転生とらぶる
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マブラヴ
1014話
レモンの報告から1週間が経ち、いよいよホワイトスターと時の指輪を融合させる時が来た。
勿論前もって各世界には連絡済みであるのだが、何故かホワイトスターの交流区画にはいつもよりも大勢の人々が存在しているらしい。更にはシャドウミラー御用達の店として有名な超包子も客が大量に入り、臨時として神楽坂の他にも元3-Aで暇な者達をバイトとして呼んだとか何とか。
何だか、一種のお祭り騒ぎになっているんだが……
いやまぁ、ホワイトスターに時の指輪を融合させるという意味では確かにお祭り騒ぎになってもおかしくないんだが、それはあくまでもシャドウミラーの人間にとってだ。
実際、その時の指輪の効果を受ける事の出来る受信機を受け取れるのは、あくまでもシャドウミラー所属の者だけだ。
あるいは、何らかの手段を使ってその受信機を奪った者がいたとしても、そもそも受信機は持っていた者の魔力に波長を合わせてある。しかもその作業自体が技術部の開発した特殊な機械――科学と魔法のハイブリットである以上、魔法機械と呼ぶべきか――によって行われる。
その辺に関してもきちんと公表してあるので、ホワイトスターに集まっている者は完全に物見遊山な者達という事になる。
……ホワイトスターと時の指輪の融合という初めての試みである以上、色々と危険がある可能性も否定しきれないんだが……まぁ、それを全て承知の上でお祭り騒ぎを楽しむというのなら、それはそれで構わない。
「アクセル君、ごめん。私達もヘルプ来たから、ちょっと超包子の方に行ってくるね! 桜子が悲鳴上げてるみたい」
「あはは。まぁ、こんなに人数が集まるとは思ってなかったしね」
「ああ、分かった。頑張ってきてくれ」
円と美砂がそれぞれ苦笑を浮かべながら家から出て行くのを見送る。
まぁ、あの2人は実働班とは言ってもブリッジクルーを兼任しているからな。基本的に戦闘がない時はそれなりに暇だ。
実働班の所属という事でPTの操縦訓練にも参加しているけど、どちらかと言えばやはり生身がメインな為か、あまり得意ではないらしい。
……まぁ、実働班の訓練では異様に体を動かすから、体調管理に関する心配がいらないのは唯一の救いだとか言ってたが。寧ろ、実働班の訓練に参加するようになってから女らしい柔らかさは残したまま身体が引き締まっているというのは、夜を共にしている時に十分感じている。
「忙しいのでしたら、本来なら私達もお手伝いに行ければいいのですが……」
「駄目よ、あやか。今日はSEED世界の方で交渉があるでしょう? 重斬刀とリニアガン・タンクの輸入を増やす為の交渉を任されたんだから、しっかりしないと」
あやかと千鶴がそんな風に言葉を交わす。
にしても……
「へぇ。もう2人だけで交渉を任されるようになったのか。さすがだな」
そんな俺の感嘆の声に、あやかは照れで薄らと頬を赤くして口を開く。
「そうは言っても、既に既定路線で決まっている交渉ですから。エザリアさんからも気楽にやるようにと言われてますし」
「始めから大きな仕事を任されるって訳にもいかないだろ。それよりは寧ろ、ここまで早く単独で交渉を任されるようになったのを喜ぶべきだと思うけどな」
そう告げはするが、マブラヴ世界にとってリニアガン・タンクというのは、ある意味では戦術機よりも重要度の高い生命線とすら言ってもいい。
何しろ、BETAの中でも最高硬度を誇る突撃級の装甲殻を貫通する威力を持ち、戦術機の武器では手も足も出ないだろう母艦級にさえダメージを与える事が出来るのだから。
戦車であるが故に、ハイヴの中に入れないという事を抜きにして純粋に地上で戦うと考えれば、圧倒的な威力を誇る。
数少ない欠点と言えば、やはりその点だろう。後はガン・ルゥや戦術機のように1人で操縦出来ず、複数のパイロットが必要になる事か。
重斬刀に関しては、戦術機が使う為の近接用の武器としてはかなり有用で、アメリカのように遠距離攻撃重視、近接攻撃はおまけ程度にしか考えていない国以外での評判はすこぶる良く、こちらもリニアガン・タンク程ではないにしろマブラヴ世界からの需要はかなりある。リニアガン・タンクに比べれば1本ずつの値段はたかが知れているが、それでも……いや、1本が安いからこそ、リニアガン・タンクとは違って大量受注がよく入る。
