってくる。やばいって!!身動きができねぇ!!
「楽しませくれた礼に、じっくりいたぶってから魔法を取り出してやんよぉ」
カミューニは俺の頭を踏みつけようと足を上げる。
向こうではギルダーツさんも力が抜けているのか、ブルーノートに踏みつけられていた。
待てよ・・・もしかして、ウェンディも俺たちと同じ状況なんじゃないのか?だったら、早く助けにいかないと・・・だけど、力が・・・
ピカッ
「なっ!?」
カミューニが足を降り下ろそうとした時、俺の左手に付いている指輪が光り出す。その時、少しだけだが体に力が戻ってきた。
「うおっ!!」
「がっ!!」
俺はカミューニに頭突きをして近くの森に逃げる。森に入ると、すぐに体の力が抜けてしまう・・・
「またあの指輪かよ・・・」
カミューニはそういって顎を擦っている。この指輪にまた助けられたのか・・・ミラさんとウェンディに感謝だな。
俺が木の影に隠れていると、カミューニはこちらに飛んでくる。
「どこいきやがった!!」
辺りをキョロキョロと見回し俺を探しているようだ。今見つかるとマジでやばい!!
カミューニは木の影までしっかりと確認し、俺のことを探している。俺は懸命に息を殺し、身を隠す。
「どこにいやがんだ?まぁいい。時間はたっぷりあるからよぉ」
時間はたっぷりある?もしかして、俺の魔力がないからか?回復するかもしれないだろ?
とも思ったが、回復するどころかますます力が抜けている気がする・・・どうしてだ!?
「しょうがねぇ・・・目を使って探すか・・・」
カミューニはそういって左目を大きく開く。あの左目が水色になった途端滅竜魔法を使えるようになったってことは・・・まさか目に滅竜魔法をつかえるようにする魔水晶を入れてるのか!?
だけど・・・いくらドラゴンの五感がすごくても、さすがに影に隠れてる人影までは見えないはず・・・
「そこか」
「!!」
カミューニの足音が次第に俺に近づいてくる。え?なんでバレた!?
俺はとにかく静かにして気づかれないように・・・
「無駄だぜ!いくら身を小さくして隠れても、俺にはお前の場所が分かっているんだからなぁ」
どんとん近づいてくる足音、そして・・・
「みーつけた!!」
「ウソ!?」
俺の目の前にカミューニが現れた。
「なんで・・・」
「いくら滅竜魔導士でも、木に隠れてる人間を見つけることはできないってか?」
俺はカミューニの言葉にうなずく。カミューニは水色に染まっている左目を指さす。
「この魔水晶は目だけに能力を集中させているらしい。だから他の五感はあまりよくならないが、視覚だけは他の滅竜魔導士よりも優れているってわけだぁ」
「らしい?」
俺はカミューニの言った単語に引っ掛かる。らしいってどういうことだ?
「この魔水晶を俺にくれた奴が教えてくれたんだ」
カミューニはそう言い、俺の首を掴み持ち上げる。
「がっ・・・」
次第にカミューニは手に力を入れていき、俺は苦しくなってくる。
「さんざん時間をかけさせやがって。ったく、苦しみながら死んでいけ」
「ぐっ・・・」
俺はカミューニの手を懸命に剥がそうとするが、力が入らないため全く意味がない。
くそっ・・・どうすれば・・・
俺が何か作戦を考えていると、
パァァァッ
突然倒れたはずの天狼樹が光りを放つ。すると、俺の体に力が戻ってきた。
俺の首を絞めるカミューニの腕を力ずくで引き離す。
「っお!!」
「ちっ」
俺はカミューニから解放されるとすぐに距離を取る。
「水竜の・・・」
「水竜の・・・」
俺は口に魔力をため、カミューニは腕に魔力を溜める。
「咆哮!!」
「津波!!」
俺のブレスとカミューニの魔法がぶつかり合い、弾ける。
「水竜の握撃!!」
すぐさまカミューニは俺に飛び付く。俺はそれを避けようとしたが、
「ぐっ!」
避けきれずにパンチを浴びる。そういえばドラゴンフォースが解けちまったんだ!さっきみたいに戦ってたらダメじゃん!!
