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異世界系暗殺者

作者:沙羅双樹
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策謀の時間(2016/03/30 一部修正)

 
前書き
今話でA・T込とはいえ、磯貝君、前原君、カルマ君、片岡さん、神崎さんのロヴロ氏からの評価が凄いことになってます。(笑)

あとがきで前話から行っているアンケートを続行中です。よろしければ、ご協力ください。 

 



【視点:樹】



夏休み11日目。沖縄離島での暗殺旅行を1週間前に控えた今日、特別講師としてプロの暗殺者がE組校舎にやって来た。

ロヴロ・ブロフスキ。ビッチ先生の師匠で、以前ビッチ先生のE組教師の進退関係でE組校舎に来たことがある人だ。

夏合宿での暗殺計画を暗殺のプロとしての視点から助言して貰う為、烏間先生が直接交渉して来て貰ったそうだ。

で、俺達はそのロヴロさんを前に射撃訓練を行っている。しかも、ただの射撃訓練じゃない。A・Tを使って移動しながらの多方向射撃訓練だ。

A・Tが暗殺訓練に取り入れられて以降、E組では2つの射撃訓練が取り入れられた。1つは動かず――静の狙撃訓練。もう1つは動きながら――動の射撃訓練だ。

で、今行っているのは動の射撃訓練。これが終われば静の狙撃訓練も行われる予定である。ちなみに、動と静でクラス内射撃能力順位は違ってくる。

静の狙撃の場合、総合1位が俺と龍之介。僅差で3位となっているのが速水だ。元々、俺は射撃能力がそれほど高くなかったんだが、大抵のことは見取り稽古で十分に真似られるからな。

現在に至るまで、俺はE組で龍之介、速水、悠馬、カルマといった射撃能力に長けた奴らの射撃訓練を見てきたからな。龍之介が1位を取れるなら、龍之介の持ちえないものを見取って来た俺が1位になるのもある意味道理と言えるだろう。

動の狙撃は、総合1位が俺、2位がA・Tの扱いに長けた有希子とカルマが同率2位となっている。こればかりは見取る相手が当初はいなかったこともあって、基礎は自主練で身に付けた。

今では自分の持ちえないものを有希子やカルマから見取る様になっているけどな。それでも、見取るだけで終わらせず、見取った技術を更に発展させる努力は行っている。

だから、只のパクリ野郎とか思うなよ。まぁ、エア●ギアの南樹も「パクリ最高ォォォ~ッ!!」って言ってたから、別にパクリ野郎でもいいけど。



【視点:ロヴロ】



カラスマから近々、大規模暗殺計画を実行するという連絡と共に、その計画にプロ視点からのアドバイスと生徒の出来を見て欲しいと依頼された私は態々日本までやって来た。

そして、計画の詳細を紙面で見た後、この暗殺教室に所属する生徒の技量を直に見ている訳だが、ここの生徒は金の卵の宝庫の様だ。私の教え子として欲しくなる者が大勢いる。


「随分と熱心に見ているが、このE組の射撃能力に問題でもあるのか?」
「いいや。むしろ、その逆だ。狙撃、移動射撃共に15という年齢でいえば最高の人材が揃っている。特にあの5人は素晴らしい」


私が視線で捉えている生徒は5名。その5名は狙撃、移動射撃の訓練が終了し、自由射撃訓練へと移行したことで各々が最も得意とする訓練をおこなっている。


「あの5人か。……千葉龍之介はE組狙撃ランク総合同率1位。空間計算に長けた狙撃主。速水凛香は狙撃ランク総合3位。手先の器用さと動体視力のバランスが良く、動く標的を仕留めることに優れた兵士と言えるだろう」
「どちらも主張が強い性格ではなく、結果で語る仕事人タイプか。しかし、同じタイプの者なら移動射撃にも2人いるな」
「ああ。南樹と神崎有希子だな。南樹はE組狙撃および移動射撃ランク総合1位。何をやらせてもそつなく熟すというのは、一般的に器用貧乏と捕らわれがちだが、彼に関してはそうではない。俺から見ても彼は本当の意味で天才だ。
そして、そんな彼と共に行動することの多い神崎さんも、彼の影響を受けているのか予想を遥かに上回る速度で成長し、移動射撃ランク総合同率2位だ」
「もう1人は前の4人とは異なり主張の強い性格の様だが、ミナミと同じく何でもそつなく熟せるタイプだな。動きから察するに射撃型というより近接型といった所か?」
「ああ。彼――赤羽カルマは格闘戦において天性の才能を持っている。俺ですら未だ彼の底が見えていない。今後の成長率も未知数といった所だ」
「フフ。この5人に関しては俺の教え子として欲しい位だ。他の者も良いレベルに纏まっている。僅か3~4ヵ月で良くぞここまで育て上げたものだ。
人生の大半を暗殺に費やした者としても、この作戦に合格点を与えることができる。彼らなら並の殺し屋より可能性がある」


この後、ミナミが製作したというA・Tなるものを使った近接暗殺訓練も見させて貰ったが、こっちに至っては射撃訓練より目を引く者達が多かった。

私ですら一撃を与えることができなかったカラスマに対して、加減をされているとはいえ、一撃を加えることができた者が6名もいたのだ。これには驚かされた。

烏間と対峙し、一撃を加えることができたのはイソガイ、マエハラ、アカバネ、カタオカ、カンザキ。そして、ミナミの6名だ。A・Tなるものの性能もあるのだろうが、6名中4名はペアを組ませた時の動きが素晴らしかった。

その4名とはイソガイ&マエハラとミナミ&カンザキだ。この2組のペアは近接戦であれば、熟練の暗殺者であっても返り討ちにできるだろう。それだけの実力とコンビネーションを持っていた。

アカバネ&カタオカもコンビネーションは悪くはなかったが、勝手気ままに動くアカバネをカタオカが終始フォローしていた感があった為、前の2組と比べれば少しばかり評価が下がる。

しかし、アカバネとカタオカはペア戦以外で評価できる点が多くある。アカバネは単体戦闘能力が高く、個人でも十二分に並の暗殺者や軍人を返り討ちにできるだろう。カタオカも協調能力が高い為、どんな相手とペアを組んでもそれ相応の結果を出せるだけの能力を持っている。

今から裏の世界で真の殺し屋として育てれば、6人ともが将来イリーナなど足元にも及ばない最高の殺し屋となれるだろう。それだけの資質を彼らは持っている。

私は6人を見ながらそんなことを思っていたが、その直後に彼ら――いや、ミナミを除く5人よりも殺し屋としての才能に恵まれた子がこのクラスにいることを知った。

ミナミと同レベルで殺し屋の才能に恵まれた、殺し屋になるべく生まれた天賦の才を持った子がいることに………。


 
 

 
後書き
アンケートA

炎の王に相応しいのは誰?

①木村正義……1票
②潮田渚……1票
③吉田大成……0票


アンケートB

轟の王に相応しいのはどっち?

①杉野友人……1票
②寺坂竜馬……1票


アンケートC

契の王に相応しいのは誰?

①倉橋陽菜乃……0票
②茅野カエデ……2票
③原寿美鈴……0票

 
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