そういう意味で、マブラヴ世界では戦術機に取って代わろうとしているかのようなリニアガン・タンクや、大量受注が当たり前の重斬刀に関しての交渉を任されるというのは、エザリアやレオンにこの2人の実力がある程度認められたという事を意味している。
……例えそれが、ある程度既に話の流れが決まっているものであるとしても、だ。
ちなみに、何故マブラヴ世界に輸出するリニアガン・タンクや重斬刀に関する交渉をシャドウミラーがするのかと言えば、基本的に世界間での兵器の輸出、輸入は条約で禁止している為だ。
ただし、マブラヴ世界の場合は色々な意味で例外なので、一旦シャドウミラーが各世界から武器を買い取ってマブラヴ世界に売るという形を取っている。
俺達が中間に入る事で、窓口を1つにするという意味もある。……まぁ、その代わりに多少の手数料は貰っているんだが。
地球連合軍やザフト……いや、この場合はプラントか。そっちからオーブが購入し、それを俺達が購入し、マブラヴ世界に売る。こう考えると、色々と中間マージンが発生してるんだよな。まぁ、マブラヴ世界の現状を考えて、かなり安い金額になってるのは事実だが。
「で、その交渉は何時からなんだ? 円や美砂みたいに急がなくてもいいのか?」
「ええ、問題ないわ。オーブとの交渉に関しては後2時間くらいあるし」
2時間か。微妙な時間だな。超包子を手伝うには時間が足りないし、かと言って何かをするにも微妙な時間。
「そうだな、なら1時間くらいホワイトスターを見て回るか? お祭り騒ぎになっている関係上、色々と出店とかもあるらしいし」
「え? その、いいのですか? アクセル君も今日は色々と忙しいのでは?」
あやかが心配そうに尋ねてくるが、今は特にこれといってやることがない。量産型Wで対処出来ないようなトラブルが起きればこっちに連絡が回ってくるかもしれないが、幸い今のところそんな様子はないし。
「今日1日中ってのは無理だろうが、少しくらいなら問題ないだろ。ほら、行くぞ。準備してこい」
その言葉に、2人共が躊躇しつつも嬉しそうに頷きながら自分の部屋へと向かって行く。
……ちなみに部屋と言っても寝室ではなく、それぞれの着替えとかが置いてある方の部屋だ。
その後ろ姿を見送り、俺もまた折角のデートなのでいつもの軍服ではなく適当な私服に着替えるべく、荷物の置いてある部屋へと向かうのだった。
「わぁ、本当に人が多く集まってるわね」
交流区画を眺め、千鶴が嬉しそうに微笑む。
その言葉通りに交流区画にはかなりの人の数が集まっていた。
勿論ネギま世界での休日の東京とかのような人数ではない。……そもそも、ホワイトスターにはそんなにたくさんの人が来てる訳じゃないしな。
だが、それだけの人数でも……いや、寧ろその人数だからこそと言うべきか、あやかと千鶴は非常に目立っていた。
元々顔立ちが整っているというのもあるし、他にも最近シャドウミラーのメンバーとして有名になってきているってのもある。
実働班の円や美砂と違って政治班のあやかや千鶴は人前に出る事も多いから、どうしても名前や顔は有名になるしな。
俺自身が色々と有名だってのもある。……何だかんだ言っても、シャドウミラーの中で最も露出度が高いのってどう考えても俺だしな。特にホワイトスターに来るような者達にしてみれば俺の顔を知らないなんて事はないだろう。
「アクセル君、林檎飴までありますわよ? ……本当にお祭り騒ぎですわね」
「まぁ、既に各世界にはホワイトスターと時の指輪の融合に関しては報告済みだ。それを承知の上でここに来ているのなら、俺としても何も言えないな。寧ろ融合に失敗すると思わないで、その時をこのホワイトスターで楽しもうという奴がいるのなら、ありがたいとすら言える。……林檎飴3つくれ」
先程あやかが指さしていた屋台から林檎飴を買い、それを1本を自分の口へと。そして残りの2本をあやかと千鶴へと渡す。
「林檎飴、懐かしいわね。去年の夏休みに麻帆良の近くで行われた夏祭りに夏美ちゃんや小太郎君と一緒に行ったんだけど、その時に買ったのは林檎の酸味が強すぎたのよね」
「ああ、そう言えば言ってましたわね。私も出来れば一緒に行きたかったのですが、雪広財閥の方で外れられない用事があって……残念でしたわ」
しみじみと語り合う2人。去年の夏休みか。俺がいれば一緒に夏祭りに行ったのかもしれないが……うん?