俺はすぐに体勢を整え蹴りを放つ。
「水竜の鉤爪!!」
「水竜の蹴撃!!」
俺と同様にカミューニも蹴りを繰り出す。二人の蹴りはぶつかり合い、周辺の木々がなぎ倒される。
「やるねぇ!もうドラゴンフォースじゃねぇってのに」
「当たり前!!お前にだけは絶対負けられねぇからな!!ただ・・・」
「?」
俺はこいつを倒す前に、どうしても一つだけ聞きたいことがある。
「お前は・・・なぜ闇に堕ちたんだ?」
これだけの力を持っていながら、なぜカミューニは正規ギルドではなく、闇ギルドなんかに所属しているのか、それが俺には疑問だった。元は聖十大魔導の一員だったんだ・・・そう簡単に闇に堕ちるようなことはあるはずないと思うんだが・・・
「はっ!闇に堕ちたねぇ」
カミューニは俺から一度距離を取る。
「いいこと教えてやるよ。俺ぁ、別に闇に堕ちたわけじゃねぇよ!」
「・・・え?」
俺はカミューニの言ってることの意味がわからない。
「闇に堕ちてないなら、なんで闇ギルドにいるんだ?」
「闇ギルドにいるから闇に堕ちたって発想が短絡的だよなぁ?俺はよぉ・・・」
俺は次にカミューニが発した言葉に驚いた。
「ハデスを殺すために悪魔の心臓にいる」
カミューニside
今から数年前、俺はとある町で平凡な生活を送っていた。
「お兄ちゃん!!」
いつも通り遅くまで寝ていると、俺の部屋に一人の少女が飛び込んでくる。
「起きてお兄ちゃん!!今日はお仕事ないからいっぱい遊べるんでしょ!?」
少女の名はメルディ。隣の家に住んでいる女の子で俺より5つほど年下だ。
俺は特にギルドには入っていない。ただ、父親が評議院に入っており、それを経由して難しい依頼や正規ギルドが達成できなかった依頼のおこぼれをもらったりしている。
みんなギルドに入れというが、それはもうしばらくしてからでもいいだろうと俺は思っている。
「ねぇねぇ!!」
「はいはい、起きるよ」
俺はメルディに起こされ、ベッドから降りる。
「つーかメルディ、お前は同い年の奴らとは遊ばねぇのか?」
「だって、私はお兄ちゃんと遊んだ方が楽しいんだもん!!」
メルディは笑顔でそう言う。この笑顔が俺はずっと見れると思ってた。こんな平凡な日常が永遠に続くんだと、俺は思い込んでいた・・・あの日が来るまでは。
その日、俺は仕事から町に帰る日だった。予定よりも時間がかかってしまったが、俺は無事に町についた・・・だが・・・
「な・・・なんだよこれ・・・」
俺は帰ってきた町の様子を見て愕然とした・・・建物は崩れ、辺りではたくさんの人が倒れていた。その中に、俺の父も母もいた。
「誰か・・・無事な奴はいねぇのかよ・・・」
俺が無事な者を探そうとした時、メルディの泣き声が聞こえてきた。
「メルディ!!」
俺は声のした方へと走った。そこには、一人で泣き叫ぶメルディがいた。
「メルディ!!」
「お兄ちゃん・・・」
メルディは俺に気づくと目を擦りながら視線を向ける。俺はメルディに目線の高さを合わせる。
「おばさんとおじさんは?」
メルディは首を横に振る。マジかよ・・・
「わかった。ここにいろよ!!すぐに戻ってくるから!!」
俺は他にも無事な者がいないか探しにいく。
「お兄ちゃーーん!!」
メルディが俺をよぶ声がしたが、俺はとにかく町の中から無事な者を探すために走り回った。
しばらく走っても生存者は誰もいない。 すると、誰かの話し声が聞こえる。
俺は柱の影に隠れ、その話している奴らを見る。
話しているのは3人、一人はボサボサの金髪の男、もう一人は白い肌の大きな男、そして長髪の女・・・あいつらが俺たちの町を・・・
「ゼレフの鍵は手に入ったってばよ」
「そうね。私はもう少し町を見回ってくるわ」
「じじ・・・自分たちは一回ハデス様のところに戻るッス」
長髪の女はどこかへ歩いていく。残ったのはあの二人か・・・しゃあねぇ、まずは・・・
「おい!」
「「!!」」
俺は二人の男に歩み寄る。二人の男はこちらに構える。
「なんだこいつ?」
「いい・・・生き残りッスかね?」
「そういうことだってばよ!だったらやることは一つ・・・」
金髪の男は俺に飛びかかってくる。その腕には黒い炎を纏っている。
「炎神の・・・」
「遅ぇよ!!」
俺は男の背後に回り、チョップを入れて地面に叩きつける。
「がはっ・・・」
金髪の男は白目を向いて倒れている。大したことねぇじゃねぇかよ。俺がもう少し早く来てればこんな奴ら・・・
「う・・・ウーウェ、じ・・・自分はつつ・・・強いッスよ!!」
白い男の体が光り始める。その手には何やら人形が握られている。あれがあいつの魔法か?
「シャイニングドドスコイ!!」
「波動波!!」
俺はその白い男の攻撃を受ける前に波動波で吹き飛ばす。
「さっきの女を探さねぇと・・・」
メルディに危害を加えられたら厄介だ。俺は一度メルディの元に戻ろうとした。
「待て」
「!!」
戻ろうとした俺に、背後から声をかけてくる奴がいる。振り返ると、そこには長い髭をはやした白髪のおっさんがいた。
「ザンクロウ、ヒカル」
「はい・・・」
「ウーウェ・・・」
俺がさっき倒した奴らが目を覚ましたようだ。ったく、めんどくせぇなぁ・・・
「お前たちはウルティアを探してこい。こいつは私が相手をしよう」
「わかりました」
「はいッス!!」
二人の男はそういってどこかへ走り出す。
「待て!!」
「敵に背を向けるとは、大した度胸だな」
俺は二人を追いかけようとしたが、いつのまにか真後ろに来ていたじじぃに蹴り飛ばされる。
「ぐはっ!!」
俺は近くの建物まで一直線に飛んでいった。
「な・・・なんつうパワーだ・・・」
「うぬは良い目をしている」
俺の目の前にじじぃが立ち、そう言う。
「特別じゃ。貴様だけは生かしておいてやる」
じじぃはそう言うと、その場から歩き去る。
「待ちやがれ!!」
「もっと強くなってから挑んでこい。待っておるぞ」
男はそう言い、何やら巨大な戦艦に乗り込む。それに、さっきの二人の男と女も乗る。その手には、遠目ではよくわからないが、小さな人のようなものを持っていた。
それがメルディだというのを知ったのは、しばらくしてからのことだった・・・
それからしばらくし、今から2年ほど前・・・俺は意地と憎しみで修行を行い、聖十大魔導の称号を手に入れた。それにはある理由がある。それは・・・
「ウルティアさん・・・ですね?」
「?」
俺は評議院の最高幹部の一人、ウルティア・ミルコビッチに声をかける。振り返ったウルティアは、俺を見て驚いた顔をする。
「あなたは・・・」
「俺の名はカミューニ。お前ら悪魔の心臓が滅ぼした町の生き残りさ」
俺が聖十になんとかして入った理由、それは・・・ウルティアを通じ、俺たちの町を破壊したギルド、悪魔の心臓のマスター、ハデスを殺すためだった。
「あら、私に何のようかしら?」
「実はよぉ・・・」
俺はこの時ウソをついた。お前らのギルドに入りたい。だから俺をマスターに紹介してくれないかと伝えた。ハデスの目の前にさえいければ、不意をついて殺害することも可能。そして、メルディを助け出す。
作戦はうまくいった。俺は悪魔の心臓の一員になるフリをしてハデスの目の前まで到達し、ハデスに攻撃を仕掛けた。だが、返り討ちにあってしまった・・・俺の力じゃ、ハデスを倒すことはできなかったんだ・・・
てっきり俺は殺されるのだと思った。そしたら・・・
「お前・・・我がギルドに入らないか?」
ハデスはいきなりそういった。俺は頭がおかしいのかと思った。なぜ自分に恨みを持ち、殺意を抱いている者を仲間に誘うのか・・・理解ができなかった。俺がそれを聞くとハデスは飄々とした顔でこういった。
「うぬは“一なる魔法”に近づける。それに、私が一なる魔法にたどり着くために、必要不可欠な存在となるであろう」
一なる魔法・・・それが何なのか、俺は興味すら持たなかった、こいつの近くにいれば、いつだって仇を討ち、メルディを解放するチャンスはいくらでも生まれる・・・だから俺は仲間になった。
それから何度も勝負を挑んだが、俺は一度もハデスに勝てなかった・・・
俺は悪魔の心臓に入ってからもしばらくは聖十に名を残していた。ある日、聖十の集まりがあるということで俺は評議院に向かった。そこで、ある女に出会った。
「あなたがハデスを殺そうとしてる人?」
その女は俺と同じ聖十大魔導の一人だった・・・その容貌はひどく幼いように思えた。それもそのはず、その女は俺よりも3つも年下だったのだ。
「そうだが、それが?」
「ふふ~ん。そんなあなたに朗報です」
女は俺にない胸を押し付けてくる。何がしたいのか俺にはさっぱりわからない。
「悪魔の心臓の七眷属と言われる人たちは失われた魔法を使って知ってるよね?」
「ああ」
「失われた魔法はすごい強力なの。だからグリモアのマスターはその魔法を使わせている。つまりね・・・あなたも失われた魔法を身につければ、ハデスに勝てるかもしれないのよ!!」
失われた魔法・・・古に忘れ去られた魔法たち、凄まじい威力と効果があるにも関わらず、現代では使う者はほとんどいない。その理由は、強力な副作用があるため。