「円や美砂はどうしたんだ?」
俺と関わり合うまでは、何だかんだとあやかや千鶴と円や美砂はそこまで仲がいいという訳ではなかった。
勿論仲が悪かった訳ではなく、お互いに色々と話したりもしたのだが、それでも一緒に麻帆良の外まで遊びに行く事はなかっただろう。
だが、俺というイレギュラーが関与した結果、この4人は最終的に相当に仲がいい状態になっていた。そう、それこそ夏祭りがあったら一緒に麻帆良の外まで向かうくらいには。
しかし、そんな俺の予想は千鶴の思い出し笑いによって否定される。
「あの夏祭りの時は、確か円も美砂も魔法界の方に行っていた筈よ。何でも拳闘大会のエキシビションマッチでラカンさんと戦ったとか」
「……うわ」
千鶴のその言葉に、思わず言葉を漏らす。
確かに円や美砂はその辺の拳闘士よりも強くなったし、麻帆良の中でも有数の実力を持つまでになっている。だが、だからと言ってあの人間バグ的な存在でもあるラカンと戦って勝てるかと言われれば、答えはNoだろう。
……まぁ、そんな事を言えば俺はラカンに……それも2対1で勝ってるだろって突っ込みがくるだろうが。
そんな俺の表情に、千鶴は笑みを浮かべる。
「そうね、恐らくアクセル君の予想した通りの結果よ。円と美砂が本気で挑んだらしいけど……」
「だろうな」
円と美砂の2人なら、あるいはネギやフェイトともある程度は渡り合えるかもしれない。だが、それでもあくまでも渡り合えるといった程度でしかなく、結果としてその2人よりも数段上と思われるラカンに勝てる筈もなかった。
「悔しがってなかったか?」
ガリッという音と共に水飴を噛み砕くと、林檎の酸味と瑞々しさが爽やかに口の中へと広がる。
へぇ。普通林檎飴で使う林檎ってのは、時間が経った売れ残りとかが多いって話だが……これは随分と新鮮だな。
同じ事をあやかや千鶴も感じたのだろう。少し驚きの視線を屋台の店主へと向ける。
「へへっ、まぁ、折角ホワイトスターで商売するんだ。少しくらい無理をしても、このくらいは頑張らせて貰うよ」
俺と同年代の20代程の男の言葉に、思わず笑みを漏らし……そのまま20個程林檎飴を纏めて購入し、空間倉庫の中に収納する。
屋台の店主は空間倉庫を初めて見たのだろう。目を大きく見開いていたが、それでもホワイトスターに来るだけの人物はあって特に騒いだりといった事はしなかった。
「さて……ん?」
視線を向けた方にあったのは、お好み焼き、クレープ、たこ焼き、焼きそば、ドネルケバブといったお馴染みの屋台の数々。……ドネルケバブもお馴染みか?
ともあれ、通路の一画が完全に屋台村と化している。
「本気で、祭りだと勘違いしている奴がいそうだよな」
「ふふっ、確かにそうかもしれないわね。……そう言えば、公園の方はどうなっているのかしら?」
千鶴が心配している公園というのは、ハイエルフやダークエルフが住んでいる公園の事だろう。確かにホワイトスター全体がこの調子である以上、向こうにも人が行っている可能性は否定出来ない。
一応交流区画のすぐ側にあるしな。
「じゃあちょっと様子を見てみるか?」
「そうですわね。……ただ、アクセル君。ハイエルフの方々の性格を考えれば、もしかして他の世界の人達との交流は喜んでいるのでは?」
あやかの言葉に、納得する。
確かにホドリュー達が元々住んでいたハイエルフの里を飛び出して新たに村を作った理由を考えると、普通に有り得る事態だ。
だがハイエルフは良くても、ダークエルフの方はどうなんだろうな。
ダークエルフは別に他の種族に対して何かを思っている訳ではないが、同時に積極的に交流を望んでいる訳でもない。
そんな風に考えつつ、交流区画を歩いていると……
「うわ、マジか」
視線の先に、100m近い行列を見つけ……更にその先には超包子があるのを見て、思わずそう呟くのだった。
後書き
アクセル・アルマー
LV:42
PP:350
格闘:301
射撃:321
技量:311
防御:311
回避:341
命中:361
SP:1402
エースボーナス:SPブースト(SPを消費してスライムの性能をアップする)
成長タイプ:万能・特殊
空:S
陸:S
海:S
宇:S
精神:加速 消費SP4
努力 消費SP8
集中 消費SP16
直撃 消費SP30
覚醒 消費SP32
愛 消費SP48
スキル:EXPアップ
SPブースト(SPアップLv.9&SP回復&集中力)
念動力 LV.10
アタッカー
ガンファイト LV.9
インファイト LV.9
気力限界突破
魔法(炎)
魔法(影)
魔法(召喚)
闇の魔法
混沌精霊
???
???
撃墜数:1179
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