女の言う通り、失われた魔法があればハデスに勝てるかもしれない・・・だが、俺にはそれを手に入れる手段がない。それを女に伝えると、女はニッコリ微笑んだ。
「最近ね、この近くに水竜を探している男の人がいるのよ。その人が水の滅竜魔法を使えるようにする魔水晶を持ってるんだって!!」
俺はそれを聞いた時、すぐにその場から駆け出した。その男はすぐに会うことができた。
俺はその魔水晶をくれないか交渉したが、男は首を縦に振らない。だから俺は包み隠さず俺がやろうとしていることを話した。そしたら、その男はその魔水晶をくれるのではなく、貸すということで決着した。
俺はその後聖十を辞退した。水の滅竜魔法を完璧に修得するため、聖十の集まりなんかに時間をとってる暇はなかったのだ。
そしてハデスに挑んだ・・・だが、結果は同じだった。俺はその後、魔水晶を返す約束を破り、現在までこの魔水晶を所有している・・・
シリルside
「そして俺はお前の存在を知った時、お前から魔法を奪い、第三世代になれればハデスに勝てる可能性がある。だから俺はお前と戦っている」
そういったカミューニの目は真剣だった。この人にも守りたい人がいて、それのために戦っているのだと俺はこの時わかった。
「さぁ・・・お話はもういいだろ。ギルダーツもブルーノートを倒し終えたようだし、俺たちもけりをつけようぜ」
カミューニは腕に水を纏う。この人がメルディって人を守りたいのはいたいほどわかる。だけど、俺だってウェンディを守るために、お前を倒さなければならないんだ!!
「お前がその子にどれだけ強い想いを抱いているかはわかったよ。だけど、俺にだって負けられない理由がある!!」
あれをするか・・・ドラゴンフォースが解けてしまった以上、あいつに勝つにはこれしかない。
「モード水天竜!!」
俺は体に風を纏う。それを見たカミューニはなぜか首を振る。
「やめておけよ。お前についてのデータは俺は全て持っている。お前のそれは、魔力の消耗が激しすぎて攻撃魔法を使うとすぐに魔力がなくなることは知っているぞ」
そう、カミューニの言った通りだ。俺が今までいかなる勝負であっても水天竜モードで戦闘をしてこなかったのはそれが理由・・・だけど、お前に勝つにはこれしかない!!
「魔力なんて気合いでなんとかしてやるぜ!!水天竜の・・・」
「水竜の・・・」
「「咆哮!!」」
俺とカミューニのブレスがぶつかり合う。互いの力は互角か?こっちは水天竜モードを使ってるのに、なんて奴なんだ!!
ドカーン
二人の魔法は均衡していたため、爆発する。
「水竜の・・・」
カミューニはすかさず腕に水を纏う。俺も同様に水と風を腕に纏う。
「水天竜の・・・」
「「鉄拳!!」」
互いの拳がぶつかる。すると、
「なっ!?」
「うおおおおお!!」
俺の方が打ち勝ち、カミューニは後方へと飛んでく。
「バカな!!俺が力負けだと!?こうなったらこれで・・・」
カミューニは両手を高々と空にかざす。滅竜奥義か?ならばこっちも・・・
「「滅竜奥義!!」」
二人の声が重なりあう。俺は腕に水と風を纏い、カミューニは両手で巨大な水の球体を作り出す。
「全ての物を天へと返せ!!蛟龍得水!!」
「ウェンディ!!力を貸してくれ!!水中天嵐舞!!」
二人の滅竜奥義がぶつかり合う。負けられねぇ!!俺は絶対負けねぇ!!
「「うおおおおおおおおおお!!」」
ぶつかり合う意地と意地。そして・・・勝者が決まる。
風を纏った水の渦が巨大な水の球体を次第に飲み込んでいく。
「ウソだろ!?」
カミューニはそれを見て表情を歪ませる。
「いけぇ!!」
俺はカミューニの滅竜奥義を飲み込む。
(こんなことが・・・)
カミューニは自分に向かってくる風を纏った渦を避けようとはせず、ただ呆然と見ている。
「参った・・・」
渦はカミューニを飲み込み、空中へと投げ出す。投げ出されたカミューニは重力に従い、地面へと落下した。
「勝った・・・」
俺は小さく呟いて、その場に倒れた。
後書き
いかがだったでしょうか。
カミューニの回想で出てきた聖十の女は今後出てくる予定です。(かなり先ですが・・・)
ちなみにカミューニの滅竜魔法は本当は水の滅神魔導士が出てきた時に使おうと思ってた魔法なんですが、別に出てくる予定が今のところなかったためあえてカミューニに使ってもらいました。
次回もよろしくお願いします。
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